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漆
他人
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「あの、もうここには、入ってもよろしいでしょうか?」
出発しようとしてドアを出たところで、いきなり声をかけられた。
地下道に出て初めて出会った人という事でもあり、ちょっと驚いたけど、相手は十二歳ぐらいの男の子を連れた、二十代後半ぐらいの女性。
危険はなさそうだ。
見ると、この人達が乗ってきたと思われる電動バイクが止まっている。
「あ! ひょっとして僕らが出るのを、待っていたのですか? すみません」
「いえ、お気になさらずに」
しかし、鍵をかけてなかったのだから勝手に入ってきてもよかったのに……いや、入って来られたら困るけど、入れたはずだが……
「ところで、貴方、このあたりで見かけない人ですね」
「遠くから来たもので、ここへは充電に立ち寄ったのです」
「そうでしたか」
「あの、このあたりには人が多いのですか?」
「四つのシェルター十五人の人がいます。しかし、あなたのような若い男の人がいません」
「はあ、ところでこちらの坊やはお子さんですか?」
ん? 女性の顔が引きつった。
やべ! こんな大きな子供のいるような歳ではなかったか?
「すみません。弟さんでしたか」
「いえ……そうじゃなくて……」
どうしたのだ? なんか答えに困っているような……
「お兄ちゃん、お待たせ」「お兄さん。お待たせしました」
休憩所からミクちゃん、香菜ちゃんが出てくるのを見た女性は当然の質問をした。
「あら? お子さん……妹さんですか?」
やべ! 本当の事を言ったらどう思われるか……合法になったとはいえ、やはりロリコンへの偏見は根深く残っているだろうし……
「えっと、この子たちは……」
俺が説明するより早、くミクちゃん香菜ちゃんが本当の事を言ってしまった。
「あたし達、妹じゃないよ。妻だよ」「奥さんです」
出発しようとしてドアを出たところで、いきなり声をかけられた。
地下道に出て初めて出会った人という事でもあり、ちょっと驚いたけど、相手は十二歳ぐらいの男の子を連れた、二十代後半ぐらいの女性。
危険はなさそうだ。
見ると、この人達が乗ってきたと思われる電動バイクが止まっている。
「あ! ひょっとして僕らが出るのを、待っていたのですか? すみません」
「いえ、お気になさらずに」
しかし、鍵をかけてなかったのだから勝手に入ってきてもよかったのに……いや、入って来られたら困るけど、入れたはずだが……
「ところで、貴方、このあたりで見かけない人ですね」
「遠くから来たもので、ここへは充電に立ち寄ったのです」
「そうでしたか」
「あの、このあたりには人が多いのですか?」
「四つのシェルター十五人の人がいます。しかし、あなたのような若い男の人がいません」
「はあ、ところでこちらの坊やはお子さんですか?」
ん? 女性の顔が引きつった。
やべ! こんな大きな子供のいるような歳ではなかったか?
「すみません。弟さんでしたか」
「いえ……そうじゃなくて……」
どうしたのだ? なんか答えに困っているような……
「お兄ちゃん、お待たせ」「お兄さん。お待たせしました」
休憩所からミクちゃん、香菜ちゃんが出てくるのを見た女性は当然の質問をした。
「あら? お子さん……妹さんですか?」
やべ! 本当の事を言ったらどう思われるか……合法になったとはいえ、やはりロリコンへの偏見は根深く残っているだろうし……
「えっと、この子たちは……」
俺が説明するより早、くミクちゃん香菜ちゃんが本当の事を言ってしまった。
「あたし達、妹じゃないよ。妻だよ」「奥さんです」
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