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「……どうしたん、こんな朝早うから」
まだ九時にもなっとらんで、と玄関先で困ったふうに春海が眉を下げる。
まぁ、ふうでもなんでもなく、困っとるんやろうけどな。とんでもない時間に来たつもりはないが、自分の部屋での一件以来顔を合わせることははじめてだったし、そもそも、春海が帰ってきてから、暎は一度もこの家を訪ねていなかった。
つい三年前までは、もうひとつの実家のような気軽さで足を運んでいたというのに。
そんなことを思い返しつつ、はっきりと暎は言い放った。
「夏休取ってん。ちょっと付き合えや」
「あきちゃんが急かすで、田舎のヤンキーみたいな恰好で出てきてもうてんけど、俺」
ほとんど部屋着やで、これ、と助手席のシートにもたれながら、春海がぼやく。半ば強引に自宅の車庫まで連れ出したことは事実だったので、思わず少し笑ってしまった。
エンジンをかけて、車のクーラーを稼働させる。いくら車庫に入れてあっても、夏の車内は暑い。ぽつりと春海が呟く。
「暑いな」
「そのうちクーラーきいてくるやろ」
「いや、まぁ、そら、きいてくるやろけど、そういうことやなくて」
外行くんやめようやと言うのであれば、往生際が悪いと返してやるつもりだったのに、そうはならなかった。
「まぁ、ええけど」
溜息まじりに呟いて、春海がシートベルトを締める。諦めたらしい。
「それで、どこ行くん、これ」
「行きたいとこある?」
「えぇ」
ひさしぶりに聞いた嫌そうな声に、また少し笑う。その反応に、ますます春海の「嫌そう」に拍車がかかった。でも、そうやったな、と思う。
この夏は春海にペースを狂わされていたけれど、かつて好き勝手に振り回していたのは自分のほうだった。面倒くさがる春海を引っ張って、いろいろなところに行った。
あのころも、なんだかんだと言いながら春海は付き合ってくれて、だから、自分は甘えていたのだと思う。
「なんなん、それ。付き合え言うたん、あきちゃんやろ」
「まぁ、そうやけど。せっかくやで」
「せっかくなぁ」
「天気もええし」
「天気もええというか、よすぎひん? また三十五度くらいまで上がるんやろ。暑いって」
「そういや、上がる言うてたな」
朝早くに登校した妹が、そんなことを言っていた。新学期早々に体育祭があるので、その準備で出が早いらしい。暑さで死ねるんちゃうかな、とも嘆いていたが、たしかにそろそろ開催時期の変更を考えてもいい気がする。
そんなどうでもいいことを考えつつ、でも、と暎は続けた。
「ええやろ、車やで」
徒歩か、自転車か、一時間に一本のローカル線か。あるいは親に頼んで送迎をしてもらうか。その四択の交通手段しかなかった年では、もうないのだ。
「それはそうかもしらんけど。行きたいとこって急に言われてもなぁ」
弱りきった調子で首をひねるので、笑って請け負う。
「ええよ、どこでも」
本当だ。春海が望む場所があるのなら、どこでもいいと思っていた。頑なに前を向いていた春海の視線がこちらに流れる。
「どこでもって、東京でも?」
戻りたいんか、と問い返すことはしなかった。まぁ、と小さく頷く。道はあるのだ。時間とお金と体力をかければ、行けなくはないだろう。
「この軽で?」
「……まぁ」
「やめてや、怖いわ」
苦笑いで頭を振って、そのまま窓のほうに視線を固定する。
車庫の内壁など見てもなにも楽しくないと思うのだが、そんなに目を合わせたくないのだろうか。意地のように前を向いて、暎も口火を切った。
「悪かったなとは思ってんねん」
「え?」
「いや、この夏休みのことやなくてな、もっと前のことやねんけど」
「はぁ」
「いまさらやけど、こう、なんというか、いろいろ無神経なことしとったんとちがうかなと思って」
「いや、べつに」
「でも、それはそうとして、腹立ってきてな」
「ええ」
困惑しかない声だったが、淡々と言い募る。春海が腹を立てることと同じで、自分が腹を立ててもいいはずだ。
