6 / 34
5.
しおりを挟む
壁がトントンと三回叩かれたら、ベランダに出てこいの合図。この部屋に引っ越してきて、三ヶ月。夜の風もじんわりと汗ばむようになったころ、気が付けば、そんな習慣ができあがっていた。
「悠生ー」
自分と違って基本的に暇だと思っているからか、遠慮のない声がベランダから催促するように呼ぶ。本来であれば絶対に許容しない距離感であるはずなのに、笹原のペースに流されるがままだ。
それなのに、不愉快と言うわけではないのだから、不思議だ。近いけれど、不用意に心の内側に踏み込んではこない、ただ傍で座っているだけのような、言葉では言い表しがたい絶妙な立ち位置。笹原は距離感の取り方がきっと抜群に巧いのだろう。そう結論付けて、悠生は殊更ゆっくりと、打ち込んでいた文章を確認してから上書き保存をしてパソコンを閉じた。レポートの提出期限は来週だが、早めに仕上げておきたくて、課題が出た直後に手を付けていた。そのおかげで、今日中には仕上がりそうだった。
「悠生?」
二度目の呼びかけに、悠生は立ち上がって、煙草の箱を掴む。ひと段落着いたから休憩に出ただけですよ、なんて。そんなポーズを取りたがる自身に苦笑を噛み殺しながら。
網戸を開けて外に出ると、虫の声が僅かに大きくなったような気がした。
あまり背の高くない隔板は、ちょうど悠生の目線のあたりまでしかない。そのおかげと言うのはおかしいかもしれないが、部屋を行き来しなくともベランダに出るだけで、顔を合わせて話をすることができる環境になっていた。
「勉強でもしてた?」
邪魔しちゃったんだったら、ごめんね。謝っているが、本気で自分が邪魔をしたとは思っていなさそうで、悠生は俯いて煙草に火を点けた。
大学で逢うときよりもずっとラフで気の抜けた格好をしているが、悠生にはこの姿の方がなんとなく落ち着く。今日も変わらず、悠生にはおしゃれなのかなんなのか判別の付かないイラストの描かれたティーシャツを着ているけれど。
「一段落着いた。というか」
「うん。なに?」
「それはなんなわけ? 猫? ふぐ?」
突っ込んだら負けだと分かっているのに、つい突っ込んでしまった。案の定、笹原が嬉しそうに破顔した。誇示するようにティーシャツを引っ張る。
「かわいくない? このあいだ見つけて即買いしちゃった」
哺乳類か魚類かすら識別できないフォルムの生き物だが、「かわいい」らしい。満面の笑みを否定する気も起きず、とりあえず目下の疑問を問いかける。
「かわいいのは分かったけど。それでなんなの」
「ゴマアザラシって実花さんは言ってたけど」
「実花さんって、それの作者?」
「そう、そう。このつぶらな眼が良いよね。癒される」
つぶらどころか、どの線が眼なのかすらも分からないが、気に入っているらしいことは疑いようがない。未確認物体から視線を外して、天に紫煙を吐いた。今日は雲が厚い。
――そういや、日曜にまた良く分からないフェスに行ったって言ってたな。
「そんなに好きなら、普段もそういう恰好してりゃ良いのに」
大学に向かうとき、笹原は、世間一般的に言うところのお洒落な服を着ている。それもべつに、嫌いだと言うわけではなさそうだけれど。
「これは部屋で一人でリラックスするときに着るからこそ意味があるの」
「俺と会ってるじゃねぇかよ」
「それはそれ。悠生は良いの」
まぁ、俺が相手だったら見た目に気を遣う必要はないだろうなと悠生は思った。格好に気を巡らそうと考えたことはない。
「なんて言うのかな、悠生は楽なんだよね」
「あっそ」
「あっそ、って冷たいなぁ」
笑って笹原がゴマアザラシに眼を落とす。まさに今、癒されているのかもしれない。いつからか、ベランダに出ても笹原は煙草を吸わなくなっていた。まるで自分と喋ることを目的に顔を出しているとも勘繰れてしまいそうで、悠生は立ち上る紫煙に意識を移した。星を数える代わりだ。
「勉強って、もしかして教育言論のレポート?」
「そうだけど」
「あれ期限、まだまだ先なのに。えらいね」
