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第九章
呪われた絵 5
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空間を抜けると、すぐにホールに出た。
「カイト!」
「リリアーナ――」
リリアーナが腕の中に飛び込んできた。そのまま優しく抱き締めると、嬉しそうにカイトの胸に顔を埋める。顎に手を当てくちづけようと身を屈めたところで、人間の姿をしたカエレスの咳払いが聞こえてきた。
「そろそろいいかな?」
顔を上げると、憎々しげにこちらを見ているあの青年と、その傍らに立つカエレスが目に入った。
「お前はドラゴンの守護も受けているのか!! だから眠らなかったんだな! リリアーナも・・・何でも持っていやがって、忌々しい!」
「忌々しいのはお前だ」
カイトが吐き捨てるように言葉を返す。
「何だと!!」
「黙れ」
カエレスの一言で青年は悔しそうにしながらも黙り込んだ。
「カエレス様、その青年は何者ですか?」
「こいつは・・・」
カエレスは自分の顎に手を当て、しばし青年と絵を見比べた。
「お前は・・・もうこの世のものではないな――とっくの昔に死んでいるだろう」
青年が横を向く。
「霊魂ですか・・・?」
「そうだ、もう悪霊の類だがな。元は人間で、あの絵は自分が生前住んでいた家だろう。この動物達は・・・おい、元の姿に戻す方法は? 俺でもできるが、これだけの数は面倒だ」
「この世界の・・・水でも、食べ物でも何でも口にすればいい――」
顔を顰めて口にする。
「ふ・・・ん。そういう事か」
イフリートとサイラスが指揮をして、桶に入った水が大量に運び込まれた。動物達が一斉に飲み始める。その後には信じられない光景が広がった。水を飲んだ動物達が、次から次へと人間に姿を変えていったのだ。その上、みんな美形であった。文献にあるような昔のドレスを着ている者もいれば、最近の流行を身に付けている者もいる。そしてそれらの服装から見るにつけ、百年前からこの行為は続いていたように思われた。
「よくこれだけ美男美女を集められたな」
壮観な眺めにカエレスも驚いている。
「どうせなら、美しいほうがいい」
青年がぼそっとこぼした。
「どういう事ですか? この者達はそれぞれ違う時代に生きていたのですか?」
カイトも驚いた顔で、人間に戻った者達を見回す。
「そうだ。百年近く続いていたんだろう。その青年は元は身体の弱いただの絵描きさ。町に出て絵で大成しようとしたが失敗して金も無く、悲惨な最期を遂げたようだ。あの絵に描かれているのは、自分が一番幸せだった少年時代の家と自分で、死の間際には日がな一日眺めていたらしい。よっぽどその頃に未練があったんだろう。死んだ後でも、魂が天に召されるところを抗って絵に纏わり付き、とうとう絵の世界に入り込んでしまったんだ」
「百年近く・・・。巻き込まれたほうは地獄ですね」
「ああ、あの絵の中には最初、青年以外何もいなかった筈だ。一人ずつ絵の中におびき寄せて、あの邪悪な世界の物を飲むか食べさせて、彼の怨念で身体を満たし、外に出れなくしていたんだ。奴の造った世界だから、好きな動物に変える事もできたんだろう」
「あと・・・あの世界は何故あんなに身体が、重力が重いのですか?」
「あれは奴によって、無理矢理作られた歪んだ空間だからだ。普通の人間には辛いのさ。奴の傘下に入ってしまえば、重さははどうって事もなくなる。
更に言えば、あの空間を維持する為に、エネルギーも大量にいるから、誘い込んだ者達から魂のエネルギーを少しずつ奪っていたんだ。リリアーナは美しい上に、魂も極上品だから狙われたんだろう。多分あいつのパートナーにするつもりだったんじゃないか?」
カイトは男を睨みつけた。男はすぐに目を逸らす。
「この者達はどうなるのですか?」
「元の時代に帰してやる。本来の歩むべき人生があったのに、歪んだ世界に連れ込まれたわけだから、戻すのは簡単だ」
そこに美しさが際立っている一人の女性が近付いてきた。カイトが何となくピンときた。
