51 / 328
肆
香菜ちゃんの経緯2(三人称)
しおりを挟む
香菜が、おばさんのシェルターに入って数日が過ぎた。
このシェルターの定員は六人。
シェルターの主である五十代のおばさんの他に、四十代の女性が一人、三十代の女性が二人、二十代の女性が一人、子供が二人。
子供は香菜の他に五歳の男の子。軽く定員オーバーだ。
このシェルター内唯一の男性が五歳の男の子、洋君。
洋君は香菜に懐いていたが、二十代の女性、紀里さんのことが嫌いだった。
香菜も、年配の女性たちとは上手くやっていけたが、紀里さんが嫌いだった。
理由は言葉遣いが汚い、下品、タバコを吸う、ゴミは散らかす、洋君にエッチな悪戯をする。
「紀里さん。なんで洋君を泣かせたのですか?」
ある日、香菜は我慢できなくなり、紀里さんに抗議した。
紀里さんは面倒くさそうに香菜を一瞥する。
「ああ? 別に泣かす気なんかなかったよ。早く大人になるように皮捲ってやったら泣き出したんだよ」
「男性経験豊富な事が唯一取り柄の紀里さんの言葉とは思えませんわ。男の子は、そういう事されたら痛いのですよ」
「け! ガキの癖に、なんでそんな事知ってるんだよ、セックスも知らねえくせ」
「おセックスが、どういう事かぐらい知っています。体験はありませんけど」
「おセックスと来たかよ。だいたい、このシェルターなんで女ばかりなんだよ? 洋のガキが使いものになるまで何年かかるんだよ」
「そんなに男の方とおセックスがしたいなら、余所のシェルターへ行ったらどうですか?」
「うるせえ! できるなら、とっくにやっているよ。だけどな、このシェルターに防護服がないんだよ。防護服なしにどうやって放射能まみれの外へ行くんだよ」
「方法はあります」
「あるのか?」
「この辺りには太平洋戦争中に作られた地下工場があります。この周辺に作られたシェルターにはたいていそこへの出入り口があるそうです」
「マジか?」
「ただし、地下工場にも放射能が入っているかもしれません」
「なんでえ」
「放射能があるか確認したいのですが、このシェルターにはガイガーカウンターを使える人がいません。紀里さんは使えますか?」
「使えるぜ。原発事故のときに覚えたからな」
このシェルターの定員は六人。
シェルターの主である五十代のおばさんの他に、四十代の女性が一人、三十代の女性が二人、二十代の女性が一人、子供が二人。
子供は香菜の他に五歳の男の子。軽く定員オーバーだ。
このシェルター内唯一の男性が五歳の男の子、洋君。
洋君は香菜に懐いていたが、二十代の女性、紀里さんのことが嫌いだった。
香菜も、年配の女性たちとは上手くやっていけたが、紀里さんが嫌いだった。
理由は言葉遣いが汚い、下品、タバコを吸う、ゴミは散らかす、洋君にエッチな悪戯をする。
「紀里さん。なんで洋君を泣かせたのですか?」
ある日、香菜は我慢できなくなり、紀里さんに抗議した。
紀里さんは面倒くさそうに香菜を一瞥する。
「ああ? 別に泣かす気なんかなかったよ。早く大人になるように皮捲ってやったら泣き出したんだよ」
「男性経験豊富な事が唯一取り柄の紀里さんの言葉とは思えませんわ。男の子は、そういう事されたら痛いのですよ」
「け! ガキの癖に、なんでそんな事知ってるんだよ、セックスも知らねえくせ」
「おセックスが、どういう事かぐらい知っています。体験はありませんけど」
「おセックスと来たかよ。だいたい、このシェルターなんで女ばかりなんだよ? 洋のガキが使いものになるまで何年かかるんだよ」
「そんなに男の方とおセックスがしたいなら、余所のシェルターへ行ったらどうですか?」
「うるせえ! できるなら、とっくにやっているよ。だけどな、このシェルターに防護服がないんだよ。防護服なしにどうやって放射能まみれの外へ行くんだよ」
「方法はあります」
「あるのか?」
「この辺りには太平洋戦争中に作られた地下工場があります。この周辺に作られたシェルターにはたいていそこへの出入り口があるそうです」
「マジか?」
「ただし、地下工場にも放射能が入っているかもしれません」
「なんでえ」
「放射能があるか確認したいのですが、このシェルターにはガイガーカウンターを使える人がいません。紀里さんは使えますか?」
「使えるぜ。原発事故のときに覚えたからな」
0
お気に入りに追加
467
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
大好きな彼女を学校一のイケメンに寝取られた。そしたら陰キャの僕が突然モテ始めた件について
ねんごろ
恋愛
僕の大好きな彼女が寝取られた。学校一のイケメンに……
しかし、それはまだ始まりに過ぎなかったのだ。
NTRは始まりでしか、なかったのだ……
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる