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1.姉の婚約者
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私のお姉様は美しい。月の光の様に輝くプラチナブロンドに、金粉をまぶしたようなキラキラ輝くエメラルドの瞳。細くたおやかな肢体。
「……さすがは『妖精姫』よね」
世間では姉は『妖精姫』と呼ばれている。本人は少し恥ずかしそうにしているけど、ぴったりだと思う。
対して私は『妖精の取り替え子』だ。光り輝くような美しさの姉と比べて、黒髪にアメジストの瞳の私は陰鬱であまりにも似ていない為、嫌味と憐れみを込めて付けらた呼び名。
髪や瞳の色は努力ではどうにもできないのに。
幼い頃は何度も泣いた。とにかく私を見て欲しくて。でも、お父様とお母様、更に使用人すらも大切なのはお姉様で、私が泣いていても誰にも相手にしてもらえない。
そして、更に泣く。を何度も繰り返し、どんなに泣いても私という人間は誰にも相手にされないと理解し、ならば泣くなどという体力ばかり使って皆に疎ましがられる行為は止めた方が利口だと悟りを開いたのは5歳だったか。
お陰様でクールな幼女が出来上がったのだ。
「そうか。君は面白いな」
「面白かったなら幸いですわ」
面白いだろうか?よく分からない。
今、お話しをしているのは姉の婚約者になったアッカーマン侯爵令息のクラウス様だ。
金に近い栗色の髪に琥珀の瞳。お姉様程では無いが端正な顔立ち。先程、成長痛で節々が痛いとこぼしていたから身長もまだまだ伸びることだろう。
家柄と容姿の良さ、私ともこの様に気さくに話してくれる性格といい、きっとモテるだろうな、という好青年ぶりだ。
「だって普通ならもっと嘆くなり恨むなりするものだろう?俺だって姉妹の扱いの差が気になってこうやって話を聞いているんだ」
「そんなに分かりやすいですか?」
「そうだな。俺はこうやって家に招待されているから特に、かな。家ぐるみでの付き合いが無ければ気付かないかもしれない」
ふむ。これはどうするべきなのだろう。
「それで。あなたはどうしたいのですか?」
分からないなら聞いた方が早い。
クラウス様が望むことは本人が一番知っているもの。
「俺か?俺は……とりあえずティアナと仲良くなりたいかな」
「私と……ですか?」
なぜ。今の話運びでどうしてそうなった?
「だって君はクリスティーネの妹だから仲がいい方がいいだろう?それに俺が君と仲良くすれば、ご両親だって君をぞんざいに扱うことは出来ないだろう」
「私のことなんか気にしなくてもいいのに」
変な人。私の事を気にする人なんて今までいなかった。皆お姉様に夢中だったから。
「自分を『なんか』等と言ってはいけないな。次に言ったら罰としてその日はずっと俺の膝の上に座らせることにしよう」
「……は?」
「俺には弟しかいないから妹というものを可愛がってみたかったんだ。なんなら今膝の上に来てもいいぞ?」
私のお義兄様になる人は少し変な人みたいです。
だってクラウス様は14歳、私は12歳。
膝に乗せて可愛いがる年ではないのですから。
ちなみにお姉様は13歳です。
「変態?」
「ははっ、辛辣だな」
私より年上なのに、子供みたいな笑顔だった。
それからは本当にクラウス様は私を大切にしてくれた。もともとお姉様も私には優しい。だから二人で私を構い倒すのだ。おかしくない?