「言うてくれたらよかったやん、ぜんぶ」
そのはずだったのに、拗ねた響きを帯びてしまったかもしれない。
持て余していることがありありとわかる沈黙のあとで、そうやな、と春海は認めた。
「あきちゃんやったら、そうするんやろな」
……あかんわ、これ。
言い訳のひとつもする気のないあっさりとした調子に、そう暎は悟った。無理だ。だが、まぁ、一筋縄ではいかないだろうと踏んでいたので、問題はない。そのための有給だ。切り替えて、もうひとつを口にする。
「それと、もう一個腹立っとることあるんやけど」
「えぇ、もう一個て。あきちゃん、俺に腹立っとることばっかやん」
密室やのに怖いなぁ、と冗談めかして春海が笑う。その言葉尻には乗らず、暎はちらりとした視線だけを向けた。
「おまえ、ビビらせようとしてたやろ」
実際、そんなことにはならなかったわけだが、意識の問題だ。そのあとの自分の言動はさておくが、あとからじわじわと腹が立ってきたのだから、しかたがない。
いやぁ、だとか、えぇ、だとか。往生際悪く唸っていた春海だったが、結局、苦笑ひとつで溜息を吐いた。なんのことだとしらばっくれるつもりはなかったらしい。
「そこまでわかっとるんやったら、素直に意図汲んだってぇな。ただのヤバいやつやんか、俺」
「おまえにビビるわけないやろ」
「せやから」
うんざりと春海が言った。
「あきちゃんのそれが嫌やねんて、俺」
たしかに、前も言うてたな。そう応じる代わりに、暎はシートベルトを締めた。
「まぁ、ええわ。行こか」
「いや、ほんま意味わからん」
「だって、ないやろ」
「なにがよ」
「話せる場所」
どちらの家も、いつ家族が帰ってくるかわからないし、近場の店はどこに知った顔があるかわからない。車を選んだ、もうひとつの理由だ。
喧嘩をしたいわけでもないし、過剰に困らせたいわけでもない。もちろん、追い詰めたいわけでもない。ただ話をしたかった。できなかった三年前の分も含めて。
「そら、まぁ、そうやけどな」
困ったような、あるいは暎の頑固さに単純に呆れたような。そんな顔で頷いて、春海がほほえむ。
「南のほう行っても人多いだけやろ。北のほうでええんとちがう?」
今日はじめての前向きな意見だった。
「まぁ、海しかないけどな」
「せやな」
そちらの言いようはあいかわらずだと笑って、ナビ代わりのスマートフォンを設置する。
さらに北に行けば、いわゆるところの観光地もあるにはあるが、観光をしたいわけでもないだろう。そこに至るまでの海沿いに、道の駅のようなものがあったから、そのあたりで十分だ。
そう決めて、ナビに目的地を入力する。お盆の一時期を除けば、まず混むこともない一本道の国道を、道成に走るだけであるのだが、なんとなくの惰性というやつだ。
「下道で一時間くらいやな」
「一時間走ってなにがあるん?」
「……道の駅?」
あとは、まぁ、海もあるけれど、まず興味はないだろうな、と思う。
「田舎のヤンキーのデートコースやん」
ふはっと笑って、春海がシートに座り直した。そうして、ひとりごちるように呟く。
「まぁ、ええんやけど。なんでも」
――なんでも、な。
また無理に付き合わせとんのやろな、これ。気づいたところで、自分に撤回するつもりがないのだから、どうにもならない。黙ったまま、暎は車を発進させた。
家の目の前が国道なので、あとはもう海沿いに進むだけだ。本当にナビもなにもあったものではないな、とどうでもいいことを思っていると、この春に閉校になった小学校が見えた。
何年も前、春海と一緒に通っていたところだ。窓に肘をついて外を眺めている幼馴染みの横顔をそっと盗み見る。
……そういや、よう言うてたよなぁ。
小学校もあまり好きではない、とか、なんとか。暎以外の前ではそんなことは言わなかったし、登校渋りもなかったから、誰も知らなかっただろうけれど。
海のにおいも、砂浜の感覚も、みんな家族といった雰囲気の少人数の教室も。嫌いとまでは言わなかったものの、あまり好きではない、と困ったふうによく笑っていた気がする。
そうやって、春海の中に「好きではないもの」が静かに溜まり続けていたのだろうか。なにも知らないで、春海の隣で自分が安心すると笑っているあいだにも、ずっと。
「そういや、知っとる?」
「知っとるって、なにが」
不意に話しかけられて、なんでもないふうを暎は取り繕った。窓の外を向いたまま、春海が続ける。ただの世間話というていだった。
「向こうやとな、京都に海があるなんて知らん人、けっこうおるねんで」
「マジか」
「うん。それで、俺のこの田舎方言も、京都出身言うたら、京都弁に聞こえるらしいで。お得や思わへん?」
「京都弁ではないやろ」
というか、京都出身って言うたら、誤解を招くレベルの田舎やろ。なにを詐称しとんねん。内心の呆れが伝わったのか、おかしそうに春海が笑った。
「いや、だって、こんなとこの地名言うても、誰もわからへんよ」
「……まぁ、そら、そうか」
「そうやで」
また小さく笑って、言う。
「狭い世界よな、ほんま」
なにも言えずにいると、少しの間を置いて、ごめん、と春海が呟いた。気を悪くしたと捉えたのかもしれない。
「あきちゃんの生活を馬鹿にしたわけやないよ。その、なんというか」
「うん」
「ただ、俺には合わんかってんなぁっていうだけで」
「うん」
知っていると思った。春海がそんなふうに他人を非難する人間ではないということも、この町と合わないと感じていることも。
でも、それでも、戻ってきたんよな、こいつ。たとえほんの一時期の、期間限定だったとしても。もう戻る気はないと言い捨てたこの町に。
「ええよ、ほんまに」
本心で暎はそう返した。
「狭い世界なんやろなぁ、とは俺も思うで」
良い悪いという話ではなく、事実として。へぇ、という当たり障りのない相槌に、暎も小さく笑った。
「働き始めたら、さすがにちょっとは俺も変わるわ」
いろいろな人を見るようになって、いろいろな人と接するようになって、ごく自然と世界は広がった。
春海とふたりで閉じていた世界は、幼いころの暎にとって、なによりも大切なものだった。安心できる、唯一無二のに幸せな空間。でも、それは子どもだけの特権だったのだと、今ならわかる。春海は、もっと昔からわかっていたのかもしれない。
「そうかぁ」
今度のそれは、どこか少ししみじみとしていた。
「そうなんかもしらんね」
窓の外を向いたまま頷いたところで、春海が口を閉ざす。流れた沈黙に、どうしたものかと逡巡していると、なぁ、と春海が再び話しかけてきた。
「煙草吸っていい?」
「ええけど」
自分も喫煙者なのでどうのこうのと言う気はないが、そこまでヘビースモーカーだったのだろうか。長時間勉強を見てもらっていたはずの妹からも、そんな話を聞いた覚えはないのだが。
「持っとるん?」
「いや」
「ないんかい」
「だって、あきちゃん、めっちゃ急かしたやんか。それに、俺、実家では吸わんし。持っとらん」
「……俺が急かしたん、なんも関係ないやろ、それ」
そもそも所持していないと言うのであれば。まぁ、ええけど、と呆れ半分で応じて、暎はグローブボックスを示した。ありがとうの一言で躊躇なく手を伸ばすあたり、本人がどう思っているのかは知らないが、春海も大概遠慮がないな、と思う。
「あきちゃん、車でもけっこう吸うんやな」
「いや」
かちりとライターの音がして、煙草のにおいがした。一瞥して、苦笑する。
「そんなめっちゃ吸ってるわけやないけど」
ただ、なんとなく、家に入る前に車内で吸うことがあるから、置いてあるというだけだ。へぇ、と相槌を打った春海が、もうひとつを問いかけてくる。
「じゃあ、なんで?」
「ん?」
「いや、なんで吸い始めたんかなと思って。あきちゃんのことやで、二十になったあたりで誰かに貰ったんやろなって勝手に思ってたんやけど。……当たり?」
やっぱり、と笑うので、前を向いたまま、暎も小さく笑った。
平坦な一本道は、すれ違う車もまばらで、どうにものどかだった。もう少しで市が変わるが、景色にほとんど変わりはない。片側は海で、もう片側は山肌。
暎にとっては馴染んだものだが、春海にとってはひさしぶりに見るものだろう。これも、だからどうと言うわけではないが。
「そうやな。ほんまになんとなくやわ」
そう認めてから、それに、と続ける。ふと思い出したのだ。
「おまえ、前、めっちゃ嫌そうにしとったけど、市役所、ふつうに吸う人多いんよな」
「あぁ、ケムニケーション」
すごい話よなぁ、と笑って、携帯灰皿に灰を落とす。もちろん、それも暎のものだ。
「でも、なんやろ。癖になっとるとまでは言わんけど、切り替えたいときとか、いろいろ持て余しとるときに吸っとるんかもしれんわ」
「へぇ」
同じような相槌を打った春海が、ふっと笑った。
「梨花ちゃんの家庭教師頼まれたときの話やねんけど」
余計なことを言ったなと思いながらも、うん、と頷く。
「あきちゃん、梨花ちゃんおらんようなった途端、煙草吸いに逆戻りしとったやんか」
「まぁ、……うん。せやな」
「俺のこと、そんなに持て余してたんや。悲しいなぁ」
揶揄っていることが丸わかりのそれに、しゃあないやろ、と暎は開き直った。うんざりとした声を隠さず、続ける。
「なんで平気な顔して、うちにおんねん。そら、持て余しもするわ」
「それやったら、ずっと放っといてくれてよかったんやで?」
なんでもないふうに言って、また春海が笑う。かすかに呆れたふうに。
「どうせ、母さんに、春海の面倒見たってやとでも言われたんやろけど。あきちゃんもほんまに人がええよなぁ」
放っておいてくれてよかったんやで、と春海が繰り返す。それには答えないまま、暎は問い返した。
「おまえは?」
「ん、煙草?」
首を傾げた春海が、細く窓を開ける。煙草の紫煙と入れ替わりに温い風が入ってきて、夏という感じがした。
「吸わな、場が持たんとき」
「……最悪な答えすぎひんか、それ」
「えぇ、正直に言うただけやのに」
軽い調子で笑う横顔が視界の端に映る。ほんまに、なんやねん、こいつ。それは、まぁ、現在進行形で気詰まりかもしれないが。もろもろを呑み込んで、もう一度問いかけることを暎は選んだ。
「ほな、なんで?」
「ん?」
「一番最初。なんで吸ったん?」
「んー、そうやなぁ」
大学生にも付き合いはあるのだ、と。軒先で煙草を吸いながら、春海は笑っていた。
意外に感じて、でも、あたりまえなのかもしれない、とどうにか思い直したことを暎は覚えている。諦めに似た、苛立ち。
向こうで春海がなにをしているのか、自分はなにも知らないのだ。
「向こうで最初に付き合うてた子がな」
「うん」
「まぁ、男の子やねんけどな」
なんでもないふうな声だったけれど、なんでもないふうを取り繕った声だとわかった。
「その子がよう吸っとって、それで。……うん。せやな、俺もなんとなくやわ。毎回断るんも面倒やったし、場ぁ持たせたかったんやろな」
しょうもないやろ、と言いたげに苦笑する。だから、暎もなんでもないふうに質問を重ねた。春海の口から聞いてみたかったからだ。
「どんな子やったん?」
この町にいたころ、春海は恋愛には興味がないという態度だった。額面どおりに受け取って、だから女の子の告白も毎回断るのだと理解していたけれど、実際はどうだったのだろう。
同性から告白されることがあれば、違っていたのだろうか。それとも、自分を好きでいてくれたのだしたら、やはり受けなかっただろうか。
そうであるとすれば、向こうでその人を選んだ理由はなんだったのか。口を出す権利のない話だとわかっているのに、もやもやとしてしまう。
幼馴染みのことは自分が一番に知っていたいという、幼すぎる執着なのだろうか。
「せやなぁ」
純粋に言葉を選んでいるふうな間のあとで、ぽつりと春海は答えた。なにを思い出しているのか、懐かしむ調子の混じった表情。
「あきちゃんに、ちょっと似とったかな」
知りたいと思って尋ねたのに、なにも言うことができなかった。素直に言葉をつまらせた暎に、なんでもないふうに笑って、春海が煙草を消す。
「ちょっとだけやけどな」
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