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第160話 ウェポンマスター
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「ヴァルハラ帝国に移住するにあたって名付けを行うが…構わないな?」
「おぉ…名前をいただけるなんて…なんと慈悲深きお方なんだ…!!」
「いずれ必ず神格をいただけるでしょう…!!」
いちいち感動されても面倒くさいばかりだ…
魔狼族で話が通じるのはチェイス達くらいしかいないな…
「それと…今後魔狼族はチェイスが統括してくれ。」
「お、おいらで良ければ是非!!」
「皆もいいな?」
「もちろんでございます…」
「では一列に並んでくれ。」
それから数十分、約150人の魔狼族に名前を付けた。
長寿で元からステータス値が高いだけあって、名付けの際にMPをごっそり持っていかれた。
今やもうMPは5320しか残っていない。
『思ってたより持っていかれて焦ったけど…足りてよかった。』
「…ダグラス様、少々宜しいでしょうか?」
「どうしたグレイ?」
「魔狼族の人数が想定していたより多く、家の数が不足しております。」
「…まじか。」
ウェイドに今後帝国民数が増えることを想定し、余分に家を建ててもらっていたのだが…
また呼ぶしかあるまい。
「…すまないが急な移住計画だったためまだ家を建てられていない。用意できるまで集落で過ごしてもらってもいいか?」
「おいらは大丈夫です!それに、色々移住の支度も必要ですし…」
「それもそうだな。じゃあ用意が出来次第チェイスに連絡する。」
「了解です!」
それから魔狼族を集落に送った後、屋敷で商会へ連絡を入れた。
ウェイド達は明日から作業をしてくれることになった。
…早急に対応してくれて本当に助かる。
一旦やるべきことを全て終えたので、玉座で一息ついていた。
『ふぅ…急な出来事だったけど上手く対処できてよかった。それに良い収穫があったな。』
もし魔狼族の持つ魔法文明をヴァルハラ帝国内で共有出来たら、魔法国家より発達できること間違いなしだろう。
古代魔法と現代魔法の両方を使える国は、知る限りではひとつもない。
『…疲れたし一旦寝るか。』
翌朝
ウェイド達と建築資材をヴァルハラ帝国へ運び、すぐに作業が始まった。
『さて…時間できたし魔狼族の集落に行って古代魔法かじってみるか。』
俺はチェイスのところに“転移“した。
「あ、ダグラス様!どうなさったんですか?」
「時間ができたから少し古代魔法について聞こうと思ってな。」
「おいらも大して古代魔法を習得しているわけではないので、図書館に行くのが良いと思います。」
「わかった。どこにある?」
「今ちょうど休憩時間なので案内します!」
「助かる。」
道中ヴァルハラ帝国移住に対する魔狼族達の意見を聞いた。
肯定的なものばかりで、批判的な意見がほとんどなかったのでよかった。
「着きました!閲覧自由なので、ご自由にどうぞ!」
そこは王都の古びた本屋のような外観で、いかにも掘り出し物がありそうな雰囲気を漂わせている。
規模こそは王都と比べたらそこまで大きくないものの、それでも蔵書数は千冊を超えていた。
『これは期待大だな…!!』
図書館に入り、何から読むか悩んだので一番奥にあった本を手にとった。
こういった際、“言語理解“で普通に読めるのは非常に便利だ。
『タイトルは…“ウェポンマスターの真髄“!?!?』
“ウェポンマスター“といえば、この世界で唯一師匠だけが習得しているスキルだ。
古代魔法に分類されてたとは…
『…ってことは師匠は自力で古代魔法を習得したのか!!すごいな…!!』
それから数時間かけてその分厚い本を読み解いた。
“ウェポンマスター“の習得条件は、師匠が言っていた通り全武技スキルのSランクを習得することで、効果は全武器の同時使用だった。
そして、全武器の同時使用とは“武技魔法“を行使して自由自在に操ることのようだ。
『つまり師匠の“影分身“を利用した使い方は間違ってたのか…にも関わらず強かったな。』
武技魔法とは“魔力念操作“による魔法の操作と似ている。
武器を遠距離で操作し、その上スキルの行使やフェイントまで思うままにできるという。
『ん…?じゃあ師匠は“武技魔法“行使できてたのか…?まあいいや。』
いつの間にか昼を回ってきたので、俺は昼食を取りながら全ての武技スキルをSランクまで習得し、“ウェポンマスター“のスキルを解放した。
『さて…早速試してみるか。』
周囲に被害が出た時に備え、ヴァルハラ帝国と魔狼族の集落との間にある広い荒野に移動した。
そして、全種類の武器を“アイテムボックス“から取り出して地面に置いた。
『よし…いくぞ!』
“ウェポンマスター“を行使すると、決して少なくはない量のMPを持っていかれたが、武器がふわふわと空中に浮き始めた。
『くっ…!結構集中力が必要だな…』
肝心のMP消費は1つの武器で1分あたり100と、なかなか効率がいい。
その後半日、俺はただ武器を空中で動かす反復練習だけで過ごした。
想定していたよりも断然操作が難しかった…
「おぉ…名前をいただけるなんて…なんと慈悲深きお方なんだ…!!」
「いずれ必ず神格をいただけるでしょう…!!」
いちいち感動されても面倒くさいばかりだ…
魔狼族で話が通じるのはチェイス達くらいしかいないな…
「それと…今後魔狼族はチェイスが統括してくれ。」
「お、おいらで良ければ是非!!」
「皆もいいな?」
「もちろんでございます…」
「では一列に並んでくれ。」
それから数十分、約150人の魔狼族に名前を付けた。
長寿で元からステータス値が高いだけあって、名付けの際にMPをごっそり持っていかれた。
今やもうMPは5320しか残っていない。
『思ってたより持っていかれて焦ったけど…足りてよかった。』
「…ダグラス様、少々宜しいでしょうか?」
「どうしたグレイ?」
「魔狼族の人数が想定していたより多く、家の数が不足しております。」
「…まじか。」
ウェイドに今後帝国民数が増えることを想定し、余分に家を建ててもらっていたのだが…
また呼ぶしかあるまい。
「…すまないが急な移住計画だったためまだ家を建てられていない。用意できるまで集落で過ごしてもらってもいいか?」
「おいらは大丈夫です!それに、色々移住の支度も必要ですし…」
「それもそうだな。じゃあ用意が出来次第チェイスに連絡する。」
「了解です!」
それから魔狼族を集落に送った後、屋敷で商会へ連絡を入れた。
ウェイド達は明日から作業をしてくれることになった。
…早急に対応してくれて本当に助かる。
一旦やるべきことを全て終えたので、玉座で一息ついていた。
『ふぅ…急な出来事だったけど上手く対処できてよかった。それに良い収穫があったな。』
もし魔狼族の持つ魔法文明をヴァルハラ帝国内で共有出来たら、魔法国家より発達できること間違いなしだろう。
古代魔法と現代魔法の両方を使える国は、知る限りではひとつもない。
『…疲れたし一旦寝るか。』
翌朝
ウェイド達と建築資材をヴァルハラ帝国へ運び、すぐに作業が始まった。
『さて…時間できたし魔狼族の集落に行って古代魔法かじってみるか。』
俺はチェイスのところに“転移“した。
「あ、ダグラス様!どうなさったんですか?」
「時間ができたから少し古代魔法について聞こうと思ってな。」
「おいらも大して古代魔法を習得しているわけではないので、図書館に行くのが良いと思います。」
「わかった。どこにある?」
「今ちょうど休憩時間なので案内します!」
「助かる。」
道中ヴァルハラ帝国移住に対する魔狼族達の意見を聞いた。
肯定的なものばかりで、批判的な意見がほとんどなかったのでよかった。
「着きました!閲覧自由なので、ご自由にどうぞ!」
そこは王都の古びた本屋のような外観で、いかにも掘り出し物がありそうな雰囲気を漂わせている。
規模こそは王都と比べたらそこまで大きくないものの、それでも蔵書数は千冊を超えていた。
『これは期待大だな…!!』
図書館に入り、何から読むか悩んだので一番奥にあった本を手にとった。
こういった際、“言語理解“で普通に読めるのは非常に便利だ。
『タイトルは…“ウェポンマスターの真髄“!?!?』
“ウェポンマスター“といえば、この世界で唯一師匠だけが習得しているスキルだ。
古代魔法に分類されてたとは…
『…ってことは師匠は自力で古代魔法を習得したのか!!すごいな…!!』
それから数時間かけてその分厚い本を読み解いた。
“ウェポンマスター“の習得条件は、師匠が言っていた通り全武技スキルのSランクを習得することで、効果は全武器の同時使用だった。
そして、全武器の同時使用とは“武技魔法“を行使して自由自在に操ることのようだ。
『つまり師匠の“影分身“を利用した使い方は間違ってたのか…にも関わらず強かったな。』
武技魔法とは“魔力念操作“による魔法の操作と似ている。
武器を遠距離で操作し、その上スキルの行使やフェイントまで思うままにできるという。
『ん…?じゃあ師匠は“武技魔法“行使できてたのか…?まあいいや。』
いつの間にか昼を回ってきたので、俺は昼食を取りながら全ての武技スキルをSランクまで習得し、“ウェポンマスター“のスキルを解放した。
『さて…早速試してみるか。』
周囲に被害が出た時に備え、ヴァルハラ帝国と魔狼族の集落との間にある広い荒野に移動した。
そして、全種類の武器を“アイテムボックス“から取り出して地面に置いた。
『よし…いくぞ!』
“ウェポンマスター“を行使すると、決して少なくはない量のMPを持っていかれたが、武器がふわふわと空中に浮き始めた。
『くっ…!結構集中力が必要だな…』
肝心のMP消費は1つの武器で1分あたり100と、なかなか効率がいい。
その後半日、俺はただ武器を空中で動かす反復練習だけで過ごした。
想定していたよりも断然操作が難しかった…
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