10 / 14
10.おさなごころ
しおりを挟む
「恋じゃなくて、それなのに先生のことが知りたいの?」
そんなにおかしいことかしら。
だって知らないことが多いことに気づいてしまったのですもの。
「そうなの。今朝のことがあってから少し気になってしまって」
「ふぅん、何がそんなに気になったのかな?」
えっ、ライネーリ先生?どうしてここに来たの?
笑っているのに空気がピリッとした気がする。
そうよね!自分の知らないところで個人情報を知ろうとされたら気分が悪いに決まってるわ!
「ライネーリ先生、今朝は助けていただきありがとうございました」
まずはお礼から。本当に助かりましたもの。
「…うん、元気そうでよかった。朝のことが少し気になったから。でも、ランチもしっかり食べれたようだし大丈夫かな?」
わざわざ様子を見に来てくださったのね。ありがたいわ。
でも、空のお皿を見られるのは少し恥ずかしいわね。
「ごはんが美味しいのは素敵なことですのよ。
朝のことを気にかけてくださってありがとうございます。彼の言動は謎でしたが、婚約破棄の件を噂されることは覚悟していましたから平気です。
理解してくれる友人もいますし」
「そうだね、困ったことがあれば抱え込まず、家族でも友人でもいいから相談しなさい。大変な時に頼ってもらえないのは寂しいと思うよ?」
ちらっとヴィオラ達に視線を向けながら優しく諭してくれる。
「はい、ありがとうございます」
ヴィオラ達も少し照れくさそうにしながら頷いてくれる。
うれしいな。
「で?」
「へっ?」
いやだ、淑女にあるまじき返しをしてしまったわ!
「ぼくの何が知りたかったのかな?
せっかくだから質問に答えるよ?」
「申し訳ありません!少し気になったことがあっただけで、何か悪事を働こうとかそういうわけではないんです!」
慌てて謝罪すると、私の勢いに驚いたのか少し目をみはったあと軽く笑われた。
「そうだね。君は勉強は得意だけど悪巧みには向いていない。今後もやめたほうがいいと思うよ」
ヴィオラ達までうんうんと頷いてる。少し悔しい。
「それで?」
あら、まだその質問が続いていたのね。白状しないとお許しが出ないらしい。
「えっとですね、今まで私は先生は先生としてしか認識していなかったといいますか…
男性女性とか年齢がどうとかではなく、先生という人種?あら?なんだか変ですわね…カテゴリ?まぁ、そう思っていたんです。
でも、今朝思いがけず私のプライベートな問題をお話することになってしまって、そのせいか先生が先生なだけでなくひとりの人として存在していると気がつきましたの。
そうしたらお年すら知らなかったと思い至りましたので知りたいと思った次第です」
よし、説明完了!
あら?3人ともポカンとした顔でこちらを見ているわ。
「こんなに精神年齢お子様だとは知らなかったな」
「姪っ子6歳との会話みたいだわ」
「情緒面が幼女でしたのね」
なんだか失礼なことを言われている気がする。
そんなにおかしいことかしら。
だって知らないことが多いことに気づいてしまったのですもの。
「そうなの。今朝のことがあってから少し気になってしまって」
「ふぅん、何がそんなに気になったのかな?」
えっ、ライネーリ先生?どうしてここに来たの?
笑っているのに空気がピリッとした気がする。
そうよね!自分の知らないところで個人情報を知ろうとされたら気分が悪いに決まってるわ!
「ライネーリ先生、今朝は助けていただきありがとうございました」
まずはお礼から。本当に助かりましたもの。
「…うん、元気そうでよかった。朝のことが少し気になったから。でも、ランチもしっかり食べれたようだし大丈夫かな?」
わざわざ様子を見に来てくださったのね。ありがたいわ。
でも、空のお皿を見られるのは少し恥ずかしいわね。
「ごはんが美味しいのは素敵なことですのよ。
朝のことを気にかけてくださってありがとうございます。彼の言動は謎でしたが、婚約破棄の件を噂されることは覚悟していましたから平気です。
理解してくれる友人もいますし」
「そうだね、困ったことがあれば抱え込まず、家族でも友人でもいいから相談しなさい。大変な時に頼ってもらえないのは寂しいと思うよ?」
ちらっとヴィオラ達に視線を向けながら優しく諭してくれる。
「はい、ありがとうございます」
ヴィオラ達も少し照れくさそうにしながら頷いてくれる。
うれしいな。
「で?」
「へっ?」
いやだ、淑女にあるまじき返しをしてしまったわ!
「ぼくの何が知りたかったのかな?
せっかくだから質問に答えるよ?」
「申し訳ありません!少し気になったことがあっただけで、何か悪事を働こうとかそういうわけではないんです!」
慌てて謝罪すると、私の勢いに驚いたのか少し目をみはったあと軽く笑われた。
「そうだね。君は勉強は得意だけど悪巧みには向いていない。今後もやめたほうがいいと思うよ」
ヴィオラ達までうんうんと頷いてる。少し悔しい。
「それで?」
あら、まだその質問が続いていたのね。白状しないとお許しが出ないらしい。
「えっとですね、今まで私は先生は先生としてしか認識していなかったといいますか…
男性女性とか年齢がどうとかではなく、先生という人種?あら?なんだか変ですわね…カテゴリ?まぁ、そう思っていたんです。
でも、今朝思いがけず私のプライベートな問題をお話することになってしまって、そのせいか先生が先生なだけでなくひとりの人として存在していると気がつきましたの。
そうしたらお年すら知らなかったと思い至りましたので知りたいと思った次第です」
よし、説明完了!
