パーフェクトワールド

木原あざみ

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第三部

パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 11 ②

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「……お節介すぎない、おまえ」
「そうかな」
「毎回聞いててびっくりするんだけど、あいつら高一だからな? 小学生じゃないからな?」
「わかってるに決まってるだろ」

 そう苦笑して、成瀬は付け足した。

「あと、べつに、そこまでおかしなこと言ったつもりもないけど。俺は最後の選択肢でいいっていう話をしただけ。まずは同学年の友達と考えを出し合うっていうのは、ある意味あたりまえだろ」
「おかしくはないけど、おまえが言うと、すげぇ違和感」
「篠原が言ったんだろ。小学生じゃないって。だから、俺も、自分がいなくなったあとのことを考えて、ああ言ってるんだよ」

 そもそも、やんわりとであれば、以前から何度も言っているのだ。相談する相手は多いほうがいいし、その相手は、皓太であるほうがいい、と、そう。

 ――まぁ、意地張りたくなる気持ちも、わからなくはないけど。

 はじめて会ったときから先輩であった自分に頼るのと、同級生である皓太に頼るのとでは感じ方は異なるだろう。

「あぁ、そう」

 なぜか呆れたようにそう言った篠原が、溜息をこぼした。

「そっちに気ぃ回してる余裕あるなら、向原に回せよ。あいつ、また派手にやってるぞ」

 派手にやっている。言われるまでもなく、知ってはいたことだ。苦笑ひとつで、そうだな、と頷く。
 行人が言っていた件については、かたちだけはしっかりと通しておいたほうがいいだろうな、と考えながら。
 第二の性に関することでなにか揉めるようなことがあったとき、寮生委員会と風紀委員会とで共有し対策を取ると言い出したのはこちら側だ。

 ――まぁ、あの子に限って、「ない」とは思うけどな。

 それはそうとして、一番先に「心配」が来るあたり、行人も人間ができている。そういうところが、きっと幼馴染みは好ましくて、だから、ここに引き込みたくないのだろう。

「おまえ、いつも適当なところで止めてたろ。どう見ても、止めるライン越えてる」
「まぁ」

 なんで毎回俺に言うんだ、と思う半面、ある一点においては同意していたので、思っていたことをぽつりと呟く。

「やり過ぎてるよな」

 お互い表沙汰にする気がないから、なにも表面化していないというだけで。らしくないことをしているな、とも思う。

「……おまえも知ってるだろうけど」

 嫌そうに、というよりは、どこか篠原自身も扱いかねている雰囲気に、ちら、と視線を向ける。珍しかったからだ。
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