「ナイチンゲール?」
「はい、カイト様。先程は危ないところを助けて頂きありがとうございました」
女性は優雅にお辞儀をした。身に付けているドレスは美麗ではあるが、デザインは古めかしい。その横にはやはり容姿が整っていてて、体格の良い男性が立っていた。彼の服装は比較的最近のものである。
「君はあの猫だね」
「はい、そうです・・・実はお願いがあるのですが、私達は元の時代に帰りたくないのです」
カエレスがすぐに察した。
「君達は、恋仲だね」
ナイチンゲールだった女性が答える。
「おっしゃる通りです。あの世界の空に輝く月だけはこちらの世界と同じ、本物なのです。満月の晩は不思議と私達の身体は人間に戻れました。そこでこの男性と本来の姿で出会い、すぐに恋に落ちたのです。ただ・・・連れて来られた年を考えると、私達の生活した時代の差は60年あります」
「服装から察するに、女性の君が年上になる訳だ。元の世界に戻ったら年の差六十歳か。下手すると、死んでいるね。気持ちは分かるけど、それはこのわしの力でもどうにもできないな。生まれた時代が違うのだから」
「この絵の中に返して頂く訳にはいきませんか? できれば人間の身体で」
「それはできない事もないけど、この絵を浄化しないといけないし、色々と・・・ちょっと手間だな」
カイトがそれを聞いて、女性に耳打ちをした。最初女性は戸惑っていたが、決心するように顔を上げる。カイトはリリアーナにも耳打ちした。
「偉大で、気高く、お優しくて、世界一強い、美丈夫のカエレス様、どうぞ私の願いを叶えて下さい」
カイトに言われた通り、羨望の目で見上げてみる。
「凄い・・・! そんな事ができるのですか? 私、カエレス様が術を使って浄化するところを是非見てみたいです。きっと溜息が出るほど素晴らしいでしょうね」
リリアーナが胸の前で祈るように手を組んで、うっとりしたような顔で見上げた。本人は恥かしいし、演技が見え透いているようで不安だったが、そのせいで紅い頬が、気分が高調したように本当らしく見せていた。
「頑張っちゃってみようかな――」
カエレス様ちょろい―― そこにいる者達は思った。
「カイト!」
「リリアーナ――」
リリアーナが腕の中に飛び込んできた。そのまま優しく抱き締めると、嬉しそうにカイトの胸に顔を埋める。顎に手を当てくちづけようと身を屈めたところで、人間の姿をしたカエレスの咳払いが聞こえてきた。
「そろそろいいかな?」
顔を上げると、憎々しげにこちらを見ているあの青年と、その傍らに立つカエレスが目に入った。
「お前はドラゴンの守護も受けているのか!! だから眠らなかったんだな! リリアーナも・・・何でも持っていやがって、忌々しい!」
「忌々しいのはお前だ」
カイトが吐き捨てるように言葉を返す。
「何だと!!」
「黙れ」
カエレスの一言で青年は悔しそうにしながらも黙り込んだ。
「カエレス様、その青年は何者ですか?」
「こいつは・・・」
カエレスは自分の顎に手を当て、しばし青年と絵を見比べた。
「お前は・・・もうこの世のものではないな――とっくの昔に死んでいるだろう」
青年が横を向く。
「霊魂ですか・・・?」
「そうだ、もう悪霊の類だがな。元は人間で、あの絵は自分が生前住んでいた家だろう。この動物達は・・・おい、元の姿に戻す方法は? 俺でもできるが、これだけの数は面倒だ」
「この世界の・・・水でも、食べ物でも何でも口にすればいい――」
顔を顰めて口にする。
「ふ・・・ん。そういう事か」
イフリートとサイラスが指揮をして、桶に入った水が大量に運び込まれた。動物達が一斉に飲み始める。その後には信じられない光景が広がった。水を飲んだ動物達が、次から次へと人間に姿を変えていったのだ。その上、みんな美形であった。文献にあるような昔のドレスを着ている者もいれば、最近の流行を身に付けている者もいる。そしてそれらの服装から見るにつけ、百年前からこの行為は続いていたように思われた。
「よくこれだけ美男美女を集められたな」
壮観な眺めにカエレスも驚いている。
「どうせなら、美しいほうがいい」
青年がぼそっとこぼした。
「どういう事ですか? この者達はそれぞれ違う時代に生きていたのですか?」
カイトも驚いた顔で、人間に戻った者達を見回す。
「そうだ。百年近く続いていたんだろう。その青年は元は身体の弱いただの絵描きさ。町に出て絵で大成しようとしたが失敗して金も無く、悲惨な最期を遂げたようだ。あの絵に描かれているのは、自分が一番幸せだった少年時代の家と自分で、死の間際には日がな一日眺めていたらしい。よっぽどその頃に未練があったんだろう。死んだ後でも、魂が天に召されるところを抗って絵に纏わり付き、とうとう絵の世界に入り込んでしまったんだ」
「百年近く・・・。巻き込まれたほうは地獄ですね」
「ああ、あの絵の中には最初、青年以外何もいなかった筈だ。一人ずつ絵の中におびき寄せて、あの邪悪な世界の物を飲むか食べさせて、彼の怨念で身体を満たし、外に出れなくしていたんだ。奴の造った世界だから、好きな動物に変える事もできたんだろう」
「あと・・・あの世界は何故あんなに身体が、重力が重いのですか?」
「あれは奴によって、無理矢理作られた歪んだ空間だからだ。普通の人間には辛いのさ。奴の傘下に入ってしまえば、重さははどうって事もなくなる。
更に言えば、あの空間を維持する為に、エネルギーも大量にいるから、誘い込んだ者達から魂のエネルギーを少しずつ奪っていたんだ。リリアーナは美しい上に、魂も極上品だから狙われたんだろう。多分あいつのパートナーにするつもりだったんじゃないか?」
カイトは男を睨みつけた。男はすぐに目を逸らす。
「この者達はどうなるのですか?」
「元の時代に帰してやる。本来の歩むべき人生があったのに、歪んだ世界に連れ込まれたわけだから、戻すのは簡単だ」
そこに美しさが際立っている一人の女性が近付いてきた。カイトが何となくピンときた。
「ナイチンゲール?」
「はい、カイト様。先程は危ないところを助けて頂きありがとうございました」
女性は優雅にお辞儀をした。身に付けているドレスは美麗ではあるが、デザインは古めかしい。その横にはやはり容姿が整っていてて、体格の良い男性が立っていた。彼の服装は比較的最近のものである。
「君はあの猫だね」
「はい、そうです・・・実はお願いがあるのですが、私達は元の時代に帰りたくないのです」
カエレスがすぐに察した。
「君達は、恋仲だね」
ナイチンゲールだった女性が答える。
「おっしゃる通りです。あの世界の空に輝く月だけはこちらの世界と同じ、本物なのです。満月の晩は不思議と私達の身体は人間に戻れました。そこでこの男性と本来の姿で出会い、すぐに恋に落ちたのです。ただ・・・連れて来られた年を考えると、私達の生活した時代の差は60年あります」
「服装から察するに、女性の君が年上になる訳だ。元の世界に戻ったら年の差六十歳か。下手すると、死んでいるね。気持ちは分かるけど、それはこのわしの力でもどうにもできないな。生まれた時代が違うのだから」
「この絵の中に返して頂く訳にはいきませんか? できれば人間の身体で」
「それはできない事もないけど、この絵を浄化しないといけないし、色々と・・・ちょっと手間だな」
カイトがそれを聞いて、女性に耳打ちをした。最初女性は戸惑っていたが、決心するように顔を上げる。カイトはリリアーナにも耳打ちした。
「偉大で、気高く、お優しくて、世界一強い、美丈夫のカエレス様、どうぞ私の願いを叶えて下さい」
カイトに言われた通り、羨望の目で見上げてみる。
「凄い・・・! そんな事ができるのですか? 私、カエレス様が術を使って浄化するところを是非見てみたいです。きっと溜息が出るほど素晴らしいでしょうね」
リリアーナが胸の前で祈るように手を組んで、うっとりしたような顔で見上げた。本人は恥かしいし、演技が見え透いているようで不安だったが、そのせいで紅い頬が、気分が高調したように本当らしく見せていた。
「頑張っちゃってみようかな――」
カエレス様ちょろい―― そこにいる者達は思った。
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