上 下
76 / 188

第76話 採掘

しおりを挟む
報酬を受け取った後、俺は鉱山に向かった。

ゴーレムの事件からまだ少ししか経っていないにも関わらず、すでに開放されていたのだ。



『みんなしたたかに生きてるなぁ…』



中に入ってみるとゴーレムはおらず、ワームばかりいた。



『解決してよかった…』



今日の目標はワーム魔物を倒して”鑑定&略奪"をしつつ、採掘をすることだ。

”幸運”スキルを習得しているのでいい鉱石が掘れたら嬉しい。



『狙いはもちろん伝説のアダマンタイト鉱石だよな!!』



ミスリルやオリハルコンなどの希少鉱石も欲しい。

そんな期待を抱いて鉱山に入った。



「おうダグラス!今日は採掘か?」



「アッシン!!ああ!おすすめの採掘ポイントはあるか?」



「そうだなぁ…例のインプを見つけたところに行ってみたらどうだ?

おそらくダグラスしか存在を知らないだろうし…独占できるぞ!!」



「確かに…ありがとう!!」



「気にするな!!」



俺は”マッピング”を見ながら進んでいった。



『あの時はゴーレムを倒すのに夢中で気づかなかったが…だいぶ遠いな。』



ワーム系やゴーレム系と数回遭遇したが、難なく倒して目的地についた。

途中で気づいたのだが、ここは未踏破区域に属していた。



『道理でインプが堂々と拠点を構えていたわけだ。』



採掘を始める前にここを探索することにした。

改めて来てみると薄暗いうえに少し寒く、不気味な場所だ。



『結構広かったんだな…いくつか部屋もある。』



まずは倉庫らしき場所に入った。

すると、大きな樽が5つ並んでいた。



『何が入ってるんだ…?』



危険物だった場合に備えて万全の状態を整えた。



『…よし、開けるか!』



1つ目の中身は全て鉄鉱石だった。



「…ん?」



2つ目を開けてみると、全て銅鉱石だった。



『…もしかしてこの施設を作るときに採掘した鉱石を入れているのか?』



それぞれ3つ目と4つ目は石炭、5つ目は魔石だった。



『種類で分けて収納するとかA型かよ。ってかなんで魔石があるんだ?』



調べてみると、どうやら”ゴーレム生成”をするには核となる魔石が必要らしいのだ。

ちなみに、使用する魔石のランクによって生成できるゴーレムのランクが上がるらしい。



『魔石を媒介にしてあの程度のゴーレムかぁ…あまり有用性が無いな。』



魔石は全て”魔石吸収”をし、残りの鉱石は全て”アイテムボックス”に収納した。

そして再び探索を始めた。



『ここは…インプと戦った場所か。』



戦闘の影響で物が散らばっており、動きにくい。

ここにはゴーレム研究の資料が散らばっていた。



『今後参考になるかもしれないし一応回収しておくか。』



資料をすべて”アイテムボックス”に収納し、探索を続けた。

他の場所は休憩室と実験室で、何もなかった。



『探索も終わったしそろそろ採掘を始めるか!!』



使用するピッケルは、ゴーレム事件の際にアッシンにもらったものだ。

鉱山を出てから返そうとしたのだが、もらってくれと言われたのでもらったのだ。



『そういえばこの施設内で魔物を見かけていないな。ここでは発生しないのか…?』



一応”レーダー”を常時行使しておくことにした。



俺はピッケルで土を掘っては出たごみを”アイテムボックス”に収納してを繰り返した。



『やっぱりなかなか出てこないものだな…』



数時間が経ち、結果は鉄鉱石×21と銅鉱石×13、石炭×19で希少金属は0だった。



『つまらないなぁ…どうせ海龍の鱗の方がランク高いしもうやめるか。』



飽き性な性格が出てしまった。

しかし、今改めて考えてみると希少金属を発掘するよりもステータスを上げる方が優先事項だ。



それから俺はゴーレム系とワーム系を倒しまくったのだが、それほど多くは倒せなかった。

なぜなら、鉱山内にあまりいなかったのだ。



『明日から狩場変えるか…でもダンジョンと森林フィールドしかないぞ…?』



ギルドに戻り、狩場の相談をすることにした。



「あ、ダグラス君おかえり!」



「ただいまテレサ。ワーム系とゴーレム系の狩場のことで相談があるんだが、いいか?」



「もちろん!それで、どうしたの?」



俺はその内容を説明した。



「なるほど…確かにダグラス君の討伐数は多いから鉱山じゃ不満だね。森林フィールドに行ってみたらどう?」



「でも森林フィールドだとワーム系とかゴーレム系がいないんじゃ…?」



「鉱山に近ければ発生するから森林フィールドにもいるの!」



「そうなのか…ありがとう。」



「どういたしまして!」



それから俺は魔物の討伐報告を行った。

鉱石は今後”鍛冶”スキルの熟練度上げをする際に使用するかもしれないので”アイテムボックス”に収納しておいた。



明日からは”鑑定&略奪”に専念して強くなろうと思う。
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

異世界チートはお手の物

スライド
ファンタジー
 16歳の少年秋月悠斗は、ある日突然トラックにひかれてその人生を終えてしまう。しかし、エレナと名乗る女神にチート能力を与えられ、異世界『レイアード』へと転移するのだった。※この作品は「小説家になろう」でも投稿しています。

異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。 ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。 そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。 視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。 二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。 *カクヨムでも先行更新しております。

婚約破棄は誰が為の

瀬織董李
ファンタジー
学園の卒業パーティーで起こった婚約破棄。 宣言した王太子は気付いていなかった。 この婚約破棄を誰よりも望んでいたのが、目の前の令嬢であることを…… 10話程度の予定。1話約千文字です 10/9日HOTランキング5位 10/10HOTランキング1位になりました! ありがとうございます!!

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

売れない薬はただのゴミ ~伯爵令嬢がつぶれかけのお店を再生します~

薄味メロン
ファンタジー
周囲は、みんな敵。 欠陥品と呼ばれた令嬢が、つぶれかけのお店を立て直す。

二人分働いてたのに、「聖女はもう時代遅れ。これからはヒーラーの時代」と言われてクビにされました。でも、ヒーラーは防御魔法を使えませんよ?

小平ニコ
ファンタジー
「ディーナ。お前には今日で、俺たちのパーティーを抜けてもらう。異論は受け付けない」  勇者ラジアスはそう言い、私をパーティーから追放した。……異論がないわけではなかったが、もうずっと前に僧侶と戦士がパーティーを離脱し、必死になって彼らの抜けた穴を埋めていた私としては、自分から頭を下げてまでパーティーに残りたいとは思わなかった。  ほとんど喧嘩別れのような形で勇者パーティーを脱退した私は、故郷には帰らず、戦闘もこなせる武闘派聖女としての力を活かし、賞金首狩りをして生活費を稼いでいた。  そんなある日のこと。  何気なく見た新聞の一面に、驚くべき記事が載っていた。 『勇者パーティー、またも敗走! 魔王軍四天王の前に、なすすべなし!』  どうやら、私がいなくなった後の勇者パーティーは、うまく機能していないらしい。最新の回復職である『ヒーラー』を仲間に加えるって言ってたから、心配ないと思ってたのに。  ……あれ、もしかして『ヒーラー』って、完全に回復に特化した職業で、聖女みたいに、防御の結界を張ることはできないのかしら?  私がその可能性に思い至った頃。  勇者ラジアスもまた、自分の判断が間違っていたことに気がついた。  そして勇者ラジアスは、再び私の前に姿を現したのだった……

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

元侯爵令嬢は冷遇を満喫する

cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。 しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は 「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」 夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。 自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。 お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。 本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。 ※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります ※作者都合のご都合主義です。 ※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。 ※架空のお話です。現実世界の話ではありません。 ※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。

処理中です...