「べつに」
笹原はさらりと人を褒める。これといった他意もないのだろうが、慣れていない悠生はどう対応すれば良いのか分からなくて、ついぶっきらぼうな調子になってしまう。
「早めに終わらせないと落ち着かないってだけ」
「それはちょっと分かる気もする。前日ギリギリにやろうって思ってても、なにがあるか分からないもんね」
「……そんなとこ。手ぇ付けたの早かったから、今日中には終わると思う」
「あ、じゃあ、今日は無理か」
「なにが?」
残念そうな声に、悠生は首を傾げた。星を見上げるほどではないが、それでも長身の笹原と視線を合わせようと思うと、上向くことになる。だからなのか、とふと思った。高いところにあるものは、みんなきらきらして見えるから、眩しいのだろうか。
「バイト先でさ、余るから持って帰って良いよってお惣菜貰ったんだけど。結構な量だったから、一緒につまみながら飲まないかなーと思って」
「おまえ、俺が未成年だって覚えてる?」
「煙草吸いながら言う台詞じゃないよね、それ」
笑われて、吸われないまま煙ばかりをたゆたわせている煙草に視線を落とす。
――そういえば、初めてこのベランダで顔を合わせたときにも言われたな。
「まぁでも気にしないで。明日でも良いし」
「行く」
「え? 良いの?」
嬉しそうな声に、悠生は自分が無意識の内に口走っていたことを知る。けれど、今更、「やっぱり、無理」だなんて言えるわけがない。灰皿代わりの空き缶に、まだ残っている吸いさしを放り込んだ。
「べつに、今日中にどうしても終わらせなきゃいけないもんでもないし」
「うん」
「余らせるのも勿体ないし」
「うん」
「それだけだからな」
「うん」
「……なんだよ、その顔は」
にやにやとした顔で頷いている笹原に、思わず身構える。
「え? リアルでツンデレって初めて見たなと思って」
「……」
「あ、それをかわいいと思う気持ちも分かるなって思って見てただけで、べつに馬鹿にしてたとかじゃないからね?」
焦ったようにして付け加えられたそれに、悠生は渋々頷いた。
「知ってる」
たった三ヶ月しか一緒に過ごしていないのに、この男がそういうことを思う人間でも言う人間でもないと知ってしまっている。
「なら良かった」
にこと微笑む顔に、なんだかんだと抵抗したところで自分が絆されるのだということも、知ってしまった。得な性格だよな、とは思うけれど。
「じゃあ、待ってるから。玄関からね」
「おまえじゃあるまいし、乗り越えねぇよ」
つい一週間ほど前、いきなりベランダから入って来られたときは、さすがにぎょっとした。
「あれは、あの、その。何回呼んでもいるはずなのに返事がないから、体調でも悪いのかなと心配になって」
「まずは電話鳴らせよ、そこは」
転寝していて、壁を叩く音に気が付かなかっただけだ。スマートフォンが鳴れば気が付いたはずだ。
「そうだけど。直接行った方が早いじゃん。……いや、ごめんなさい」
「べつに怒ってはないけど」
不思議なほど腹が立たなかったのは、純粋に案じてくれていたと伝わってきたからなのかもしれない。気恥ずかしくて、不機嫌な応答をしてしまっていただろうけれど。
「悠生は、そのあたり、本当に懐が広いよね」
室内に戻ろうとしたタイミングでかけられた声に、悠生は特に反応はせず網戸を閉めた。部屋の中はじんわりと蒸している。もっと暑くなったら、とふと思った。真夏になれば、ベランダで話すこともなくなるだろうか。でも、そうなればどちらかの部屋に行けば良いだけだ。冷房代も節約できる。
そこまで考えて、悠生は自身に笑った。三ヶ月前、自分は思っていたはずだ。どうせ、いつかその笑顔は向けられなくなる、と。だったら、早いうちに離れて欲しいと漠然と願っていたはずだ。
それなのに、当たり前の顔で隣にいる男が離れていくことはありえないと思ってしまっていた。そんなこと、あるわけがないのに。
今まで、自分に失望しなかった人間なんて、いなかった。誰一人として。
だから、最初から砂粒ほどの期待も抱かれないように、隠れて生きてきていたのに。