仲良きことは美しきこと。そうは言っても間に私を挟むのはおかしいでしょう。
「ティアナ、今日は美味しいお菓子を持ってきた。一緒に食べよう」
「ティアナ、今日はクラウス様とお買い物に行くの。貴方も行きましょう?」
「ティアナ、今日は我が家でティーパーティーがあるんだ。このドレスに着替えて。君も一緒に行こう」
何度断っても彼等は私を側に置きたがった。
お茶の席でも食事の時でも。更に侯爵家でのお勉強ですら私を同席させる。さすがにアッカーマン家の皆様も最初は困惑していたが、二人の笑顔の圧に負けた。私はだいぶ前に諦めた。だって人生とはままならないものだと5歳で学んでいる。無視されるよりは構い倒される方がマシ……のような気がするから。
「はい、今日はここまで。クリスティーネ様もティアナ様も大変素晴らしいですね」
アッカーマン家の教師はとても優しい。
実家では私はほとんどいないものかの様に宿題だけ出されて放置状態だったのに、授業中もしっかり教えてくれてこうして褒めてもくれる。顔には出さないが嬉しくて仕方がない。
そうか。私の勉強が疎かになっていることを見かねてこうして授業に参加させてくれているのか。
しばらく経ってようやく二人の考えが分かった。
お茶会だって私は行ったことがない。だからマナーすら知らなかった。食事だって私には誰も何も言わない。だから自分なりに見様見真似で頑張ってきたけれど、きちんと指導を受けると駄目な所がよく分かった。
クラウス様みたいな優しい義兄が出来て嬉しい。
13歳になってやっとそう思うようになった。
なので、ちゃんと言葉にした。
「クラウス様ありがとう。大好きです」
もちろん兄としてだ。ただ、普段は姉としか会話をせず、それも短時間な為、気持ちを短文で伝えることが多くて少し省略し過ぎたようだ。
クラウス様が固まった。それはもうビキリッと音がしそうな程の固まりっぷりだった。
「あ、もちろん兄としてです。会話が下手くそで申し訳ありません」
慌てて足りなかった言葉を伝える。どうやら解呪は成功したようでクラウス様は息を吹き返した。
「驚いた。禁断の愛の告白かと思った」
「禁断の愛ですか。美しい表現ですが、私があなたに愛の告白をしたらただの不貞のお誘いですよ。惑わされないで下さい」
「15歳と13歳の不貞か。それは確かに良くない。気を付けよう」
しまった。言葉にすると凄く重くて不快なものだった。ちょっとした冗談のつもりだったのに。
この頃から会話の大切さを理解し、先生にもお願いして貴族としての話術なども授業に取り入れてもらった。
今日から一週間はお父様とお母様、そしてお姉様の三人は別荘に旅行に行く。
これは毎年のことだ。妖精の祝日を挟んだ一週間。私はいつも一人取り残される。
妖精の祝日とは、イタズラ好きの妖精が一番活発に動くと言われる日。そんな妖精に狙われない様に皆家に篭って大人しく過ごすという祝日のことだ。
だから別荘であっても篭っていれば何も問題は無い。ただ、なぜ私だけは置いて行かれるのかはよく分からない。だがよくあることだ。とうに諦めている。
そして、この一週間は使用人も里帰りが許される。だから私は本当にひとりぼっちになるのが少しだけ寂しかった。
「ティアナ、俺と一緒に行こう」
そう言ってクラウス様が迎えに来た。
「なぜ?」
「だってひとりは寂しいだろ?」
「毎年の事です。今更寂しいとは思いません」
「俺が嫌なんだ。だから俺のわがままだと思って付き合ってくれ」
この人はズルい。私の逆らえない言葉を使うのが上手いから。
「私だけ行くなど、両親が許さないでしょう」
「そうか?では今日から一週間、私を招待してくれ。それならいいだろう?」
「いえ、まったく良くありません。両親も婚約者である姉もいないのに、貴方様を泊めるなんて出来ません」
「だろ?じゃあやっぱりティアナが我が家に来るしかない。両親には伝えてあるから大丈夫だ。どうしても気になるなら部屋に篭っていてもいい。食事も別で部屋に運んであげるよ」
「……どうしてそこまで」
「君も気付いているだろう。この家はおかしいよ。それを放っておく程強い心臓は持っていない。だが、どれだけ言っても君のご両親は変わらないから仕方がない。多少強引なのは許してくれ」
クラウス様の決意は固く、私はアッカーマン家に一週間滞在することになった。侯爵夫妻からは自分の家だと思って寛いでくれと言われ、思わず無理です!と言いそうになるのをなんとか飲み込み感謝の言葉を伝えた。
きっと私の顔は引きつっていたことだろう。
アッカーマン家での生活はとても幸せだった。今までも勉強の為に訪れてはいたけれど、滞在すると我が家との差が歴然だった。
だって皆が優しいのだ。侯爵夫妻もクラウス様も使用人でさえ。
誰も私を無視しない。それがこんなに……
だめ、この生活に慣れてはダメよ。
ここは夢の国。妖精が見せる幻だ。現実を忘れてはいけない。
そして、たった三日で私の心は悲鳴を上げた。
幸せに耐えられず、その夜高熱を出した。
「ティアナさん大丈夫?」
「お薬を飲みましょう。すぐ治りますよ」
「少し口を開けて。氷を持ってきた」
皆が私の心配をし、世話をしに来る。
やめて、これ以上優しさを知ったら生きていけない。
「ティアナ?辛い?」
「……クラウス、さま?」
「うん。まだ熱が高いね。お水は飲める?」
「……もうかまわないで……」
「なぜ?」
「……やさしくしないで、これは私のものじゃない……私のものにはならないのに……」
ポロポロと涙と一緒に弱音が溢れる。
「嫌だよ。君は優しくされていい。優しくしたい」
「だめよ、これは全部お姉様のものだもの……もう出て行って……」
泣きじゃくる私にクラウス様は、
「違うよ、こんなのは普通のことだ」
「私は妹は可愛がりたい派だ」
「もっと甘えてよ」
と、訳の分からないことを囁き続けた。
それは私にとって呪いの呪文のようだった。
「……さすがは『妖精姫』よね」
世間では姉は『妖精姫』と呼ばれている。本人は少し恥ずかしそうにしているけど、ぴったりだと思う。
対して私は『妖精の取り替え子』だ。光り輝くような美しさの姉と比べて、黒髪にアメジストの瞳の私は陰鬱であまりにも似ていない為、嫌味と憐れみを込めて付けらた呼び名。
髪や瞳の色は努力ではどうにもできないのに。
幼い頃は何度も泣いた。とにかく私を見て欲しくて。でも、お父様とお母様、更に使用人すらも大切なのはお姉様で、私が泣いていても誰にも相手にしてもらえない。
そして、更に泣く。を何度も繰り返し、どんなに泣いても私という人間は誰にも相手にされないと理解し、ならば泣くなどという体力ばかり使って皆に疎ましがられる行為は止めた方が利口だと悟りを開いたのは5歳だったか。
お陰様でクールな幼女が出来上がったのだ。
「そうか。君は面白いな」
「面白かったなら幸いですわ」
面白いだろうか?よく分からない。
今、お話しをしているのは姉の婚約者になったアッカーマン侯爵令息のクラウス様だ。
金に近い栗色の髪に琥珀の瞳。お姉様程では無いが端正な顔立ち。先程、成長痛で節々が痛いとこぼしていたから身長もまだまだ伸びることだろう。
家柄と容姿の良さ、私ともこの様に気さくに話してくれる性格といい、きっとモテるだろうな、という好青年ぶりだ。
「だって普通ならもっと嘆くなり恨むなりするものだろう?俺だって姉妹の扱いの差が気になってこうやって話を聞いているんだ」
「そんなに分かりやすいですか?」
「そうだな。俺はこうやって家に招待されているから特に、かな。家ぐるみでの付き合いが無ければ気付かないかもしれない」
ふむ。これはどうするべきなのだろう。
「それで。あなたはどうしたいのですか?」
分からないなら聞いた方が早い。
クラウス様が望むことは本人が一番知っているもの。
「俺か?俺は……とりあえずティアナと仲良くなりたいかな」
「私と……ですか?」
なぜ。今の話運びでどうしてそうなった?
「だって君はクリスティーネの妹だから仲がいい方がいいだろう?それに俺が君と仲良くすれば、ご両親だって君をぞんざいに扱うことは出来ないだろう」
「私のことなんか気にしなくてもいいのに」
変な人。私の事を気にする人なんて今までいなかった。皆お姉様に夢中だったから。
「自分を『なんか』等と言ってはいけないな。次に言ったら罰としてその日はずっと俺の膝の上に座らせることにしよう」
「……は?」
「俺には弟しかいないから妹というものを可愛がってみたかったんだ。なんなら今膝の上に来てもいいぞ?」
私のお義兄様になる人は少し変な人みたいです。
だってクラウス様は14歳、私は12歳。
膝に乗せて可愛いがる年ではないのですから。
ちなみにお姉様は13歳です。
「変態?」
「ははっ、辛辣だな」
私より年上なのに、子供みたいな笑顔だった。
それからは本当にクラウス様は私を大切にしてくれた。もともとお姉様も私には優しい。だから二人で私を構い倒すのだ。おかしくない?
仲良きことは美しきこと。そうは言っても間に私を挟むのはおかしいでしょう。
「ティアナ、今日は美味しいお菓子を持ってきた。一緒に食べよう」
「ティアナ、今日はクラウス様とお買い物に行くの。貴方も行きましょう?」
「ティアナ、今日は我が家でティーパーティーがあるんだ。このドレスに着替えて。君も一緒に行こう」
何度断っても彼等は私を側に置きたがった。
お茶の席でも食事の時でも。更に侯爵家でのお勉強ですら私を同席させる。さすがにアッカーマン家の皆様も最初は困惑していたが、二人の笑顔の圧に負けた。私はだいぶ前に諦めた。だって人生とはままならないものだと5歳で学んでいる。無視されるよりは構い倒される方がマシ……のような気がするから。
「はい、今日はここまで。クリスティーネ様もティアナ様も大変素晴らしいですね」
アッカーマン家の教師はとても優しい。
実家では私はほとんどいないものかの様に宿題だけ出されて放置状態だったのに、授業中もしっかり教えてくれてこうして褒めてもくれる。顔には出さないが嬉しくて仕方がない。
そうか。私の勉強が疎かになっていることを見かねてこうして授業に参加させてくれているのか。
しばらく経ってようやく二人の考えが分かった。
お茶会だって私は行ったことがない。だからマナーすら知らなかった。食事だって私には誰も何も言わない。だから自分なりに見様見真似で頑張ってきたけれど、きちんと指導を受けると駄目な所がよく分かった。
クラウス様みたいな優しい義兄が出来て嬉しい。
13歳になってやっとそう思うようになった。
なので、ちゃんと言葉にした。
「クラウス様ありがとう。大好きです」
もちろん兄としてだ。ただ、普段は姉としか会話をせず、それも短時間な為、気持ちを短文で伝えることが多くて少し省略し過ぎたようだ。
クラウス様が固まった。それはもうビキリッと音がしそうな程の固まりっぷりだった。
「あ、もちろん兄としてです。会話が下手くそで申し訳ありません」
慌てて足りなかった言葉を伝える。どうやら解呪は成功したようでクラウス様は息を吹き返した。
「驚いた。禁断の愛の告白かと思った」
「禁断の愛ですか。美しい表現ですが、私があなたに愛の告白をしたらただの不貞のお誘いですよ。惑わされないで下さい」
「15歳と13歳の不貞か。それは確かに良くない。気を付けよう」
しまった。言葉にすると凄く重くて不快なものだった。ちょっとした冗談のつもりだったのに。
この頃から会話の大切さを理解し、先生にもお願いして貴族としての話術なども授業に取り入れてもらった。
今日から一週間はお父様とお母様、そしてお姉様の三人は別荘に旅行に行く。
これは毎年のことだ。妖精の祝日を挟んだ一週間。私はいつも一人取り残される。
妖精の祝日とは、イタズラ好きの妖精が一番活発に動くと言われる日。そんな妖精に狙われない様に皆家に篭って大人しく過ごすという祝日のことだ。
だから別荘であっても篭っていれば何も問題は無い。ただ、なぜ私だけは置いて行かれるのかはよく分からない。だがよくあることだ。とうに諦めている。
そして、この一週間は使用人も里帰りが許される。だから私は本当にひとりぼっちになるのが少しだけ寂しかった。
「ティアナ、俺と一緒に行こう」
そう言ってクラウス様が迎えに来た。
「なぜ?」
「だってひとりは寂しいだろ?」
「毎年の事です。今更寂しいとは思いません」
「俺が嫌なんだ。だから俺のわがままだと思って付き合ってくれ」
この人はズルい。私の逆らえない言葉を使うのが上手いから。
「私だけ行くなど、両親が許さないでしょう」
「そうか?では今日から一週間、私を招待してくれ。それならいいだろう?」
「いえ、まったく良くありません。両親も婚約者である姉もいないのに、貴方様を泊めるなんて出来ません」
「だろ?じゃあやっぱりティアナが我が家に来るしかない。両親には伝えてあるから大丈夫だ。どうしても気になるなら部屋に篭っていてもいい。食事も別で部屋に運んであげるよ」
「……どうしてそこまで」
「君も気付いているだろう。この家はおかしいよ。それを放っておく程強い心臓は持っていない。だが、どれだけ言っても君のご両親は変わらないから仕方がない。多少強引なのは許してくれ」
クラウス様の決意は固く、私はアッカーマン家に一週間滞在することになった。侯爵夫妻からは自分の家だと思って寛いでくれと言われ、思わず無理です!と言いそうになるのをなんとか飲み込み感謝の言葉を伝えた。
きっと私の顔は引きつっていたことだろう。
アッカーマン家での生活はとても幸せだった。今までも勉強の為に訪れてはいたけれど、滞在すると我が家との差が歴然だった。
だって皆が優しいのだ。侯爵夫妻もクラウス様も使用人でさえ。
誰も私を無視しない。それがこんなに……
だめ、この生活に慣れてはダメよ。
ここは夢の国。妖精が見せる幻だ。現実を忘れてはいけない。
そして、たった三日で私の心は悲鳴を上げた。
幸せに耐えられず、その夜高熱を出した。
「ティアナさん大丈夫?」
「お薬を飲みましょう。すぐ治りますよ」
「少し口を開けて。氷を持ってきた」
皆が私の心配をし、世話をしに来る。
やめて、これ以上優しさを知ったら生きていけない。
「ティアナ?辛い?」
「……クラウス、さま?」
「うん。まだ熱が高いね。お水は飲める?」
「……もうかまわないで……」
「なぜ?」
「……やさしくしないで、これは私のものじゃない……私のものにはならないのに……」
ポロポロと涙と一緒に弱音が溢れる。
「嫌だよ。君は優しくされていい。優しくしたい」
「だめよ、これは全部お姉様のものだもの……もう出て行って……」
泣きじゃくる私にクラウス様は、
「違うよ、こんなのは普通のことだ」
「私は妹は可愛がりたい派だ」
「もっと甘えてよ」
と、訳の分からないことを囁き続けた。
それは私にとって呪いの呪文のようだった。
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