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第245話 第4ダンジョン 120層ボス戦 決着
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スケルトンフェンリルとの戦闘開始から約15分が経過した。
攻撃が即座に”超回復”されるため、俺達は防戦を強いられていた。
「ちっ!!」
スケルトンフェンリルが習得している”植物操作を正直甘く見ていた。
ボス部屋には植物が無いため使えないだろうと考えていたがそうではなかったのだ。
空中やボス部屋の地面から多種多様な植物を生やすことができたのだ。
その攻撃方法はツタの槍、種子の弾丸、花による誘惑の状態異常など厄介なものばかり…
今は重戦士のアマニとライラがタワーシールドで種子の弾丸を弾いているが、このままではジリ貧だ。
相手は次々と植物を生やしていくため玉切れすることがなく、反撃の隙が無いのだ。
「…仕方ないか。全員盾の後ろから動くなよ!!!!!」
俺はまず”アイテムボックス”から”神鳥弓”を取り出し、真上目掛けて弦を引いた。
次に負担は大きいが”構造探知”でこちらへ飛んでくる種子の弾丸と植物を全て認識してロックオン。
そして通常の5倍ものTPを消費し、弓Lv.8”エンドレスホーミングアロー”を行使した。
真上に放った無数の矢は天井付近まで到達すると90度曲がり、弾丸を避けながら植物へと向かっていく。
スケルトンフェンリルは俺の攻撃を認知すると、種子を飛ばす植物の前に分厚い茎の盾を作り出した。
しかしその程度の壁で俺の攻撃は防ぐことはできない。
無数の矢は茎の盾を貫通し、種子を飛ばす植物を全て粉砕した。
通常の5倍のTPを込めた無数の矢はそれだけでは収まらない。
種子を飛ばす植物すらも貫通し、スケルトンフェンリルへと襲い掛かる。
「今だ!!!!前衛部隊と後衛部隊は攻撃を仕掛けろ!!!!」
TPを纏う無数の矢は1本1本がスケルトンフェンリルの骨を砕くほど高火力で、右両足と右肋骨を全て叩き折って骨粉をまき散らしながら地面に倒れた。
続けて俺、クレア、イザベル、ヴォルガノフが次々とソードスキルを行使していく。
俺は”神鳥弓”を仕舞い、”ブラックナックルグローブ”で体術スキルを行使する。
俺達3人はスキルチェインを駆使し、”超回復”の隙を与えないよう連撃を放つ。
ヴォルガノフはソードスキル発動間にタイムロスが生じているが、後衛部隊の弓Lv.5”バーストアロー”とタイミングを合わせることで補っている。
「カタカタカタカタカタカタカタカタ…」
俺達が左両足と左肋骨を攻撃している間に、先程叩き折って地面に落ちた骨が身体にくっついていく。
先程から観察していてようやく分かったのだが、”超回復”の発動条件は傷が完治することらしい。
骨が全てくっつき、修復した後にHPが回復するのだ。
『とんだチートスキルだよ…!!!!!』
クレア達を残して俺は1人でスケルトンフェンリルの右側に回り、そして修復し始めている骨へ体術Lv.9”千手観音虎狼掌”を行使して無数の虎狼掌で再び骨を攻撃する。
虎狼掌は正拳突きの上位互換で、虎や狼を1撃で仕留めるほどの威力を持つ掌打である。
スケルトンフェンリルの骨は虎狼より硬いが、TPを過剰に込めることで1撃粉砕していく。
『残りHPは4割…っ!!!』
何やら攻撃している手の感覚が無くなって来たと思い見てみると、霜のようなものが付いていた。
どうやらスケルトンフェンリルの身体とその周囲が冷気を纏い始めたらしい。
”状態異常無効”のおかげで手は元に戻ったが、クレア達はそうではなかった。
「おおおぉぉぉぉ!!!!!オレの両手剣が凍ってるぞ!!何かかっこいいな!!!」
「ボクの棍棒も…威力が増しそうなのです!!!」
「僕の片手剣も限界のようだね…」