「悠生ー」
自分と違って基本的に暇だと思っているからか、遠慮のない声がベランダから催促するように呼ぶ。本来であれば絶対に許容しない距離感であるはずなのに、笹原のペースに流されるがままだ。
それなのに、不愉快と言うわけではないのだから、不思議だ。近いけれど、不用意に心の内側に踏み込んではこない、ただ傍で座っているだけのような、言葉では言い表しがたい絶妙な立ち位置。笹原は距離感の取り方がきっと抜群に巧いのだろう。そう結論付けて、悠生は殊更ゆっくりと、打ち込んでいた文章を確認してから上書き保存をしてパソコンを閉じた。レポートの提出期限は来週だが、早めに仕上げておきたくて、課題が出た直後に手を付けていた。そのおかげで、今日中には仕上がりそうだった。
「悠生?」
二度目の呼びかけに、悠生は立ち上がって、煙草の箱を掴む。ひと段落着いたから休憩に出ただけですよ、なんて。そんなポーズを取りたがる自身に苦笑を噛み殺しながら。
網戸を開けて外に出ると、虫の声が僅かに大きくなったような気がした。
あまり背の高くない隔板は、ちょうど悠生の目線のあたりまでしかない。そのおかげと言うのはおかしいかもしれないが、部屋を行き来しなくともベランダに出るだけで、顔を合わせて話をすることができる環境になっていた。
「勉強でもしてた?」
邪魔しちゃったんだったら、ごめんね。謝っているが、本気で自分が邪魔をしたとは思っていなさそうで、悠生は俯いて煙草に火を点けた。
大学で逢うときよりもずっとラフで気の抜けた格好をしているが、悠生にはこの姿の方がなんとなく落ち着く。今日も変わらず、悠生にはおしゃれなのかなんなのか判別の付かないイラストの描かれたティーシャツを着ているけれど。
「一段落着いた。というか」
「うん。なに?」
「それはなんなわけ? 猫? ふぐ?」
突っ込んだら負けだと分かっているのに、つい突っ込んでしまった。案の定、笹原が嬉しそうに破顔した。誇示するようにティーシャツを引っ張る。
「かわいくない? このあいだ見つけて即買いしちゃった」
哺乳類か魚類かすら識別できないフォルムの生き物だが、「かわいい」らしい。満面の笑みを否定する気も起きず、とりあえず目下の疑問を問いかける。
「かわいいのは分かったけど。それでなんなの」
「ゴマアザラシって実花さんは言ってたけど」
「実花さんって、それの作者?」
「そう、そう。このつぶらな眼が良いよね。癒される」
つぶらどころか、どの線が眼なのかすらも分からないが、気に入っているらしいことは疑いようがない。未確認物体から視線を外して、天に紫煙を吐いた。今日は雲が厚い。
――そういや、日曜にまた良く分からないフェスに行ったって言ってたな。
「そんなに好きなら、普段もそういう恰好してりゃ良いのに」
大学に向かうとき、笹原は、世間一般的に言うところのお洒落な服を着ている。それもべつに、嫌いだと言うわけではなさそうだけれど。
「これは部屋で一人でリラックスするときに着るからこそ意味があるの」
「俺と会ってるじゃねぇかよ」
「それはそれ。悠生は良いの」
まぁ、俺が相手だったら見た目に気を遣う必要はないだろうなと悠生は思った。格好に気を巡らそうと考えたことはない。
「なんて言うのかな、悠生は楽なんだよね」
「あっそ」
「あっそ、って冷たいなぁ」
笑って笹原がゴマアザラシに眼を落とす。まさに今、癒されているのかもしれない。いつからか、ベランダに出ても笹原は煙草を吸わなくなっていた。まるで自分と喋ることを目的に顔を出しているとも勘繰れてしまいそうで、悠生は立ち上る紫煙に意識を移した。星を数える代わりだ。
「勉強って、もしかして教育言論のレポート?」
「そうだけど」
「あれ期限、まだまだ先なのに。えらいね」
「べつに」
笹原はさらりと人を褒める。これといった他意もないのだろうが、慣れていない悠生はどう対応すれば良いのか分からなくて、ついぶっきらぼうな調子になってしまう。
