『シェルターに逃げ込んだら、中に家出少女が棲みついていたのだが、どうすればいい？』

玖

四方津シェルター制圧

　このシェルターには、六人の住民がいる事になっていた。

　しかし、実際に中に突入してみると、入り口で倒した五人も含めて十人以上いる。

　意味不明の外国語を叫びながらかかってくる男女を、俺は次々と射殺していった。

　さすがに気分が悪い。

「武器を捨てろ！」

　最後に残った一人の少年が、サバイバルナイフを捨てて投降した。

「お前で最後か？　まだ誰かいるか？」

　手錠をかけながら、俺は少年に質問した。

「いる」
「どこにいる？」
「逃げた」
「何？」

　逃げ道は一つしかない。

　地上への出入り口に行ってみると、除染装置が動いていた。外扉が開かれたのか？

　こうなると、除染が終了するまで内扉は開けない。開けば内部が汚染される。

　地下道に戻り、キララの持っていたタブレットを見ると、地上の出入り口から防護服を着た人物が出てくる様子が見えた。

　出てきた人物は、寝ていた竜二達を叩き起こして、三人そろってどこかへ去っていく。

　逃げたのはどんな奴だろう？

　そう言えば、シェルター内に四方津の妻がいなかった。

「刑事さん。シェルターを制圧して一人逮捕しましたが、四方津の妻に逃げられました」
「上出来よ。死体の始末は、後でいいわ。見張りとして、このアンドロイドを残して行きなさい。君は逮捕者を事務所に連行したら、幼女タイプを連れて追いかけるのよ」
「分かりました。このアンドロイドは、大丈夫ですか？」
「機能はかなり低下しているけど、見張りぐらいはできるわ」　

　俺はアンドロイドを残して、その場を後にした。