その氷が腕まで到達したら一大事なのだが、2人はのんきというか肝が据わっているというか…
ひとまずこれ以上スケルトンフェンリルに直接攻撃をするのは控えた方が良いだろう。
「3人は後退しろ!!!」
「なんでだよ!?」
「スケルトンフェンリルが”気候操作”を行使して冷気を帯び始めた!!このまま直接攻撃すれば身体まで凍るぞ!?」
「ひぇ…こ、後退するのです!!」
「不本意だが今回は君の指示に従うとするよ。」
「そうしろ。…全員離れてタワーシールドに隠れろ!!!!一気に畳みかける!!!!!!」
前衛が俺1人になった以上、3人の分まで働かなくてはならない。
だが、正直なところ1人である故に可能な戦いかたというものがある。
…そう、被害無視の遠距離攻撃である。
俺は”アイテムボックス”から”鬼人剣”と”神鳥弓”を取り出し、”神鳥弓”を構えた。
まずTP消費10倍で弓Lv.9”エンドレスホーミングバーストアロー”を行使する。
続いて”鬼人剣”に持ち替え、TP消費10倍で両手剣Lv.9”ノヴァディザスター”を行使する。
そして素手に変え、TP消費10倍で体術Lv.10”千手観音爆裂獣神砲”を行使する。
最後にダメ押しで”千手観音爆裂獣神砲”をスキルチェインで何回も行使した。
いくらTP量が異常なほど多い俺でも、TPバーがガンガン減っていくのが目に見えて分かる。
無数の矢と斬撃、そして砲撃がスケルトンフェンリルへと飛んでいく。
それらが全て直撃し、轟音と爆風、そして骨粉の雨がボス部屋全体に広がった。
TP残量が1割を切った俺は疲労を感じ、その場で膝をついたがどうやら費用対効果は十分だったようだ。
舞い散る骨粉が靄になって消滅し、遠くでドスンッ!と重い魔石の落ちる音がした。
『…オーバーキルだったみたいだな。』
先程までスケルトンフェンリルが居たであろう場所はまるで台風が通ったかのように荒れ、破壊不能と言われているボス部屋の床が傷と穴だらけになっていた。
だが、誰一人として欠けることなく未開拓領域である120層を攻略することができた。
攻撃が即座に”超回復”されるため、俺達は防戦を強いられていた。
「ちっ!!」
スケルトンフェンリルが習得している”植物操作を正直甘く見ていた。
ボス部屋には植物が無いため使えないだろうと考えていたがそうではなかったのだ。
空中やボス部屋の地面から多種多様な植物を生やすことができたのだ。
その攻撃方法はツタの槍、種子の弾丸、花による誘惑の状態異常など厄介なものばかり…
今は重戦士のアマニとライラがタワーシールドで種子の弾丸を弾いているが、このままではジリ貧だ。
相手は次々と植物を生やしていくため玉切れすることがなく、反撃の隙が無いのだ。
「…仕方ないか。全員盾の後ろから動くなよ!!!!!」
俺はまず”アイテムボックス”から”神鳥弓”を取り出し、真上目掛けて弦を引いた。
次に負担は大きいが”構造探知”でこちらへ飛んでくる種子の弾丸と植物を全て認識してロックオン。
そして通常の5倍ものTPを消費し、弓Lv.8”エンドレスホーミングアロー”を行使した。
真上に放った無数の矢は天井付近まで到達すると90度曲がり、弾丸を避けながら植物へと向かっていく。
スケルトンフェンリルは俺の攻撃を認知すると、種子を飛ばす植物の前に分厚い茎の盾を作り出した。
しかしその程度の壁で俺の攻撃は防ぐことはできない。
無数の矢は茎の盾を貫通し、種子を飛ばす植物を全て粉砕した。
通常の5倍のTPを込めた無数の矢はそれだけでは収まらない。
種子を飛ばす植物すらも貫通し、スケルトンフェンリルへと襲い掛かる。
「今だ!!!!前衛部隊と後衛部隊は攻撃を仕掛けろ!!!!」
TPを纏う無数の矢は1本1本がスケルトンフェンリルの骨を砕くほど高火力で、右両足と右肋骨を全て叩き折って骨粉をまき散らしながら地面に倒れた。
続けて俺、クレア、イザベル、ヴォルガノフが次々とソードスキルを行使していく。
俺は”神鳥弓”を仕舞い、”ブラックナックルグローブ”で体術スキルを行使する。
俺達3人はスキルチェインを駆使し、”超回復”の隙を与えないよう連撃を放つ。
ヴォルガノフはソードスキル発動間にタイムロスが生じているが、後衛部隊の弓Lv.5”バーストアロー”とタイミングを合わせることで補っている。
「カタカタカタカタカタカタカタカタ…」
俺達が左両足と左肋骨を攻撃している間に、先程叩き折って地面に落ちた骨が身体にくっついていく。
先程から観察していてようやく分かったのだが、”超回復”の発動条件は傷が完治することらしい。
骨が全てくっつき、修復した後にHPが回復するのだ。
『とんだチートスキルだよ…!!!!!』
クレア達を残して俺は1人でスケルトンフェンリルの右側に回り、そして修復し始めている骨へ体術Lv.9”千手観音虎狼掌”を行使して無数の虎狼掌で再び骨を攻撃する。
虎狼掌は正拳突きの上位互換で、虎や狼を1撃で仕留めるほどの威力を持つ掌打である。
スケルトンフェンリルの骨は虎狼より硬いが、TPを過剰に込めることで1撃粉砕していく。
『残りHPは4割…っ!!!』
何やら攻撃している手の感覚が無くなって来たと思い見てみると、霜のようなものが付いていた。
どうやらスケルトンフェンリルの身体とその周囲が冷気を纏い始めたらしい。
”状態異常無効”のおかげで手は元に戻ったが、クレア達はそうではなかった。
「おおおぉぉぉぉ!!!!!オレの両手剣が凍ってるぞ!!何かかっこいいな!!!」
「ボクの棍棒も…威力が増しそうなのです!!!」
「僕の片手剣も限界のようだね…」
その氷が腕まで到達したら一大事なのだが、2人はのんきというか肝が据わっているというか…
ひとまずこれ以上スケルトンフェンリルに直接攻撃をするのは控えた方が良いだろう。
「3人は後退しろ!!!」
「なんでだよ!?」
「スケルトンフェンリルが”気候操作”を行使して冷気を帯び始めた!!このまま直接攻撃すれば身体まで凍るぞ!?」
「ひぇ…こ、後退するのです!!」
「不本意だが今回は君の指示に従うとするよ。」
「そうしろ。…全員離れてタワーシールドに隠れろ!!!!一気に畳みかける!!!!!!」
前衛が俺1人になった以上、3人の分まで働かなくてはならない。
だが、正直なところ1人である故に可能な戦いかたというものがある。
…そう、被害無視の遠距離攻撃である。
俺は”アイテムボックス”から”鬼人剣”と”神鳥弓”を取り出し、”神鳥弓”を構えた。
まずTP消費10倍で弓Lv.9”エンドレスホーミングバーストアロー”を行使する。
続いて”鬼人剣”に持ち替え、TP消費10倍で両手剣Lv.9”ノヴァディザスター”を行使する。
そして素手に変え、TP消費10倍で体術Lv.10”千手観音爆裂獣神砲”を行使する。
最後にダメ押しで”千手観音爆裂獣神砲”をスキルチェインで何回も行使した。
いくらTP量が異常なほど多い俺でも、TPバーがガンガン減っていくのが目に見えて分かる。
無数の矢と斬撃、そして砲撃がスケルトンフェンリルへと飛んでいく。
それらが全て直撃し、轟音と爆風、そして骨粉の雨がボス部屋全体に広がった。
TP残量が1割を切った俺は疲労を感じ、その場で膝をついたがどうやら費用対効果は十分だったようだ。
舞い散る骨粉が靄になって消滅し、遠くでドスンッ!と重い魔石の落ちる音がした。
『…オーバーキルだったみたいだな。』
先程までスケルトンフェンリルが居たであろう場所はまるで台風が通ったかのように荒れ、破壊不能と言われているボス部屋の床が傷と穴だらけになっていた。
だが、誰一人として欠けることなく未開拓領域である120層を攻略することができた。
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