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岡嵜零は死にかけていた。
撃たれた太腿に構わず、オメガマイナスが零の身体の限界を超えて動かし続けた結果、その反動は相当なダメージとなった。
玄関まで戻って止血の処置をしたが、失血だけはいかんともし難く、もう指先さえ動かすこともままならない。
青息吐息の中、零は自分を呼びかける声に気付いた。
「ママ、大丈夫?僕だよ、わかる?」
その呼び掛けに、零は恒を思い浮かべた。
<あなた、あなたなの?>
しかし、恒は死んでいる。
<これは臨死体験?お迎えって奴かしら?>
零は最後の気力を振り絞って、うっすらと目を開けた。
そこにいたのは、マリアだった。
「あ、目を覚ました。
もう大丈夫。
さあ、家に戻ろう」
マリアは小さな体で、零を軽々とお姫様抱っこで持ち上げた。
オメガマイナスの能力を使っているのは明らかだ。
「うっ」
零にもオメガマイナスが働いているとはいえ、右脚に疼きを覚えた。
見ると、撃たれた傷口にベルトが巻いてある。
気を失っている間に、マリアが刑事のものでも取って処置をしたのだろう。
「私はもう駄目…置いて行きなさい…」
零は、いつものかすれ具合よりさらに輪をかけた声で言った。
「大丈夫、大丈夫、心配ない、心配ない」
それは恒の口癖だった。
「お父さんの口癖にそっくり…知らないはずなのにね…」
零は呟いた。
別に何か応えてもらうために言ったのではない。
しかし、次に言ったマリアの余りにも意外な反応に零は驚愕した。
「…そうだよママ、わからないの。
ボクだよ、僕」
マリアの口調が急に変わった。
「え?マリア、あなた何言っているの?」
「ボク、そう僕は恒だよ、ママ。
ぜろっちって言った方がわかってもらえるかな?」
「!!?」
ぜろっち、それは恒が零を呼んでいたニックネームだった。
それは、結婚する前、二人きりの時だけの呼び方。
恒以外知るはずもない。
「マリア、なぜそれを…」
「だから、僕はマリアでもあるけど、恒でもあるんだ。
書いていたろ、僕は戻ってくるって」
「戻るってどうやって…まさか本当に死後の世界なんて…うう」
零は全身を襲う倦怠感から、思わずうめき声を漏らした。
「しゃべらないで。
説明するから、黙って聞いていて」
マリアはゆっくりとリビングまで進む。
「実は僕、マリヤのテロメアの部分にね、自分自身の中核となるであろう遺伝子をコピーしていたんだよ」
「な、何を…」
「いいから黙って聞いて」
マリアはソファの上に零を寝かせると、ダイニングに向かう。
「ただ、テロメアの部分を長くするだけじゃあもったいないと思ってさあ。
ほら原始の記憶ってあるじゃない。
赤ちゃんは誰も教えてないのに、なぜおっぱいを飲もうとするのか。
渡り鳥はなぜ渡ろうとするのか。
僕はそのキーとなるであろう遺伝子の部分に目星をつけて、自分の遺伝子をマリヤの遺伝子のテロメアの部分に挿入しておいたんだ」
「そんな…」
「いいから黙ってって」
マリアは冷蔵庫からスポーツドリンクのペットボトルを持って来た。
「これを飲んで」
マリアは零の口にペットボトルの中身をゆっくりと流し込む。
零は少しこぼしながらも、ごくりとそれを飲み込んだ。
「残念ながら、あの世のことは全然覚えていない。
でもね、確信があるんだ。
僕は生まれ変わろうとして生まれ変わることができた。
これだけは間違いないとね。
たぶん、マリアの半分は僕の遺伝子だったってことと、テロメアに僕の遺伝子を組み込んでいることも関係してると思うんだけど…」
零は考えを巡らした。
確かに前世の記憶を持つ人間の話はあることだ。
退行催眠を行えば、二十パーセントの人間が前世を語るというデータもある。
しかし、マリアが前世のことを言い出した時に調べた限りでは、全て眉唾なものだった。
決定的な証拠がないからだ。
どうとでも言える話で、後付けといっていいものばかり。
マリアの前世の言い分も、どこかで見たり聞いたりしたことを自分が過去に体験したように錯誤していると、無理やり片付けていた。
「僕も初めは混乱したよ。
ちょうど、ママが僕をコタール症候群と診立てた頃があるだろ。
その少し前に、実は僕、ママに禁止されていた地下室に忍び込んでいて、そこで僕自身の研究資料やあのノートを見つけていたんだ。
十才の僕にわかる内容ではないはずなのに、なぜか初めて見た気がしなかった。
デジャビュって奴かな。
それまでにも、何度かデジャビュはあったんだけど、それが切っ掛けになったのか、それから、毎日のようにいろんなデジャビュや見たことのないフラッシュバックが起こって…
初めは、子供だから訳がわかんなかったよ。
でも、僕自身が恒、つまりパパだって思ったら、妙に得心がいって…
そうしたら、デジャビュやフラッシュバックの謎が徐々に氷塊していったよ」
「でも、信じられない。
マリアがあなたなんて…
それなら、本当のマリヤは生まれ変わってないっていうこと…」
「それはわからない。
どこかにいるような気もするんだけど、そればかりは…」
「そうよ。あなたは自分のことをマリヤのように話していたじゃない…
お墓に連れて行ってここに眠っているって…
遊園地に行ったこととか、最後に薬を飲まされたことまで…」
零はそう口にしって、はっとした。
「そう、それは全部、僕目線でのマリヤの出来事を言ったまでだよ。
そこに僕も一緒にいたでしょ?」
「そうだったわね…
そう言われれば、あなたは自分のことをマリアって呼んでいたのに、急にボクって言い出したのも、病気になってから…」
「自分のことを名前で言う歳でもなくなってきたし、私っていうのも、なんか照れくさくてさ。
僕は僕だから」
零は目を閉じた。
<マリアが恒の生まれ変わりだと、もっと早くわかっていたら、どうしていただろう。
違う人生を過ごしていたのだろうか。
こんな人類絶滅など図らずに、二人で慎ましく暮らしていたかもしれない。
もう少し違った、楽しい時間が過ごせたのかもしれないのに。
恒に似てると思っていたマリアの行動は、当然のように遺伝によるものと考えていた。
それが、まさか本人そのものだったとは>
「もっと早く、言ってくれれば良かったのに…少なくともこんな…」
「そんなこと言って信じてくれる?」
マリアはいつもよりも早く零の言葉を遮った。
「ぜろっちってのはつい最近、思い出した言葉だし…
だんだん思い出していった訳だから、言う機会がなかったんだよ。
じゃあ、そろそろ、地下に行こうか。
核シェルターに閉じ籠っておこないといけないんでしょ、準備しておかなくちゃ、ね、ママ」
マリアは急に元の口調に戻ると、零を抱きかかえ、地下室へのエレベーターへ向かった。
「マリア…あの…」
マリアに体を預けたまま、零が躊躇うように口を開いた。
「何?」
マリアは言いながら、開いたエレベーターのドアに入る。
「あなた…彼氏の坂辻君いたけど、彼のことをどう思ってたの?」
「え?もしかして焼きもち焼いてくれてるのかな?」
「そんなんじゃ…いえ…正直、少しそれもあるかもしれないわね。
後は興味本位というか…」
「彼はね、トランスジェンダー、身体上の性別は女だったんだ、ボクと同じね、ウフ」
「そうだったの…」
「ただ、ボクは自分が女であることを楽しめたけど、彼は嫌悪していた違いはあるけどね。
…さあ、着いた」
地下一階の扉の前につくと、マリアは片手を離し、もう片方の手で肩を抱いて零を立たせた。
指紋認証装置に人差し指を当て、鍵を開ける。
「もう、それは使わないように…エレベーターも…電気を節約しなきゃ…」
その言葉だけ聞くと、零は子供に節電を教える真っ当な母親のようだった。
「あと少しだけ」
マリアはそう言って零をまた抱える。
エントランスに入って左の扉まで進み、同じように指紋認証で開ける。
真っ白な空間の広がる実験室、その壁際に置かれたやはり白い診察台にマリアは零を下した。
金属製の戸棚を開け、採血用のパックと器具を取り出す。
「これは後にして、とりあえず…急がないと」
今来たルートを引き返し、扉についたドアストッパーを足でセットした。
エントランスに入ると、持っていた器具をチェストの上に無造作に置き、さらに次の扉もストッパーで開いた状態にする。
そうして、マリアは階段を使い下のシェルターに向かった。
「久しぶり、中に入るの。いよいよだな。
いつでも入れるように開けておかなくちゃ」
マリアは分厚い金属製の扉の前まで来ると、うれしそうに独り言を呟いた。
