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第40話 魔物征伐 最終決戦①

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作戦が成功し、俺達アランパーティは1階層を通り抜けて地上へ戻った。

そして、レイフ兄様率いる本陣と合流した。



「アルフレッド、作戦は…?」



「順調です。700体…総数の半分くらいは削れたかと思います。」



「そうか…!!次の作戦は予定通りに?」



「はい。」



次の作戦…それは1階層の細かく分かれた通路を利用し、魔物を減らすことだ。

1階層は階段ー1本道ー広場ー3本道ー広場ー1本道-地上という構造をしている。



奥の1本道:タンク(盾役)と弓兵を配置。魔物を間引き、危なくなり次第後退。

奥の広場:騎士団参謀率いる騎士団を配置。魔物を間引き、危なくなり次第後退。



中央の3本道:それぞれの道にAランクの冒険者パーティを配置。魔物を間引き、危なくなり次第後退。

※ここでハイゴブリンのような各個体は弱いが数が多くて厄介な魔物を殲滅し終える予定。



手前の広場:師匠率いる騎士団を配置。危険度が高い魔物を可能な限り仕留め、危なくなり次第後退。



手前の1本道:タンクを配置。作戦が遅れた際、兵士達が後退する時間を稼ぐ。



といった感じだ。



「小僧、今の状況は?」



「魔物陣営の先端部分…影から察するにおそらくハイコボルドの群れが奥の1本道に辿り着いてる。

作戦通りタンクが抑えて弓兵が仕留めているようだが…多勢に無勢だな。」



「そうか…」



『待てよ…?負荷が大幅に減った今ならあの中級悪魔を詳しく”鑑定”できるんじゃないか…?』



2階層では現状を把握するため”魔物探知”と”悪魔族探知”、”鑑定”を同時使用したため負荷が酷く、すぐさま強制終了したため等級しか分からなかったのだ。



試しに”悪魔族探知”と”鑑定”を同時使用してみた。





名前 ベリアル 種族 悪魔族 Lv.62



HP 610/610 TP 9810/26510 SP 0



STR 20 VIT 30 DEX 70 AGI 20 INT 120 LUK 80



スキル

なし



ユニークスキル

魔物召喚:TPを消費することで忠実な魔物を召喚することができる。※ただし、代償として魔物召喚以外のスキルを習得できなくなる。





『大氾濫の元凶はこの中級悪魔だったのか。この悪魔自身は戦闘力がなさそうだが…TPが10000近く余っているのは懸念事項だな。』



追い詰められ、最期に全てのTPを消費して魔物を召喚する可能性がある。

悪魔に気付かれることなく仕留められたらいいのだが…



『…ってか剣の世界なのに”魔物召喚”ってもはや魔法なのでは!?』



…まあ俺の”探知”も魔法のようなものだし、お互い様だ。



「アルフレッド、現状を説明してくれ。」



「はい。今は…奥の1本道に配置した者達が後退し、奥の広場で騎士団と合流しました。70体ほど減らせたかと。」



「そうか…それで、魔物は今どこに?」



「奥の広場で騎士団と交戦中です。かなり優勢かと思われます。」



「そうか…!!」



奥の広場で騎士団が対峙しているのは…危険度Cランク、トロールだ。

トロールは自然回復力が高いため、危険度Eランクのオークと似ているが強さは桁外れである。



『騎士団の連携なら心配しなくて大丈夫だろ。一旦落ち着いたら疲れがどっと来たな…』



昨日はノーブルオーガやらラミアやらを一掃し、寝付いてすぐ魔物大移動が始まって十分な睡眠をとれず…

そして起きてからは作戦を立てて常に”探知”を行使しながら行動し…



『活動内容は全く異なるが…社畜時代と同じくらいの激務だな。』



1時間後



配置した冒険者や騎士団がダンジョンの入り口からぞろぞろと出てきた。



「…っと、全員後退したな。」



2つの広場では騎士団が予定以上に活躍してくれた。

おかげで残りは中級悪魔とその取り巻きの30体まで減らすことに成功した。



「全員戦闘態勢!!敵が来るぞ!!」



レイフ兄様が指示を出すや否や、ダンジョンの入り口を包囲している冒険者達が武器を取った。

どこか浮ついているのは問題だな…



「ひゃっほーう!!金が来るぞ!!」



「一攫千金だ!!!お前等、狩りまくるぞ!!!」



これまでは俺達アランパーティとペンシルゴン家の騎士団だけで行動していたため、追加報酬を得られずにうずうずしていたのだろう。

手筈通り、最後の戦闘はレイフ兄様のパーティと冒険者に任せてしまおう。



『ゴゴゴゴゴゴゴ…』



ダンジョンから振動が徐々に近づいてくる。

浮ついていた冒険者達だが、振動が近づくたびに表情が硬くなっていった。



次の瞬間



「なっ…!?」



俺はダンジョンから出てきた魔物を見て唖然とした。

体長7mほどの巨体で、4mくらいある大剣を片手に持つ二足歩行の牛がぞろぞろと出てきたのだ。

…そう、奴らは危険度Aランクのミノタウロスだ。



「お前等、行くぞーー!!!!!」



「おおおおおおおおお!!!!!!」



冒険者達の表情に恐怖の色は見られない。

次々とミノタウロスに近づき、ソードスキルを放っていく。



『…って、見入ってる場合じゃない!!悪魔はどこだ…?』



ミノタウロスと冒険者との激戦で、肉眼で見つけるのは難しそうだ。

俺は急いで”悪魔族探知”を行使した。



「…っ!!レイフィールド殿、悪魔を発見しました!!」



「どこだ!?」



「最奥にいる…一際大きいミノタウロスの右肩の上です!!」



「なっ…!?」
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