あら?3人ともポカンとした顔でこちらを見ているわ。
「こんなに精神年齢お子様だとは知らなかったな」
「姪っ子6歳との会話みたいだわ」
「情緒面が幼女でしたのね」
なんだか失礼なことを言われている気がする。
207
お気に入りに追加
776
あなたにおすすめの小説
貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後
空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。
魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。
そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。
すると、キースの態度が豹変して……?
妻と夫と元妻と
キムラましゅろう
恋愛
復縁を迫る元妻との戦いって……それって妻(わたし)の役割では?
わたし、アシュリ=スタングレイの夫は王宮魔術師だ。
数多くの魔術師の御多分に漏れず、夫のシグルドも魔術バカの変人である。
しかも二十一歳という若さで既にバツイチの身。
そんな事故物件のような夫にいつの間にか絆され絡めとられて結婚していたわたし。
まぁわたしの方にもそれなりに事情がある。
なので夫がバツイチでもとくに気にする事もなく、わたしの事が好き過ぎる夫とそれなりに穏やかで幸せな生活を営んでいた。
そんな中で、国王肝入りで魔術研究チームが組まれる事になったのだとか。そしてその編成されたチームメイトの中に、夫の別れた元妻がいて………
相も変わらずご都合主義、ノーリアリティなお話です。
不治の誤字脱字病患者の作品です。
作中に誤字脱字が有ったら「こうかな?」と脳内変換を余儀なくさせられる恐れが多々ある事をご了承下さいませ。
性描写はありませんがそれを連想させるワードが出てくる恐れがありますので、破廉恥がお嫌いな方はご自衛下さい。
小説家になろうさんでも投稿します。
6年後に戦地から帰ってきた夫が連れてきたのは妻という女だった
白雲八鈴
恋愛
私はウォルス侯爵家に15歳の時に嫁ぎ婚姻後、直ぐに夫は魔王討伐隊に出兵しました。6年後、戦地から夫が帰って来ました、妻という女を連れて。
もういいですか。私はただ好きな物を作って生きていいですか。この国になんて出ていってやる。
ただ、皆に喜ばれる物を作って生きたいと願う女性がその才能に目を付けられ周りに翻弄されていく。彼女は自由に物を作れる道を歩むことが出来るのでしょうか。
番外編
謎の少女強襲編
彼女が作り出した物は意外な形で人々を苦しめていた事を知り、彼女は再び帝国の地を踏むこととなる。
私が成した事への清算に行きましょう。
炎国への旅路編
望んでいた炎国への旅行に行く事が出来ない日々を送っていたが、色々な人々の手を借りながら炎国のにたどり着くも、そこにも帝国の影が・・・。
え?なんで私に誰も教えてくれなかったの?そこ大事ー!
*本編は完結済みです。
*誤字脱字は程々にあります。
*なろう様にも投稿させていただいております。
いじめられ続けた挙げ句、三回も婚約破棄された悪役令嬢は微笑みながら言った「女神の顔も三度まで」と
鳳ナナ
恋愛
伯爵令嬢アムネジアはいじめられていた。
令嬢から。子息から。婚約者の王子から。
それでも彼女はただ微笑を浮かべて、一切の抵抗をしなかった。
そんなある日、三回目の婚約破棄を宣言されたアムネジアは、閉じていた目を見開いて言った。
「――女神の顔も三度まで、という言葉をご存知ですか?」
その言葉を皮切りに、ついにアムネジアは本性を現し、夜会は女達の修羅場と化した。
「ああ、気持ち悪い」
「お黙りなさい! この泥棒猫が!」
「言いましたよね? 助けてやる代わりに、友達料金を払えって」
飛び交う罵倒に乱れ飛ぶワイングラス。
謀略渦巻く宮廷の中で、咲き誇るは一輪の悪の華。
――出てくる令嬢、全員悪人。
※小説家になろう様でも掲載しております。
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
10日後に婚約破棄される公爵令嬢
雨野六月(旧アカウント)
恋愛
公爵令嬢ミシェル・ローレンは、婚約者である第三王子が「卒業パーティでミシェルとの婚約を破棄するつもりだ」と話しているのを聞いてしまう。
「そんな目に遭わされてたまるもんですか。なんとかパーティまでに手を打って、婚約破棄を阻止してみせるわ!」「まあ頑張れよ。それはそれとして、課題はちゃんとやってきたんだろうな? ミシェル・ローレン」「先生ったら、今それどころじゃないって分からないの? どうしても提出してほしいなら先生も協力してちょうだい」
これは公爵令嬢ミシェル・ローレンが婚約破棄を阻止するために(なぜか学院教師エドガーを巻き込みながら)奮闘した10日間の備忘録である。
【完結・全3話】不細工だと捨てられましたが、貴方の代わりに呪いを受けていました。もう代わりは辞めます。呪いの処理はご自身で!
酒本 アズサ
恋愛
「お前のような不細工な婚約者がいるなんて恥ずかしいんだよ。今頃婚約破棄の書状がお前の家に届いているだろうさ」
年頃の男女が集められた王家主催のお茶会でそう言ったのは、幼い頃からの婚約者セザール様。
確かに私は見た目がよくない、血色は悪く、肌も髪もかさついている上、目も落ちくぼんでみっともない。
だけどこれはあの日呪われたセザール様を助けたい一心で、身代わりになる魔導具を使った結果なのに。
当時は私に申し訳なさそうにしながらも感謝していたのに、時と共に忘れてしまわれたのですね。
結局婚約破棄されてしまった私は、抱き続けていた恋心と共に身代わりの魔導具も捨てます。
当然呪いは本来の標的に向かいますからね?
日に日に本来の美しさを取り戻す私とは対照的に、セザール様は……。
恩を忘れた愚かな婚約者には同情しません!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる