『シェルターに逃げ込んだら、中に家出少女が棲みついていたのだが、どうすればいい？』

玖

再訓練

　保安施設に戻された理由は、すぐに分かった。

　再訓練のためだったのだ。

『Ａクラス殺処分対象者。保安官はただちに殺処分せよ』

　場所はどこかの銀行。人質にされていた銀行員達は、すべて殺されていた。

　行員の死体が転がる中に、覆面を被った三人の人物がいる。

　その中の一人が、俺に拳銃を向けた。

　俺も奴の眉間に銃を向ける。

　二人同時に引き金を引く。

　奴の弾は、俺の防弾服に弾かれた。

　俺の弾は、奴の眉間に小さな穴を穿つ。

「うおおおお！」

　一人が短刀を腰だめに構えて俺に突進してきた。

　後一メートルで刃物が俺に届く距離まで迫ったところで、奴は俺の銃弾を額に受けて吹っ飛ぶ。

　三人目に銃口を向けた。こいつはどんな武器を持っているかと思ったら、武器は持っていなくて覆面を脱ごうとしているところだった。

　覆面の下から出てきた顔は……え？　女？

　歳は二十代半ばぐらい。金髪に染めた髪は腰まで伸びている。

　整った顔立ちで美女の部類の入るのだろうけど、俺の好みじゃない。

　女はにっこりと笑って、シャツを開いた。

　エロゲーにでも出てきそうな、あり得ない大きさの巨乳が露わになる。

「お兄さん。遊んでいかない」

　舐められたものだ。たいていの男は、この巨乳を見せられると戦意を失うみたいだがロリコンの俺には逆効果。

　俺は女の額に照準を合わせて引き金を引いた。

『訓練終了。保安官は任務を達成しました。お疲れ様です』

　ゴーグルを外すと、そこは保安施設のレクチャールーム。

「保安官、お疲れ様です」

　キララJKタイプが差し出してくれた蒸しタオルを俺は受け取った。

　ちなみに幼女タイプは、如月診療所のお手伝いのために置いてきた。　

「ありがとう。キララ」

　データスーツを脱いで汗をぬぐった。途中食事を挟んで六時間ぶっ通しの訓練はきつかった。

　身体中汗まみれだ。早くシャワーを浴びたい。