撃たれた太腿に構わず、オメガマイナスが零の身体の限界を超えて動かし続けた結果、その反動は相当なダメージとなった。
玄関まで戻って止血の処置をしたが、失血だけはいかんともし難く、もう指先さえ動かすこともままならない。
青息吐息の中、零は自分を呼びかける声に気付いた。
「ママ、大丈夫?僕だよ、わかる?」
その呼び掛けに、零は恒を思い浮かべた。
<あなた、あなたなの?>
しかし、恒は死んでいる。
<これは臨死体験?お迎えって奴かしら?>
零は最後の気力を振り絞って、うっすらと目を開けた。
そこにいたのは、マリアだった。
「あ、目を覚ました。
もう大丈夫。
さあ、家に戻ろう」
マリアは小さな体で、零を軽々とお姫様抱っこで持ち上げた。
オメガマイナスの能力を使っているのは明らかだ。
「うっ」
零にもオメガマイナスが働いているとはいえ、右脚に疼きを覚えた。
見ると、撃たれた傷口にベルトが巻いてある。
気を失っている間に、マリアが刑事のものでも取って処置をしたのだろう。
「私はもう駄目…置いて行きなさい…」
零は、いつものかすれ具合よりさらに輪をかけた声で言った。
「大丈夫、大丈夫、心配ない、心配ない」
それは恒の口癖だった。
「お父さんの口癖にそっくり…知らないはずなのにね…」
零は呟いた。
別に何か応えてもらうために言ったのではない。
しかし、次に言ったマリアの余りにも意外な反応に零は驚愕した。
「…そうだよママ、わからないの。
ボクだよ、僕」
マリアの口調が急に変わった。
「え?マリア、あなた何言っているの?」
「ボク、そう僕は恒だよ、ママ。
ぜろっちって言った方がわかってもらえるかな?」
「!!?」
ぜろっち、それは恒が零を呼んでいたニックネームだった。
それは、結婚する前、二人きりの時だけの呼び方。
恒以外知るはずもない。
「マリア、なぜそれを…」
「だから、僕はマリアでもあるけど、恒でもあるんだ。
書いていたろ、僕は戻ってくるって」
「戻るってどうやって…まさか本当に死後の世界なんて…うう」
零は全身を襲う倦怠感から、思わずうめき声を漏らした。
「しゃべらないで。
説明するから、黙って聞いていて」
マリアはゆっくりとリビングまで進む。
「実は僕、マリヤのテロメアの部分にね、自分自身の中核となるであろう遺伝子をコピーしていたんだよ」
「な、何を…」
「いいから黙って聞いて」
マリアはソファの上に零を寝かせると、ダイニングに向かう。
「ただ、テロメアの部分を長くするだけじゃあもったいないと思ってさあ。
ほら原始の記憶ってあるじゃない。
赤ちゃんは誰も教えてないのに、なぜおっぱいを飲もうとするのか。
渡り鳥はなぜ渡ろうとするのか。
僕はそのキーとなるであろう遺伝子の部分に目星をつけて、自分の遺伝子をマリヤの遺伝子のテロメアの部分に挿入しておいたんだ」
「そんな…」
「いいから黙ってって」
マリアは冷蔵庫からスポーツドリンクのペットボトルを持って来た。
「これを飲んで」
マリアは零の口にペットボトルの中身をゆっくりと流し込む。
零は少しこぼしながらも、ごくりとそれを飲み込んだ。
「残念ながら、あの世のことは全然覚えていない。
でもね、確信があるんだ。
僕は生まれ変わろうとして生まれ変わることができた。
これだけは間違いないとね。
たぶん、マリアの半分は僕の遺伝子だったってことと、テロメアに僕の遺伝子を組み込んでいることも関係してると思うんだけど…」
零は考えを巡らした。
確かに前世の記憶を持つ人間の話はあることだ。
退行催眠を行えば、二十パーセントの人間が前世を語るというデータもある。
しかし、マリアが前世のことを言い出した時に調べた限りでは、全て眉唾なものだった。
決定的な証拠がないからだ。
どうとでも言える話で、後付けといっていいものばかり。
マリアの前世の言い分も、どこかで見たり聞いたりしたことを自分が過去に体験したように錯誤していると、無理やり片付けていた。
「僕も初めは混乱したよ。
ちょうど、ママが僕をコタール症候群と診立てた頃があるだろ。
その少し前に、実は僕、ママに禁止されていた地下室に忍び込んでいて、そこで僕自身の研究資料やあのノートを見つけていたんだ。
十才の僕にわかる内容ではないはずなのに、なぜか初めて見た気がしなかった。
デジャビュって奴かな。
それまでにも、何度かデジャビュはあったんだけど、それが切っ掛けになったのか、それから、毎日のようにいろんなデジャビュや見たことのないフラッシュバックが起こって…
初めは、子供だから訳がわかんなかったよ。
でも、僕自身が恒、つまりパパだって思ったら、妙に得心がいって…
そうしたら、デジャビュやフラッシュバックの謎が徐々に氷塊していったよ」
「でも、信じられない。
マリアがあなたなんて…
それなら、本当のマリヤは生まれ変わってないっていうこと…」
「それはわからない。
どこかにいるような気もするんだけど、そればかりは…」
「そうよ。あなたは自分のことをマリヤのように話していたじゃない…
お墓に連れて行ってここに眠っているって…
遊園地に行ったこととか、最後に薬を飲まされたことまで…」
零はそう口にしって、はっとした。
「そう、それは全部、僕目線でのマリヤの出来事を言ったまでだよ。
そこに僕も一緒にいたでしょ?」
「そうだったわね…
そう言われれば、あなたは自分のことをマリアって呼んでいたのに、急にボクって言い出したのも、病気になってから…」
「自分のことを名前で言う歳でもなくなってきたし、私っていうのも、なんか照れくさくてさ。
僕は僕だから」
零は目を閉じた。
<マリアが恒の生まれ変わりだと、もっと早くわかっていたら、どうしていただろう。
違う人生を過ごしていたのだろうか。
こんな人類絶滅など図らずに、二人で慎ましく暮らしていたかもしれない。
もう少し違った、楽しい時間が過ごせたのかもしれないのに。
恒に似てると思っていたマリアの行動は、当然のように遺伝によるものと考えていた。
それが、まさか本人そのものだったとは>
「もっと早く、言ってくれれば良かったのに…少なくともこんな…」
「そんなこと言って信じてくれる?」
マリアはいつもよりも早く零の言葉を遮った。
「ぜろっちってのはつい最近、思い出した言葉だし…
だんだん思い出していった訳だから、言う機会がなかったんだよ。
じゃあ、そろそろ、地下に行こうか。
核シェルターに閉じ籠っておこないといけないんでしょ、準備しておかなくちゃ、ね、ママ」
マリアは急に元の口調に戻ると、零を抱きかかえ、地下室へのエレベーターへ向かった。
「マリア…あの…」
マリアに体を預けたまま、零が躊躇うように口を開いた。
「何?」
マリアは言いながら、開いたエレベーターのドアに入る。
「あなた…彼氏の坂辻君いたけど、彼のことをどう思ってたの?」
「え?もしかして焼きもち焼いてくれてるのかな?」
「そんなんじゃ…いえ…正直、少しそれもあるかもしれないわね。
後は興味本位というか…」
「彼はね、トランスジェンダー、身体上の性別は女だったんだ、ボクと同じね、ウフ」
「そうだったの…」
「ただ、ボクは自分が女であることを楽しめたけど、彼は嫌悪していた違いはあるけどね。
…さあ、着いた」
地下一階の扉の前につくと、マリアは片手を離し、もう片方の手で肩を抱いて零を立たせた。
指紋認証装置に人差し指を当て、鍵を開ける。
「もう、それは使わないように…エレベーターも…電気を節約しなきゃ…」
その言葉だけ聞くと、零は子供に節電を教える真っ当な母親のようだった。
「あと少しだけ」
マリアはそう言って零をまた抱える。
エントランスに入って左の扉まで進み、同じように指紋認証で開ける。
真っ白な空間の広がる実験室、その壁際に置かれたやはり白い診察台にマリアは零を下した。
金属製の戸棚を開け、採血用のパックと器具を取り出す。
「これは後にして、とりあえず…急がないと」
今来たルートを引き返し、扉についたドアストッパーを足でセットした。
エントランスに入ると、持っていた器具をチェストの上に無造作に置き、さらに次の扉もストッパーで開いた状態にする。
そうして、マリアは階段を使い下のシェルターに向かった。
「久しぶり、中に入るの。いよいよだな。
いつでも入れるように開けておかなくちゃ」
マリアは分厚い金属製の扉の前まで来ると、うれしそうに独り言を呟いた。
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