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ミューを呼び出す
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(用は何かしら?)
動物園に戻ってから、俺はさっそくミューを呼び出した。
「僕達は今日、動物園の外へ出た」
(そう。どう思った?)
「地球には帰りたくないけど、動物園の外で生活したい。できれば宇宙船を手に入れて、ミウちゃん、アユちゃんを連れて宇宙を旅する生活をしたい」
僕の目前にいる三毛猫に擬態した生き物は、しばらく黙り込んでいた。
考え込んでいるのだろうか?
(悪くない考えだと思うわ。でも、あなた達三人が生活していく宇宙船は高いわよ。さすがに保護協会でも、そんなお金は援助できない)
「これを見てくれ」
俺はミューに右手を翳した。中指に指輪が嵌っている。
(口座を作ったの? どうやって?)
「あたしをモフモフさせてあげたら、ナウマさん、あっさり作ってくれたのです」
(まあ! ミウちゃん、嫌じゃなかった?)
「大丈夫です。別に気持ち悪くなかったし、ナウマさん優しいし」
ミューは、俺の手に近づいて指輪を舐めた。
(かなり入っているけど、宇宙船を買うにはこの十倍は必要よ。その前に、このお金どうしたの?)
「僕とミウちゃんの受精卵を売った金の一割」
(まあ! よくフォーク星人が、そんなに出したわね)
「嫌なら、地球に帰ると言ったら、振り込んでくれた」
(そう。それであなた達はこれから、受精卵を売り続けて宇宙船を買う費用を溜めるというのね?)
「そうなんだ。それで宇宙船を買う金が溜まったら、ここから出て行けるように手続きをしてほしい」
(法律上私に許されるのは、あなた達の帰還意思を確認してから地球に連れて行く事なのだけど……)
「ダメか?」
(あなた達の帰還意思を確認してから、ここから出る手続きをする。その後、地球への帰還は手に入れた宇宙船に乗って自力で帰るという事にするなら認められると思うわ。そのまま、あなた達が地球へ帰らないで、宇宙を放浪する生活しても問題はない。帰る前に他の星を見て回るだけのことだから)
「そうか。ではそれで頼む」
(では、この事は上司に相談してくるわね)
三毛猫は姿を消した。
俺達が動物園惑星を離れたのは、それから一年後の事だった。
動物園に戻ってから、俺はさっそくミューを呼び出した。
「僕達は今日、動物園の外へ出た」
(そう。どう思った?)
「地球には帰りたくないけど、動物園の外で生活したい。できれば宇宙船を手に入れて、ミウちゃん、アユちゃんを連れて宇宙を旅する生活をしたい」
僕の目前にいる三毛猫に擬態した生き物は、しばらく黙り込んでいた。
考え込んでいるのだろうか?
(悪くない考えだと思うわ。でも、あなた達三人が生活していく宇宙船は高いわよ。さすがに保護協会でも、そんなお金は援助できない)
「これを見てくれ」
俺はミューに右手を翳した。中指に指輪が嵌っている。
(口座を作ったの? どうやって?)
「あたしをモフモフさせてあげたら、ナウマさん、あっさり作ってくれたのです」
(まあ! ミウちゃん、嫌じゃなかった?)
「大丈夫です。別に気持ち悪くなかったし、ナウマさん優しいし」
ミューは、俺の手に近づいて指輪を舐めた。
(かなり入っているけど、宇宙船を買うにはこの十倍は必要よ。その前に、このお金どうしたの?)
「僕とミウちゃんの受精卵を売った金の一割」
(まあ! よくフォーク星人が、そんなに出したわね)
「嫌なら、地球に帰ると言ったら、振り込んでくれた」
(そう。それであなた達はこれから、受精卵を売り続けて宇宙船を買う費用を溜めるというのね?)
「そうなんだ。それで宇宙船を買う金が溜まったら、ここから出て行けるように手続きをしてほしい」
(法律上私に許されるのは、あなた達の帰還意思を確認してから地球に連れて行く事なのだけど……)
「ダメか?」
(あなた達の帰還意思を確認してから、ここから出る手続きをする。その後、地球への帰還は手に入れた宇宙船に乗って自力で帰るという事にするなら認められると思うわ。そのまま、あなた達が地球へ帰らないで、宇宙を放浪する生活しても問題はない。帰る前に他の星を見て回るだけのことだから)
「そうか。ではそれで頼む」
(では、この事は上司に相談してくるわね)
三毛猫は姿を消した。
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