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2.夜の出来事
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信じられないわ。
会いたくないとずっと思っていた。だってあんな目にあったのよ?会いたい訳がない。
どうしてあの時声を掛けてしまったのだろう。
廊下を歩く男性が大きくふらつき倒れた。
「大丈夫ですかっ!?」
咄嗟に、何かの病気かと駆け寄ってしまった。
……お酒臭い。ただの酔っぱらいかしら。
それでも、このまま放置も駄目よね。
「あの、人を呼んできますから、そちらのお部屋でお休み下さいませ」
確か休憩室として使ってよかったはず。
そう思って部屋を指差した手を突然握られた。
「え?」
「……グローリア、どうして」
えっ!?グローリアって…、嫌っ、どうして抱きしめるのっ!!
「離してっ!人違いですっ!!」
重いし苦しいっ、押し潰す気なのっ!?
何とか逃れようと這いずるが、更にそれを追い縋ってくる。立ち上がろうとドアノブを掴んだのが悪手だった。
「あっ!」
ドアが開き、二人とも部屋の中に傾れ込んでしまった。
「痛っ…、」
打ち付けた背中が痛い。なんせ二人分の体重が掛かったのだ。痛いに決まっている。
最低だわ、どうしてこんな目に……
そんな余計なことを考えられたのはそこまでだった。
酔っぱらいの癖に彼は早かった。
痛みに動けずにいる私を抱き上げた。
──え?
『かちゃり』
鍵を掛ける音が、あんなにも人を絶望的にさせるのだと初めて知った。
……そこからはあまり思い出したくない。
気持ち悪かった。痛かった。何よりも怖くて。
自分じゃない女の名前を呼びながら私を暴いていく男は、どれだけ違うと、人違いだと訴えても……痛いと泣いても許してくれなかった……最低だ。
だんだん体の感覚も心も麻痺していく。
ただ分かったのは、これで私は誰にも嫁げなくなった。
ただ、それだけ。
眠ってしまった男の顔を見る。無駄にキラキラした男だ。さすがに知っている。宰相補佐官様よね。こんなの相手じゃ殺すことも出来ないわ。そもそも無理だけど。
……とりあえず逃げなきゃ。
服を破かれなかったのは幸いだ。何とか身形を整えてそっと部屋を出る。
走っては駄目。逆に目立つわ。
痛みと、恐怖に震える体を叱咤し、何とかゆったりと何食わぬ顔で歩く。例え結婚が無理でも、醜聞だけは避けたい。家族に迷惑は掛けたくないわ。
何とか部屋に辿り着いた。急いで避妊薬を飲む。『何処で何があるか分からないから』と、お守りとして持たせてくれたお母様に感謝しかない。
お風呂に入って……自分の中から溢れ出たものを見て涙が出た。
どうして……どうしてこんな事に……
何度も何度も体を洗いながら、涙が止まらなかった。
鏡を見る。結構酷い。鎖骨辺りからたくさんの鬱血痕が付いている。どれだけ執着しているのよ、迷惑な。でも、これなら服に隠れるから大丈夫。問題は手首の痣ね。腕を曲げると見えてしまうかしら。右手はまだ大丈夫。左手が……どうしよう。
仕事を休みたくはない。そんなことをしたら相手が私だとバレるかもしれないし。
「……やるか」
背に腹は替えられぬ。皮一枚で誤魔化せるならいいわ。
「熱っ」
左手首に熱湯をかけた。隠せないなら別のもので覆えばいいだけ。火傷で赤くなった手首を流水で冷やす。
薬を塗って包帯を巻く。これで誤魔化せるだろうか。
「……何やってるんだろう、私」
どんなに隠しても穢された事実は消えないのに。
それでも、泣き過ぎて腫れた目元を冷やし、必死に隠蔽工作を続けるしかなかった。
「その手、どうしたの?」
「昨日うっかり火傷しちゃって」
「ちょっと、包帯が弛んでるわよ。巻き直してあげるわ」
「……ありがとうございます」
「うわ、赤くなってるじゃない。痕が残らないといいけど」
……よかった。これで私の手首にあるのは火傷だと印象付けられた。
「ありがとうございました、ご迷惑をお掛けして申し訳ございません」
「やだ、もっと気軽に話して?」
バレなかったことに、ようやくホッとする。
あとは彼が私の顔を覚えているかどうかだけど。
しかし、不安に思ったものの、彼が現れることなく、無事引き継ぎが終了した。
「初めまして」
何とまあ腹の立つ言葉だろう。
確かに彼は酔っていた。自分が好きな女性かどうかも判別出来なかったのだ。私を覚えている筈はない。覚えていても困るけど、腹が立たないかは別物よ!
さすがはグローリア様との禁断の恋に溺れる阿呆なだけあるわ。くだらない。良い人そうなオーラを出さないでよ、気持ち悪い。
最低限に挨拶をしてさっさと部屋を出る。
二度と来ないで欲しいわ。
「よかったら皆で食べてくれ」
「………ありがとうございます」
何故来るの。宰相補佐官はお暇なの?気持ち悪いから寄らないで欲しいのに!
貴方は知らないでしょう。私がどれだけの恐怖と嫌悪を押し隠しているのかを。心の中で何回貴方を蹴り倒しているかを!!
「……あの」
「はい」
「私は君に何かしてしまっただろうか?」
なるほど。その顔で今までチヤホヤされて生きてきたのに、私の様な小娘が靡かないのが気に入らないのね。
「……質問の意図が分かりかねます」
例え嘘でも何も無かったと言うのは悔しい。
こちらに被害が無ければ、さっさと捕まえてもらって罰して欲しいところなのに。
「シャノン、嫌な事があったら何でも言っていいんだよ。ここは君の職場だ。不愉快ならこいつは仕事以外ではここには来させないことも出来る」
まあ、なんて魅力的な!
「……申し訳ございませんが、マクニール補佐官の様な美麗な顔立ちが苦手でございます」
さすがに気持ち悪いから来るなとは言えない。でも、これくらいならいいわよね?
「なっ」
「アハハハハハッ!なるほど!靡かないどころかこの顔が苦手かっ!!」
「はい。申し訳ございません」
ショックを受けた顔に少しだけ溜飲が下がる。これに懲りて二度と顔を見せないで欲しいわ。
会いたくないとずっと思っていた。だってあんな目にあったのよ?会いたい訳がない。
どうしてあの時声を掛けてしまったのだろう。
廊下を歩く男性が大きくふらつき倒れた。
「大丈夫ですかっ!?」
咄嗟に、何かの病気かと駆け寄ってしまった。
……お酒臭い。ただの酔っぱらいかしら。
それでも、このまま放置も駄目よね。
「あの、人を呼んできますから、そちらのお部屋でお休み下さいませ」
確か休憩室として使ってよかったはず。
そう思って部屋を指差した手を突然握られた。
「え?」
「……グローリア、どうして」
えっ!?グローリアって…、嫌っ、どうして抱きしめるのっ!!
「離してっ!人違いですっ!!」
重いし苦しいっ、押し潰す気なのっ!?
何とか逃れようと這いずるが、更にそれを追い縋ってくる。立ち上がろうとドアノブを掴んだのが悪手だった。
「あっ!」
ドアが開き、二人とも部屋の中に傾れ込んでしまった。
「痛っ…、」
打ち付けた背中が痛い。なんせ二人分の体重が掛かったのだ。痛いに決まっている。
最低だわ、どうしてこんな目に……
そんな余計なことを考えられたのはそこまでだった。
酔っぱらいの癖に彼は早かった。
痛みに動けずにいる私を抱き上げた。
──え?
『かちゃり』
鍵を掛ける音が、あんなにも人を絶望的にさせるのだと初めて知った。
……そこからはあまり思い出したくない。
気持ち悪かった。痛かった。何よりも怖くて。
自分じゃない女の名前を呼びながら私を暴いていく男は、どれだけ違うと、人違いだと訴えても……痛いと泣いても許してくれなかった……最低だ。
だんだん体の感覚も心も麻痺していく。
ただ分かったのは、これで私は誰にも嫁げなくなった。
ただ、それだけ。
眠ってしまった男の顔を見る。無駄にキラキラした男だ。さすがに知っている。宰相補佐官様よね。こんなの相手じゃ殺すことも出来ないわ。そもそも無理だけど。
……とりあえず逃げなきゃ。
服を破かれなかったのは幸いだ。何とか身形を整えてそっと部屋を出る。
走っては駄目。逆に目立つわ。
痛みと、恐怖に震える体を叱咤し、何とかゆったりと何食わぬ顔で歩く。例え結婚が無理でも、醜聞だけは避けたい。家族に迷惑は掛けたくないわ。
何とか部屋に辿り着いた。急いで避妊薬を飲む。『何処で何があるか分からないから』と、お守りとして持たせてくれたお母様に感謝しかない。
お風呂に入って……自分の中から溢れ出たものを見て涙が出た。
どうして……どうしてこんな事に……
何度も何度も体を洗いながら、涙が止まらなかった。
鏡を見る。結構酷い。鎖骨辺りからたくさんの鬱血痕が付いている。どれだけ執着しているのよ、迷惑な。でも、これなら服に隠れるから大丈夫。問題は手首の痣ね。腕を曲げると見えてしまうかしら。右手はまだ大丈夫。左手が……どうしよう。
仕事を休みたくはない。そんなことをしたら相手が私だとバレるかもしれないし。
「……やるか」
背に腹は替えられぬ。皮一枚で誤魔化せるならいいわ。
「熱っ」
左手首に熱湯をかけた。隠せないなら別のもので覆えばいいだけ。火傷で赤くなった手首を流水で冷やす。
薬を塗って包帯を巻く。これで誤魔化せるだろうか。
「……何やってるんだろう、私」
どんなに隠しても穢された事実は消えないのに。
それでも、泣き過ぎて腫れた目元を冷やし、必死に隠蔽工作を続けるしかなかった。
「その手、どうしたの?」
「昨日うっかり火傷しちゃって」
「ちょっと、包帯が弛んでるわよ。巻き直してあげるわ」
「……ありがとうございます」
「うわ、赤くなってるじゃない。痕が残らないといいけど」
……よかった。これで私の手首にあるのは火傷だと印象付けられた。
「ありがとうございました、ご迷惑をお掛けして申し訳ございません」
「やだ、もっと気軽に話して?」
バレなかったことに、ようやくホッとする。
あとは彼が私の顔を覚えているかどうかだけど。
しかし、不安に思ったものの、彼が現れることなく、無事引き継ぎが終了した。
「初めまして」
何とまあ腹の立つ言葉だろう。
確かに彼は酔っていた。自分が好きな女性かどうかも判別出来なかったのだ。私を覚えている筈はない。覚えていても困るけど、腹が立たないかは別物よ!
さすがはグローリア様との禁断の恋に溺れる阿呆なだけあるわ。くだらない。良い人そうなオーラを出さないでよ、気持ち悪い。
最低限に挨拶をしてさっさと部屋を出る。
二度と来ないで欲しいわ。
「よかったら皆で食べてくれ」
「………ありがとうございます」
何故来るの。宰相補佐官はお暇なの?気持ち悪いから寄らないで欲しいのに!
貴方は知らないでしょう。私がどれだけの恐怖と嫌悪を押し隠しているのかを。心の中で何回貴方を蹴り倒しているかを!!
「……あの」
「はい」
「私は君に何かしてしまっただろうか?」
なるほど。その顔で今までチヤホヤされて生きてきたのに、私の様な小娘が靡かないのが気に入らないのね。
「……質問の意図が分かりかねます」
例え嘘でも何も無かったと言うのは悔しい。
こちらに被害が無ければ、さっさと捕まえてもらって罰して欲しいところなのに。
「シャノン、嫌な事があったら何でも言っていいんだよ。ここは君の職場だ。不愉快ならこいつは仕事以外ではここには来させないことも出来る」
まあ、なんて魅力的な!
「……申し訳ございませんが、マクニール補佐官の様な美麗な顔立ちが苦手でございます」
さすがに気持ち悪いから来るなとは言えない。でも、これくらいならいいわよね?
「なっ」
「アハハハハハッ!なるほど!靡かないどころかこの顔が苦手かっ!!」
「はい。申し訳ございません」
ショックを受けた顔に少しだけ溜飲が下がる。これに懲りて二度と顔を見せないで欲しいわ。
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