「早めに終わらせないと落ち着かないってだけ」
「それはちょっと分かる気もする。前日ギリギリにやろうって思ってても、なにがあるか分からないもんね」
「……そんなとこ。手ぇ付けたの早かったから、今日中には終わると思う」
「あ、じゃあ、今日は無理か」
「なにが?」
残念そうな声に、悠生は首を傾げた。星を見上げるほどではないが、それでも長身の笹原と視線を合わせようと思うと、上向くことになる。だからなのか、とふと思った。高いところにあるものは、みんなきらきらして見えるから、眩しいのだろうか。
「バイト先でさ、余るから持って帰って良いよってお惣菜貰ったんだけど。結構な量だったから、一緒につまみながら飲まないかなーと思って」
「おまえ、俺が未成年だって覚えてる?」
「煙草吸いながら言う台詞じゃないよね、それ」
笑われて、吸われないまま煙ばかりをたゆたわせている煙草に視線を落とす。
――そういえば、初めてこのベランダで顔を合わせたときにも言われたな。
「まぁでも気にしないで。明日でも良いし」
「行く」
「え? 良いの?」
嬉しそうな声に、悠生は自分が無意識の内に口走っていたことを知る。けれど、今更、「やっぱり、無理」だなんて言えるわけがない。灰皿代わりの空き缶に、まだ残っている吸いさしを放り込んだ。
「べつに、今日中にどうしても終わらせなきゃいけないもんでもないし」
「うん」
「余らせるのも勿体ないし」
「うん」
「それだけだからな」
「うん」
「……なんだよ、その顔は」
にやにやとした顔で頷いている笹原に、思わず身構える。
「え? リアルでツンデレって初めて見たなと思って」
「……」
「あ、それをかわいいと思う気持ちも分かるなって思って見てただけで、べつに馬鹿にしてたとかじゃないからね?」
焦ったようにして付け加えられたそれに、悠生は渋々頷いた。
「知ってる」
たった三ヶ月しか一緒に過ごしていないのに、この男がそういうことを思う人間でも言う人間でもないと知ってしまっている。
「なら良かった」
にこと微笑む顔に、なんだかんだと抵抗したところで自分が絆されるのだということも、知ってしまった。得な性格だよな、とは思うけれど。
「じゃあ、待ってるから。玄関からね」
「おまえじゃあるまいし、乗り越えねぇよ」
つい一週間ほど前、いきなりベランダから入って来られたときは、さすがにぎょっとした。
「あれは、あの、その。何回呼んでもいるはずなのに返事がないから、体調でも悪いのかなと心配になって」
「まずは電話鳴らせよ、そこは」
転寝していて、壁を叩く音に気が付かなかっただけだ。スマートフォンが鳴れば気が付いたはずだ。
「そうだけど。直接行った方が早いじゃん。……いや、ごめんなさい」
「べつに怒ってはないけど」
不思議なほど腹が立たなかったのは、純粋に案じてくれていたと伝わってきたからなのかもしれない。気恥ずかしくて、不機嫌な応答をしてしまっていただろうけれど。
「悠生は、そのあたり、本当に懐が広いよね」
室内に戻ろうとしたタイミングでかけられた声に、悠生は特に反応はせず網戸を閉めた。部屋の中はじんわりと蒸している。もっと暑くなったら、とふと思った。真夏になれば、ベランダで話すこともなくなるだろうか。でも、そうなればどちらかの部屋に行けば良いだけだ。冷房代も節約できる。
そこまで考えて、悠生は自身に笑った。三ヶ月前、自分は思っていたはずだ。どうせ、いつかその笑顔は向けられなくなる、と。だったら、早いうちに離れて欲しいと漠然と願っていたはずだ。
それなのに、当たり前の顔で隣にいる男が離れていくことはありえないと思ってしまっていた。そんなこと、あるわけがないのに。
今まで、自分に失望しなかった人間なんて、いなかった。誰一人として。
だから、最初から砂粒ほどの期待も抱かれないように、隠れて生きてきていたのに。
56
お気に入りに追加
138
あなたにおすすめの小説
没落した元名門貴族の令嬢は、馬鹿にしてきた人たちを見返すため王子の騎士を目指します!
