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捜査再開

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 取り調べを終えると、俺は休む間もなくバイクに跨った。

 サイドカーに、キララを乗せて。

 キララには、中野刑事がリンクした状態だ。

「今日はもう、周辺住民からの聞き込みは止めて、初狩家のシェルターへ直行するわ」
「いいんですか? 今日中に全部回らなくて?」
「周辺住民への聞き込みを今日中にと言ったのは、私たちが聞き込みをやっていたことを、件のシェルターの者に知られる前に事を終わらせたかったからです」
「しかし、もう知られているのでは?」
「何のために、最初に監視カメラを仕掛けたと思っているの?」
「あ! そうか」
「今のところ、シェルターに出入りした人間はいないわ」
「刑事さん、ちょっと思ったのですけど」
「なに?」
「戦前から、日本には北の国の工作員がいるって聞いているのですが、この窃盗団て工作員では?」
「その可能性は、ないとは言えないけど、低いわね」
「なぜですか?」
「潜入工作員なら、一般人を装うはずよ。日本当局から怪しまれる行動は極力控えるはず。窃盗団なんて犯罪行為は、もっての他だわ。第一そんな事しなくても、本国から活動資金が送られてくるのよ」
「それですよ。今まで活動資金が送られてきたけど、日本政府の制裁処置で銀行取引がかなり制限されたじゃないですか? 活動資金に困って、窃盗団を始めたのでは?」
「竜二の所属していた窃盗団は、制裁発動前から日本にいるし、何人も逮捕者を出しているのよ。北の国との関与はなかったわ」
「そうですか。考え過ぎだったか」
「いえ、そうでもないわ。潜入工作員が日本にいるのは確か。この状況で、窃盗団を仲間に引き入れる可能性もあるわ」
「なるほど」

 そうこうしている内に、俺は件のシェルターの前に到着した。
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