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第十二章
腕(かいな)の中のリリアーナ 58 「お休みのキス……さっきみたいに扉に両手をついて、してほしい……」
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「――まだ、からかわれているのでしょうか? 今、閨と聞こえたのですが……」
「いいや、私は本気だ」
「アレクセイ様。先程私が ”一晩共に過ごす許可” を願い出た時は、即座に却下されましたが」
「周りに大勢いたからな、建前だ。臣下もいる前で、“ 結婚前の姫君と 一晩共に過ごす許可” はおいそれと出せない」
「………」
カイトはアレクセイが何を考えているか掴みきれずに沈黙した。
「お前、リリアーナが最近巷で何て呼ばれているか知っているか?」
「はい、…… “攫われ姫” と。本人が聞いたら嫌がりそうですが……」
「うん……リリアーナは国民に愛されている。揶揄されている訳ではなく、しっくりきてしまったんだろうな。実際に攫われてばかりだし」
「それと閨がどう結びつくんですか?」
「リリアーナはお前と婚約をしてから回数は減ったが、まだ攫われている。何故だと思う?」
「それは、やはりリーフシュタインの至宝と謳われるほどの美しさと、心根の優しさに、婚約者がいても尚、惹かれるからではないでしょうか」
「確かにそれもあるが、リリアーナとお前の関係が夫婦ではなく、婚約者というところに原因があるのだと私は思う。婚約は破棄することができるし、今だったら清い身のままのリリアーナを手に入れることができる」
「それならば順番が逆ではないでしょうか。閨より結婚が先では? 結婚を急げばいいと思います」
「ああ。だが、王族の結婚は準備に一年は掛かる。その上、教会で式を挙げる為には、事前に三回婚姻予告を公示し、申し立ての異議がないかの確認を取り、申し立てがあれば……とにかく時間が掛かる。リリアーナの結婚となると、無駄に申し立てが出てきそうだしな」
「婚姻予告は確かにやっかいですね。元は”重婚”や、親に反対されて勝手に式を挙げてしまう”秘密婚”を防ぐための法律でしたが、最近は結婚の邪魔をしたいがために申し立てる者もいる」
「そうだ。だから結婚の特別許可証を取って、教会での式をすぐに挙げてしまおうというわけだ」
「特別許可証……最近よく耳にしますが」
「元は花婿が戦地に向かう前、結婚を急ぐ時のためにできたものだ。愛し合っている間柄で、両家の親族が認めれば、閨を共にし、教会に願い出て、許可証を手に入れられる。許可証があれば、婚姻予告の公示を免除して、すぐに教会で式を挙げることができる。お前達も式だけ先に挙げて、宴は一年後にすればいい」
「……これは、私の考えですが、リリアーナ様は嫌がるのではないでしょうか。結婚前に、その……純潔を失うのは」
「確かにリリアーナの気持ちは大切だが……お前の申し出は今夜の警護の件だったな?」
急に話しが変わって、カイトは一瞬戸惑った。
「はい。あっ、いえ、その件は無かった事に……」
「許可を与える。警護につけ。……この件は父上も了承している。いっその事今夜押し倒したらどうだ?」
カイトは言葉を選びながら慎重に答える。
「リリアーナ様は16歳の姿にお戻りになったばかりですし、もう少し落ち着いて、頃合を見計らってから本人に確認したいと思います」
「……そうだな。つい、気が急いてしまって……リリアーナがどうしたいかが、一番大切なのに」
アレクセイは溜息をついた。
「だが、分かってくれ。俺達はリリアーナがもう二度と攫われてほしくはないし、リリアーナの伴侶はお前以外は考えられない」
「アレクセイ様――」
「だから、今夜押し倒しても、何ら問題はない」
「アレクセイ様………」
***
「兄様……」
「まあ最後の`押し倒しても ‘ は冗談……だったとは思うが、俺の心の揺れを感じ取ったんだろう。取り消そうと思った夜の警護を、先回りして許可したのだから」
「心の揺れ? 何故取り消そうとしたの?」
「16歳の君と久しぶりに再会したら……」
カイトが右手の平で、リリアーナの頬にそっと触れた。
「記憶していた以上に、愛らしい君にすっかり魅了されて」
熱く秘められた彼女への想いを、黒曜石の瞳が伝えてくる。リリアーナもその想いを読み取り、気持ちが高まっていく。
彼は彼女を見つめながら、触れていた手をふいに放し、何故か一歩退いた。
「相手は姫君だからこれ以上はいけない、と自分にブレーキをかけていたのに、アレクセイ様と国王陛下から許可が下り、かけていたブレーキを取り払われ、後押しするような事まで言われて……」