日之影ソラ
ファンタジー
かつては騎士の名門と呼ばれたブレイブ公爵家は、代々王族の専属護衛を任されていた。
しかし数世代前から優秀な騎士が生まれず、ついに専属護衛の任を解かれてしまう。それ以降も目立った活躍はなく、貴族としての地位や立場は薄れて行く。
ブレイブ家の長女として生まれたミスティアは、才能がないながらも剣士として研鑽をつみ、騎士となった父の背中を見て育った。彼女は父を尊敬していたが、周囲の目は冷ややかであり、落ちぶれた騎士の一族と馬鹿にされてしまう。
そんなある日、父が戦場で命を落としてしまった。残されたのは母も病に倒れ、ついにはミスティア一人になってしまう。土地、お金、人、多くを失ってしまったミスティアは、亡き両親の想いを受け継ぎ、再びブレイブ家を最高の騎士の名家にするため、第一王子の護衛騎士になることを決意する。
こちらの作品の連載版です。
https://ncode.syosetu.com/n8177jc/
魔術師の卵は憧れの騎士に告白したい
朏猫(ミカヅキネコ)
BL
魔術学院に通うクーノは小さい頃助けてくれた騎士ザイハムに恋をしている。毎年バレンタインの日にチョコを渡しているものの、ザイハムは「いまだにお礼なんて律儀な子だな」としか思っていない。ザイハムの弟で重度のブラコンでもあるファルスの邪魔を躱しながら、今年は別の想いも胸にチョコを渡そうと考えるクーノだが……。
[名家の騎士×魔術師の卵 / BL]
運命の選択が見えるのですが、どちらを選べば幸せになれますか? ~私の人生はバッドエンド率99.99%らしいです~
日之影ソラ
恋愛
第六王女として生を受けたアイリスには運命の選択肢が見える。選んだ選択肢で未来が大きく変わり、最悪の場合は死へ繋がってしまうのだが……彼女は何度も選択を間違え、死んではやり直してを繰り返していた。
女神様曰く、彼女の先祖が大罪を犯したせいで末代まで呪われてしまっているらしい。その呪いによって彼女の未来は、99.99%がバッドエンドに設定されていた。
婚約破棄、暗殺、病気、仲たがい。
あらゆる不幸が彼女を襲う。
果たしてアイリスは幸福な未来にたどり着けるのか?
選択肢を見る力を駆使して運命を切り開け!
欲情しないと仰いましたので白い結婚でお願いします
ユユ
恋愛
他国の王太子の第三妃として望まれたはずが、
王太子からは拒絶されてしまった。
欲情しない?
ならば白い結婚で。
同伴公務も拒否します。
だけど王太子が何故か付き纏い出す。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
引退したオジサン勇者に子供ができました。いきなり「パパ」と言われても!?
リオール
ファンタジー
俺は魔王を倒し世界を救った最強の勇者。
誰もが俺に憧れ崇拝し、金はもちろん女にも困らない。これぞ最高の余生!
まだまだ30代、人生これから。謳歌しなくて何が人生か!
──なんて思っていたのも今は昔。
40代とスッカリ年食ってオッサンになった俺は、すっかり田舎の農民になっていた。
このまま平穏に田畑を耕して生きていこうと思っていたのに……そんな俺の目論見を崩すかのように、いきなりやって来た女の子。
その子が俺のことを「パパ」と呼んで!?
ちょっと待ってくれ、俺はまだ父親になるつもりはない。
頼むから付きまとうな、パパと呼ぶな、俺の人生を邪魔するな!
これは魔王を倒した後、悠々自適にお気楽ライフを送っている勇者の人生が一変するお話。
その子供は、はたして勇者にとって救世主となるのか?
そして本当に勇者の子供なのだろうか?
優秀な姉の添え物でしかない私を必要としてくれたのは、優しい勇者様でした ~病弱だった少女は異世界で恩返しの旅に出る~
日之影ソラ
ファンタジー
前世では病弱で、生涯のほとんどを病室で過ごした少女がいた。彼女は死を迎える直前、神様に願った。
もしも来世があるのなら、今度は私が誰かを支えられるような人間になりたい。見知らぬ誰かの優しさが、病に苦しむ自分を支えてくれたように。
そして彼女は貴族の令嬢ミモザとして生まれ変わった。非凡な姉と比べられ、常に見下されながらも、自分にやれることを精一杯取り組み、他人を支えることに人生をかけた。
誰かのために生きたい。その想いに嘘はない。けれど……本当にこれでいいのか?
そんな疑問に答えをくれたのは、平和な時代に生まれた勇者様だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる