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マイちゃんがスマホの電源を入れたのは、帰る途中で立ち寄ったコンビニでの事。
要件を済ますと、すぐに電源を切って車を出した。
マイちゃんの母親が、スマホの電源が入った事に気が付いて、ここまでやってくるとは思えないが、万が一警察が動いていた場合の事を考えて急いだのだ。
まあ、児童虐待の発覚を恐れている母親が警察へいくとは思えないが……
「マイちゃん。カメラマンのお姉さんとは連絡ついた?」
「はい。明日の朝、十時ごろにあの駐車場へ行くように言われました」
「そうか」
明日の朝十時で、マイちゃんとはお別れか……?
「マイちゃん。家出した時って、いつもカメラマンのお姉さんが泊めてくれていたの?」
「いいえ。今回みたいに、旅行に行っている事もありました。その時は、諦めて家に……」
「その時は、やはり叩かれていたの?」
「はい……」
マイちゃんは辛そうだな。ならば……
車が信号待ちになった時、俺はグローブボックスから鍵を取り出してマイちゃんに手渡した。
「パパ。これは?」
「家の合鍵だ。今回みたいにお姉さんと連絡取れなかったときは、家に来ていいよ。僕がいなくても勝手に上がっていい」
「いいの!?」
「ああ」
「ありがとう! パパ」
そして、翌朝……
俺はマイちゃんを駐車場に残して走り去って行った。
その後はイ○ンモールのカフェで過ごし、スマホを使ってFXで金を稼いでいた。
しかし、今回はどうにもうまく行かず、五千円の稼ぎにしかならない。
夕方になって俺は帰宅した。
誰もいない家に帰るなんて慣れていたはずなのに、今日はそれが妙に辛い。
ん? 家の前に赤いワンボックスカーが路上駐車している。
迷惑だなあ。
車を車庫に入れて玄関を開けた時、俺は思わず「ただいま」と言ってしまった。
バカだな。誰も待ってなんかいないのに……
「おかえりなさい。パパ」
いかん! 幻聴が聞こえてきた。マイちゃん恋しさに……幻聴どころか幻覚まで?
かなり重症だぞ!
「どうしたの? パパ」
マイちゃんが抱き着いてきた。感触がある。本物だ! 幻覚じゃない。
「どうしたのって? マイちゃんどうして、ここに?」
「だって、いつでも来ていいって」
いや、早すぎるだろ。
「お邪魔しています」
今度こそ、俺は心臓が飛び出るほど驚いた。
居間のソファに、見知らぬ女がくつろいでいたからだ。
要件を済ますと、すぐに電源を切って車を出した。
マイちゃんの母親が、スマホの電源が入った事に気が付いて、ここまでやってくるとは思えないが、万が一警察が動いていた場合の事を考えて急いだのだ。
まあ、児童虐待の発覚を恐れている母親が警察へいくとは思えないが……
「マイちゃん。カメラマンのお姉さんとは連絡ついた?」
「はい。明日の朝、十時ごろにあの駐車場へ行くように言われました」
「そうか」
明日の朝十時で、マイちゃんとはお別れか……?
「マイちゃん。家出した時って、いつもカメラマンのお姉さんが泊めてくれていたの?」
「いいえ。今回みたいに、旅行に行っている事もありました。その時は、諦めて家に……」
「その時は、やはり叩かれていたの?」
「はい……」
マイちゃんは辛そうだな。ならば……
車が信号待ちになった時、俺はグローブボックスから鍵を取り出してマイちゃんに手渡した。
「パパ。これは?」
「家の合鍵だ。今回みたいにお姉さんと連絡取れなかったときは、家に来ていいよ。僕がいなくても勝手に上がっていい」
「いいの!?」
「ああ」
「ありがとう! パパ」
そして、翌朝……
俺はマイちゃんを駐車場に残して走り去って行った。
その後はイ○ンモールのカフェで過ごし、スマホを使ってFXで金を稼いでいた。
しかし、今回はどうにもうまく行かず、五千円の稼ぎにしかならない。
夕方になって俺は帰宅した。
誰もいない家に帰るなんて慣れていたはずなのに、今日はそれが妙に辛い。
ん? 家の前に赤いワンボックスカーが路上駐車している。
迷惑だなあ。
車を車庫に入れて玄関を開けた時、俺は思わず「ただいま」と言ってしまった。
バカだな。誰も待ってなんかいないのに……
「おかえりなさい。パパ」
いかん! 幻聴が聞こえてきた。マイちゃん恋しさに……幻聴どころか幻覚まで?
かなり重症だぞ!
「どうしたの? パパ」
マイちゃんが抱き着いてきた。感触がある。本物だ! 幻覚じゃない。
「どうしたのって? マイちゃんどうして、ここに?」
「だって、いつでも来ていいって」
いや、早すぎるだろ。
「お邪魔しています」
今度こそ、俺は心臓が飛び出るほど驚いた。
居間のソファに、見知らぬ女がくつろいでいたからだ。
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