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第34話 魔物征伐 偵察

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「レイフィールド殿、2階層に繋がる階段を見つけました!!」



「そうか…!!皆、ついにアルフレッド2階層へ繋がる階段を発見した!!」



「おおおおおおおおおお!!!!!」



「アルフレッド、階段までに魔物はいるか?」



「いません。」



「そうか…皆、階段前で1度休憩をとる!!階層が変わり、魔物がより強力化するかもしれない。

各員装備の点検を行うように!!」



「了解である!!」



数分後



「疲れたぁ…!!」



「小僧、よく頑張ったな!!!」



「ありがとう…」



疲れたが100匹近くラミアを討伐したお陰で、Lvは71→86まで上昇した。

SPはまだ振り分けないでおこう。



『この魔物征伐でレアアイテムをゲットしたが装備必要ステータスが足りなくて装備できない…なんてことになったら悲しいからな。』



「この後偵察に呼び出されるだろうから…これ飲んどけ。」



「これは…?」



「酒だ!」



「ちょっ…!!未成年に何飲まそうとしてるんだよ!!ってか魔物征伐に酒を持って来たのかよ…!!」



「いつものことであるよ…」



「そうそう!あーしも最初は注意してたけど…もうやめちゃった!」



「えぇ…」



アランにこんな一面があったとは。

酔って作戦に影響を及ぼさなければいいが…



「ほどほどにしておけよ…」



「ああ!」



「…って、おいぃぃ!!!!!」



懐から一升瓶を取り出したと思ったら直飲みし、みるみるうちに半分を飲み干してしまった。



「くぅ…!!!やっぱダンジョンは酒だよなぁ!!!」



本の中の『不死身のアラン』の姿がどんどん崩れていく…

俺はファンじゃないからダメージを受けないが…父上が見たらどう思うだろう。



「アルフレッド、偵察を頼んでもいいか?私も同行する。」



「分かりました。…でも、レイフィールド殿が抜けて大丈夫なんですか?」



「問題ない。既に知らせてある。」



「分かりました。では行きましょうか。」



俺はレイフ兄様と二人きりで、2階層の偵察へ向かった。



「レイフ兄様。」



「なんだ?」



「師匠は…魔物征伐に来ていますか?」



「ああ。副団長だから地上の統率をしてるよ。」



「そうですか…!」



実は師匠が副団長だったことは出家前に父上から聞いたので驚かなかった。

せっかくなので魔物征伐が終わったら挨拶に向かおう。



「…そろそろ2階層に着きます。魔物と罠は…今のところありません。」



「そうか。ところでアル、いつ探知なんてできるようになったんだ?」



「えっと…以前スライムを倒して回っていた時、効率よく見つける練習をしてたら出来るようになりました。」



「そうだったのか…道理でLvUPが早かったわけだ。」



「はは…」



何とか誤魔化せた…と思う。



貴族やギルドで使われる“鑑定“の魔道具はHPやSP、STRなどのパラメータだけで、スキルやユニークスキルは表示されない。

もし表示されていたら、5つものユニークスキルを持つ俺は神の申し子として教会で崇められていただろう。



「…っと、着きます。罠があったときに備えて戦闘準備を!」



「分かった。」



ゆっくり階段の出口へ進んでいき、2階層に入ると眩い光が差し込んできた。



「…っ!!これは…草原か…?」



「そう…みたいだな。」



草が風でなびき、遠くには木々が茂っている。

ここがダンジョンの中だと知らされなければ、地上と区別がつかないだろう。



「アル、ここから遠くまで偵察できるか…?」



「やってみます。」



俺は有効範囲を前方半円で半径300mに設定し、“気配探知“を行使した。



「うっ…!!」



「アル!!大丈夫か…!?!?」



脳内に大量の情報が流れ込み、酔ってしまった。

これ以上膨大な情報が瞬間的に流れ込むと、脳が損傷を負う可能性がある。

今後は出来るだけ控えた方が良さそうだ。



「落ち着いてからでいい。」



「はい…」



数分後



「落ち着きました。」



「よかった…それで、何が分かった?」



「目では遠くまで続いているように見えますが、実際のこの階層は約250m四方です。

それと、向こうに見える木々のあたりにウルフ系の魔物が大量にいました。

そして…最奥に大きい個体が1匹います。」



「指揮個体か…厄介だな。」



ウルフ系は知能が高く、策略を用いて人を狩るため1番弱いウルフでもEランクの魔物である。

ウルフの進化先がCランクのダイアウルフ、ダイアウルフの進化先がAランクのウェアウルフである。



「今までAランクのメデゥーサ、Bランクのノーブルオーガ、Cランクのラミアが現れたことから考えて…」



「取り巻きがダイアウルフ、指揮個体がウェアウルフだろうな…アル、戻るぞ。」



「はい。」



木々が茂った草原はウルフ系の生息地だ。

そこで討伐をしたらまんまと敵の策略にはまり、死傷者が続出するだろう。

かと言って生息地からおびき出す方法も見つからない。



『レイフ兄様はどう対応するんだ…?』



そんなことを考えながら階段を上り、1階層に戻った。



「偵察が終わった。皆、集まってくれ。」



着いてすぐに作戦会議を始め、得た情報を共有した。



「大量のダイアウルフに指揮個体のウェアウルフ…もはやSランク冒険者が受注するクエストだぞ…」



「一体どうすれば…」



目の前に困難が立ちはだかり、今まで順調だった進攻が初めて停止した。
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