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玖
切り捨て
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竜二はシェルターの入り口で、インターホンを使って中の人間と会話していた。しかし、中に入れてもらえないようだ。
どうなっているんだろう?
「どうやら、見捨てられたみたいね」
「刑事さん。どういう事です?」
「金氏が工作員だという事はこちらには分かっているけど、むこうはこちらに正体がばれていることを知らない。潜入工作員は、自分の正体を隠すことをなによりも優先するのよ。窃盗団を仲間に引き入れたけど、そいつらから自分たちの正体が露見しそうになったら、容赦なく切り捨てるわ」
「切り捨てたって、もう無駄なのに」
「むこうはそう思っていないわ。窃盗団はともかく竜二のようなお尋ね者を抱え込むなんて、工作員にとっては、リスクが大きすぎるのよ」
「しかし、一度は受け入れたのに……」
「大人しくしている事が、受け入れ条件だったと思うわ。だけど、あいつは大人しくはしていなかった。初狩シェルターの女の子を襲おうとして、君に返り討ちにされた。工作員としても、これ以上バカの面倒は見られなくなったのね」
画面の中で、竜二はシェルターの入り口に向かって土下座していた。まあ、自業自得だな。
しばらくして、シェルターの入り口から防護服を着た人間が一人出てきた。
二人はしばらく口論した後、二人そろって金氏家から離れていく。
どこへ行くつもりだ? それに、後から出てきたのは誰だ?
その時、携帯の着信音が鳴った。
どうなっているんだろう?
「どうやら、見捨てられたみたいね」
「刑事さん。どういう事です?」
「金氏が工作員だという事はこちらには分かっているけど、むこうはこちらに正体がばれていることを知らない。潜入工作員は、自分の正体を隠すことをなによりも優先するのよ。窃盗団を仲間に引き入れたけど、そいつらから自分たちの正体が露見しそうになったら、容赦なく切り捨てるわ」
「切り捨てたって、もう無駄なのに」
「むこうはそう思っていないわ。窃盗団はともかく竜二のようなお尋ね者を抱え込むなんて、工作員にとっては、リスクが大きすぎるのよ」
「しかし、一度は受け入れたのに……」
「大人しくしている事が、受け入れ条件だったと思うわ。だけど、あいつは大人しくはしていなかった。初狩シェルターの女の子を襲おうとして、君に返り討ちにされた。工作員としても、これ以上バカの面倒は見られなくなったのね」
画面の中で、竜二はシェルターの入り口に向かって土下座していた。まあ、自業自得だな。
しばらくして、シェルターの入り口から防護服を着た人間が一人出てきた。
二人はしばらく口論した後、二人そろって金氏家から離れていく。
どこへ行くつもりだ? それに、後から出てきたのは誰だ?
その時、携帯の着信音が鳴った。
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