また少し彼が離れた。
「多分君は……清い身体のままでヴァージンロードを歩きたいのではないか?」
リリアーナが頷いた。カイトが離れて淋しく感じ、無意識の内に彼に近付く。
「ん……やはり。頭ではそうだと思っていても、ただでさえ暴走気味な自分が、夜に二人きりで会ったら、自分を抑える自信がなかった。なかなか廊下に出てこないから、今日は疲れて寝てしまったのだろう、と気を抜いたところに君が出てきたんだ」
「だからそっけなかったの?」
今度はカイトが頷く。
「なるべく早く部屋に戻らせたかった」
「言ってくれたらよかったのに」
「説明すると長くなるし、君は可愛らしい夜着を着ているし、抱き締めたくなるし……」
「えっ?」
リリアーナが耳を疑って自分の着ている物を見下ろす。これは持っている寝間着とガウンの中で一番地味なものだ。いや、地味どころかサファイアや、アレクセイまでもが「前世紀の遺物」と言った代物である。
下に着ているネグリジェはガウンに隠れているからいいとして、そのガウンが……。
皇太后のアデレードから「最近の若い娘は本当に慎みのない。貴方達が率先して国民の手本となるように」と贈られたガウンだ。
襟が高く、修道服のようなデザインのそれは、クリーム色でだぼっとしていて無駄に生地の量が多く、ギュッとサッシュで腰を締めると背が高くないリリアーナは、てるてるぼうずに見える気がする。
フランチェスカに「もっと可愛いガウンがいい」と訴えたが、「男は狼です」と却下されたのだ。
「これが……可愛い……?」
「ん……。花びらの中に埋まっているみたいで、リリアーナの華奢さも際立つ」
(花びら? 生地がだぶついているせいかしら……)
リリアーナは意味がちと違うが`あばたもえくぼ ‘ という諺を思い出していた。
「理由は理解してもらえたかな?」
リリアーナがコクンと頷く。
「じゃあ、早く寝室に戻って……」
カイトが彼女の背後にある扉を開けようと片手を伸ばす。
「カイト…」
「おやすみのキス?」
彼が扉に手をつけたまま、ひょいと屈んでキスをした。
だが、それとは違うのか、リリアーナはまだ何かを言いたそうにしている。
「ん?」
「お休みのキス……さっきみたいに扉に両手をついて、してほしい……」
頬を赤らめ上目遣いで、期待に満ちた眼差しを向けてくる。
……このお姫様はちゃんと人の話を聞いていたんだろうか……
カイトは自分の理性が試されているような気がした。
「いいや、私は本気だ」
「アレクセイ様。先程私が ”一晩共に過ごす許可” を願い出た時は、即座に却下されましたが」
「周りに大勢いたからな、建前だ。臣下もいる前で、“ 結婚前の姫君と 一晩共に過ごす許可” はおいそれと出せない」
「………」
カイトはアレクセイが何を考えているか掴みきれずに沈黙した。
「お前、リリアーナが最近巷で何て呼ばれているか知っているか?」
「はい、…… “攫われ姫” と。本人が聞いたら嫌がりそうですが……」
「うん……リリアーナは国民に愛されている。揶揄されている訳ではなく、しっくりきてしまったんだろうな。実際に攫われてばかりだし」
「それと閨がどう結びつくんですか?」
「リリアーナはお前と婚約をしてから回数は減ったが、まだ攫われている。何故だと思う?」
「それは、やはりリーフシュタインの至宝と謳われるほどの美しさと、心根の優しさに、婚約者がいても尚、惹かれるからではないでしょうか」
「確かにそれもあるが、リリアーナとお前の関係が夫婦ではなく、婚約者というところに原因があるのだと私は思う。婚約は破棄することができるし、今だったら清い身のままのリリアーナを手に入れることができる」
「それならば順番が逆ではないでしょうか。閨より結婚が先では? 結婚を急げばいいと思います」
「ああ。だが、王族の結婚は準備に一年は掛かる。その上、教会で式を挙げる為には、事前に三回婚姻予告を公示し、申し立ての異議がないかの確認を取り、申し立てがあれば……とにかく時間が掛かる。リリアーナの結婚となると、無駄に申し立てが出てきそうだしな」
「婚姻予告は確かにやっかいですね。元は”重婚”や、親に反対されて勝手に式を挙げてしまう”秘密婚”を防ぐための法律でしたが、最近は結婚の邪魔をしたいがために申し立てる者もいる」
「そうだ。だから結婚の特別許可証を取って、教会での式をすぐに挙げてしまおうというわけだ」
「特別許可証……最近よく耳にしますが」
「元は花婿が戦地に向かう前、結婚を急ぐ時のためにできたものだ。愛し合っている間柄で、両家の親族が認めれば、閨を共にし、教会に願い出て、許可証を手に入れられる。許可証があれば、婚姻予告の公示を免除して、すぐに教会で式を挙げることができる。お前達も式だけ先に挙げて、宴は一年後にすればいい」
「……これは、私の考えですが、リリアーナ様は嫌がるのではないでしょうか。結婚前に、その……純潔を失うのは」
「確かにリリアーナの気持ちは大切だが……お前の申し出は今夜の警護の件だったな?」
急に話しが変わって、カイトは一瞬戸惑った。
「はい。あっ、いえ、その件は無かった事に……」
「許可を与える。警護につけ。……この件は父上も了承している。いっその事今夜押し倒したらどうだ?」
カイトは言葉を選びながら慎重に答える。
「リリアーナ様は16歳の姿にお戻りになったばかりですし、もう少し落ち着いて、頃合を見計らってから本人に確認したいと思います」
「……そうだな。つい、気が急いてしまって……リリアーナがどうしたいかが、一番大切なのに」
アレクセイは溜息をついた。
「だが、分かってくれ。俺達はリリアーナがもう二度と攫われてほしくはないし、リリアーナの伴侶はお前以外は考えられない」
「アレクセイ様――」
「だから、今夜押し倒しても、何ら問題はない」
「アレクセイ様………」
***
「兄様……」
「まあ最後の`押し倒しても ‘ は冗談……だったとは思うが、俺の心の揺れを感じ取ったんだろう。取り消そうと思った夜の警護を、先回りして許可したのだから」
「心の揺れ? 何故取り消そうとしたの?」
「16歳の君と久しぶりに再会したら……」
カイトが右手の平で、リリアーナの頬にそっと触れた。
「記憶していた以上に、愛らしい君にすっかり魅了されて」
熱く秘められた彼女への想いを、黒曜石の瞳が伝えてくる。リリアーナもその想いを読み取り、気持ちが高まっていく。
彼は彼女を見つめながら、触れていた手をふいに放し、何故か一歩退いた。
「相手は姫君だからこれ以上はいけない、と自分にブレーキをかけていたのに、アレクセイ様と国王陛下から許可が下り、かけていたブレーキを取り払われ、後押しするような事まで言われて……」
また少し彼が離れた。
「多分君は……清い身体のままでヴァージンロードを歩きたいのではないか?」
リリアーナが頷いた。カイトが離れて淋しく感じ、無意識の内に彼に近付く。
「ん……やはり。頭ではそうだと思っていても、ただでさえ暴走気味な自分が、夜に二人きりで会ったら、自分を抑える自信がなかった。なかなか廊下に出てこないから、今日は疲れて寝てしまったのだろう、と気を抜いたところに君が出てきたんだ」
「だからそっけなかったの?」
今度はカイトが頷く。
「なるべく早く部屋に戻らせたかった」
「言ってくれたらよかったのに」
「説明すると長くなるし、君は可愛らしい夜着を着ているし、抱き締めたくなるし……」
「えっ?」
リリアーナが耳を疑って自分の着ている物を見下ろす。これは持っている寝間着とガウンの中で一番地味なものだ。いや、地味どころかサファイアや、アレクセイまでもが「前世紀の遺物」と言った代物である。
下に着ているネグリジェはガウンに隠れているからいいとして、そのガウンが……。
皇太后のアデレードから「最近の若い娘は本当に慎みのない。貴方達が率先して国民の手本となるように」と贈られたガウンだ。
襟が高く、修道服のようなデザインのそれは、クリーム色でだぼっとしていて無駄に生地の量が多く、ギュッとサッシュで腰を締めると背が高くないリリアーナは、てるてるぼうずに見える気がする。
フランチェスカに「もっと可愛いガウンがいい」と訴えたが、「男は狼です」と却下されたのだ。
「これが……可愛い……?」
「ん……。花びらの中に埋まっているみたいで、リリアーナの華奢さも際立つ」
(花びら? 生地がだぶついているせいかしら……)
リリアーナは意味がちと違うが`あばたもえくぼ ‘ という諺を思い出していた。
「理由は理解してもらえたかな?」
リリアーナがコクンと頷く。
「じゃあ、早く寝室に戻って……」
カイトが彼女の背後にある扉を開けようと片手を伸ばす。
「カイト…」
「おやすみのキス?」
彼が扉に手をつけたまま、ひょいと屈んでキスをした。
だが、それとは違うのか、リリアーナはまだ何かを言いたそうにしている。
「ん?」
「お休みのキス……さっきみたいに扉に両手をついて、してほしい……」
頬を赤らめ上目遣いで、期待に満ちた眼差しを向けてくる。
……このお姫様はちゃんと人の話を聞いていたんだろうか……
カイトは自分の理性が試されているような気がした。
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