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第二章
24話 銀灰色の瞳に囚われて
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誰かが私の髪を梳いている――
愛おしさを感じさせるそれは、髪から耳……耳からなだらかな頬のカーブへ、なぞるように指を這わせていく。そこに性的な気配を感じ、唇に指先が触れたところでふと目が覚めた。
静かに瞬きをしてゆっくりとその相手に焦点を合わせる。
「アレクサンダー……」
「おはよう」
クリスの両脇に手をついて、近付いてきた唇を思わず避け、外れたそれは頬になされた。彼の目が険しくなる。
「いつになったら受け入れてくれるんだ?」
「まだ思い出していない貴方の事は他人に思えてしまうの……」
「時間はあまり残されていない」
「ねえ、私は王女なのでしょう? その婚約相手はどんな人なの? 詳しいところを教えてちょうだい。もしかしたら何か思い出すかもしれないし、こんな強硬手段に出なくても婚約だって解消できるかもしれないわ」
「駄目だ。もう話は拗れている。君はあの件で相当傷ついたし、変に思い出させたくはない」
「……覚悟の上で私がそれを望んでも……?」
アレクサンダーはいきなり顎を捕らえると、強引に唇を重ねてきた。首を振って逃れようとしたが、後頭部を押さえこまれて逃げることができない。厚い胸板を押し返しても、クリスの力ではびくともしない。
却って必死な抵抗が彼を煽っているようにも見えた。
「いやぁ……」
洩れた言葉にも刺激されたようで、くちづけをより一層深くされ、角度を変えたその時に彼の視線が首元に落ちた。
「なぜだ……?」
動きが急に止まり彼の視線がそこへと釘付けになる。くちづけから解放をされ、大きく呼吸をした後にクリスもその視線を追った。
「あ……」
白い夜着の首から肩にかけて、紅い跡が浮かび上がっている。もうとっくに消えてもいい筈のキスマーク―― ギリギリと歯を食いしばりながら、アレクサンダーは突然部屋から出て行ってしまった。ほっと息を吐いて、そのまま深くベッドに沈みこむ。
(キスマークのお陰で助けられた……)
クリスは身体を起こして胸の辺りを見下ろしてみる。今回のアレクサンダーの反応で分かったが、キスマークは彼がつけたものではないのだろう。
だとしたら誰が? 紅い跡に触れてみると一瞬背筋がぞくりとし、すぐに快感が身体を襲った。クリスが頬を赤らめる。
今の自分の反応から考えるに、この跡をつけた相手とはきっとそういう仲なのだ。しかし、まだ跡が消えないなんて一体どうなっているのだろう。これのお陰で助かったが、自分は相当その相手に執着されているのではないだろうかと、少し怖くなってきた。クリスはベッドにボスンッと身体を投げ出し、横たわった。
ジェラルドの昼寝の時間にクリスはまた部屋を抜け出す。裏庭の木立の中へ入ると、ヘルマンが先に待っていた。木立の中から現れた彼女にヘルマンは心躍らせる。
「ヘルマン」
「クリス様」
ヘルマンは跪いてその手の甲にくちづけた。クリスがくすりと笑う。
「そんなに改まらなくてもいいのに」
「いいえ、レディに対しては当然です」
ヘルマンはもっともらしい口実を吐いたが、実はクリスに触れたいだけだ。真面目な騎士であるヘルマンもやはり男なのである。
「あ……」
クリスは時々ヘルマンの仕草を見て声を上げた。自分を通して他の誰かを見ている事は分かっているのだが、その視線に図らずも胸が熱くなってしまう。
他愛もない話をするだけなのに幸福で心が満たされ、ヘルマンはまるで恋人同士であるような錯覚に陥り、クリスを抱き締めたくなった。
今だけ、この時間だけでいい、夢を見たい。彼女の恋人であるという夢を――
艶やかな心地よい声、吸い付くような肌の柔らかさ、そして姿形だけでなくその心根までもが美しい。
彼女の記憶が戻らないよう、少しでも長くこの時間が続く事を願わずにはいられない。
「先触れもなしにいきなり尋ねてくるなんて、君はいい度胸をしているねえ」
「お褒めの言葉として受け取っておきましょう」
(――確か港でも言ったな)ちらりと思い出したがすぐに頭を切り替える。
「貴国の傭兵部隊、今用意できるだけの全てを、この場で雇い入れたい――!」
しんと静まり返った応接室でメルセナリオの国王に向かってグリフィスの言葉が響き渡った。
「クリス~、おはよう!」
「おはようジェラルド」
腕に抱き上げてほっぺたにチュッとすると、嬉しそうに身を縮める。ジェラルドは本当に可愛い。目の中に入れても痛くないとはこのことだ。
「ねえ、今日は何をする?」
「そうね、お庭に出てみない? 昨日野うさぎがいるのを見掛けたの」
「えっ、ホントに!? 行くよ! 僕行く!」
目を丸くしたジェラルドに手を引かれながら、クリスがクスクスと笑いを零す。
アレクサンダーは執務室の窓辺に立ち、外を眺めながら口を開いた。傍らにはダリウスが控えている。
「各地に散らばっている騎士や兵士の招集具合はどうだ?」
「近くの町や村を警備していた者達は集まってきておりますが、後は何とも言えません。クロノスは領土が広すぎるので、召集に時間が掛かるといったところが現状です」
「そうか……」
「グリフィス王子はクリス様を取り返しに攻め込んでくるでしょうか?」
「アクエリオスの兵力など、微々たる物だ。恐れるに足らん。ただクリスの祖国に助けを求めて、兵を出されたら厄介だ」
「出すでしょうか?」
「それこそ何とも言えんな。ヘルマプロディトスの国王は実利を取る人物だと聞いている。婚約者より、クロノスのほうが有益だと考えるかもしれない」
「先程から何をご覧になっているのですか?」
横からダリウスが覗き込むと、クリスとジェラルドが手を繋いで散歩をしていた。
「なるほど、心癒される光景ですな」
「ああ……だが少し気に食わないところもある」
「と、申しますと……」
「俺よりジェラルドのほうがいいようだ」
ぷっとダリウスが吹き出した。
「そこがクリス様のいいところではありませんか。それに記憶を失くす前からそうであった訳でありますし」
「つまらん事を思い出させる奴だ」
「申し訳ありません。それでは良いお話を……城の者達もすっかり彼女に魅了されて、早く王妃として迎え入れたいそうです」
「それは確かに‥」
部屋にノックの音がする。
「入れ」
「失礼いたします」
「エリーゼ、メラニーどうした? 珍しいな。こんな時間に執務室を尋ねてくるとは」
二人共見るからに思い詰めた顔をしていて、エリーゼがメラニーを促した。メラニーは思い切って顔を上げる。
「あ、あの・・・クリス様のお世話をしておりまして、その、お身体に少し変化が……」
「変化・・・?」
「はい。あの、最初は目立たなかったので、気付かなかったんですけど……だ、男性の陰茎が身体に……」
「一体何を言っている……?」
「で、ですから、凄い小さいんですけど陰茎が、それもほんの少しずつ大きくなってきているのです! お、お胸も! 最初よりやはり少し小さくなられました!」
「まさか……」
「私も自分1人では自信が持てなくて、夕べの入浴と、今朝の着替えの手伝いをエリーゼさんにお願いしたんです」
「実は私も半信半疑でしたが……メラニーの言う通りでした。ご本人の様子を窺っていたのですが、その身体に慣れていらっしゃるようで、特に疑問をお持ちになってはいないようです」
アレクサンダーが驚きで口を押さえこむと、ダリウスが口を挟んだ。
「一時期、そんな噂が流れた事があります。ヘルマプロディトスの王族ではふたなりが生まれるてくると――」
「クリスもそうなのか……? 確かにある程度の年齢まで性別をはっきりさせないなんて、おかしいとは思っていたが……」
そこでアレクサンダーはエリーゼとメラニーの存在を思い出した。
「二人共、今の話は他言無用だ。もう下がっていい、報告ご苦労だった」
「はい」
頭を下げると二人は退室をし、それを見届けてからダリウスが口を開く。
「ふたなりは惚れた相手に左右されるという話を聞いたことがあります。多分、男性ホルモンや女性ホルモンの分泌が関係しているのではないでしょうか? グリフィス王子に恋をして殆ど女性化していたが、今は記憶も失って、覚えがない婚約者も現れて、身体が自己防衛で男性化しているのでは?」
アレクサンダーが黙り込み、思案した後にダリウスに告げた。
「今宵はクリスの部屋へ行く。エリーゼ達に伝えてくれ」
ダリウスが顔色を変える。
「アレクサンダー様……」
「ダリウス、何も言うな。女性ホルモンを活性化させるのに必要なことだ」
「……かしこまりました」
あの銀灰色の瞳に深く囚われて……もう手放すことなどできはしない――
愛おしさを感じさせるそれは、髪から耳……耳からなだらかな頬のカーブへ、なぞるように指を這わせていく。そこに性的な気配を感じ、唇に指先が触れたところでふと目が覚めた。
静かに瞬きをしてゆっくりとその相手に焦点を合わせる。
「アレクサンダー……」
「おはよう」
クリスの両脇に手をついて、近付いてきた唇を思わず避け、外れたそれは頬になされた。彼の目が険しくなる。
「いつになったら受け入れてくれるんだ?」
「まだ思い出していない貴方の事は他人に思えてしまうの……」
「時間はあまり残されていない」
「ねえ、私は王女なのでしょう? その婚約相手はどんな人なの? 詳しいところを教えてちょうだい。もしかしたら何か思い出すかもしれないし、こんな強硬手段に出なくても婚約だって解消できるかもしれないわ」
「駄目だ。もう話は拗れている。君はあの件で相当傷ついたし、変に思い出させたくはない」
「……覚悟の上で私がそれを望んでも……?」
アレクサンダーはいきなり顎を捕らえると、強引に唇を重ねてきた。首を振って逃れようとしたが、後頭部を押さえこまれて逃げることができない。厚い胸板を押し返しても、クリスの力ではびくともしない。
却って必死な抵抗が彼を煽っているようにも見えた。
「いやぁ……」
洩れた言葉にも刺激されたようで、くちづけをより一層深くされ、角度を変えたその時に彼の視線が首元に落ちた。
「なぜだ……?」
動きが急に止まり彼の視線がそこへと釘付けになる。くちづけから解放をされ、大きく呼吸をした後にクリスもその視線を追った。
「あ……」
白い夜着の首から肩にかけて、紅い跡が浮かび上がっている。もうとっくに消えてもいい筈のキスマーク―― ギリギリと歯を食いしばりながら、アレクサンダーは突然部屋から出て行ってしまった。ほっと息を吐いて、そのまま深くベッドに沈みこむ。
(キスマークのお陰で助けられた……)
クリスは身体を起こして胸の辺りを見下ろしてみる。今回のアレクサンダーの反応で分かったが、キスマークは彼がつけたものではないのだろう。
だとしたら誰が? 紅い跡に触れてみると一瞬背筋がぞくりとし、すぐに快感が身体を襲った。クリスが頬を赤らめる。
今の自分の反応から考えるに、この跡をつけた相手とはきっとそういう仲なのだ。しかし、まだ跡が消えないなんて一体どうなっているのだろう。これのお陰で助かったが、自分は相当その相手に執着されているのではないだろうかと、少し怖くなってきた。クリスはベッドにボスンッと身体を投げ出し、横たわった。
ジェラルドの昼寝の時間にクリスはまた部屋を抜け出す。裏庭の木立の中へ入ると、ヘルマンが先に待っていた。木立の中から現れた彼女にヘルマンは心躍らせる。
「ヘルマン」
「クリス様」
ヘルマンは跪いてその手の甲にくちづけた。クリスがくすりと笑う。
「そんなに改まらなくてもいいのに」
「いいえ、レディに対しては当然です」
ヘルマンはもっともらしい口実を吐いたが、実はクリスに触れたいだけだ。真面目な騎士であるヘルマンもやはり男なのである。
「あ……」
クリスは時々ヘルマンの仕草を見て声を上げた。自分を通して他の誰かを見ている事は分かっているのだが、その視線に図らずも胸が熱くなってしまう。
他愛もない話をするだけなのに幸福で心が満たされ、ヘルマンはまるで恋人同士であるような錯覚に陥り、クリスを抱き締めたくなった。
今だけ、この時間だけでいい、夢を見たい。彼女の恋人であるという夢を――
艶やかな心地よい声、吸い付くような肌の柔らかさ、そして姿形だけでなくその心根までもが美しい。
彼女の記憶が戻らないよう、少しでも長くこの時間が続く事を願わずにはいられない。
「先触れもなしにいきなり尋ねてくるなんて、君はいい度胸をしているねえ」
「お褒めの言葉として受け取っておきましょう」
(――確か港でも言ったな)ちらりと思い出したがすぐに頭を切り替える。
「貴国の傭兵部隊、今用意できるだけの全てを、この場で雇い入れたい――!」
しんと静まり返った応接室でメルセナリオの国王に向かってグリフィスの言葉が響き渡った。
「クリス~、おはよう!」
「おはようジェラルド」
腕に抱き上げてほっぺたにチュッとすると、嬉しそうに身を縮める。ジェラルドは本当に可愛い。目の中に入れても痛くないとはこのことだ。
「ねえ、今日は何をする?」
「そうね、お庭に出てみない? 昨日野うさぎがいるのを見掛けたの」
「えっ、ホントに!? 行くよ! 僕行く!」
目を丸くしたジェラルドに手を引かれながら、クリスがクスクスと笑いを零す。
アレクサンダーは執務室の窓辺に立ち、外を眺めながら口を開いた。傍らにはダリウスが控えている。
「各地に散らばっている騎士や兵士の招集具合はどうだ?」
「近くの町や村を警備していた者達は集まってきておりますが、後は何とも言えません。クロノスは領土が広すぎるので、召集に時間が掛かるといったところが現状です」
「そうか……」
「グリフィス王子はクリス様を取り返しに攻め込んでくるでしょうか?」
「アクエリオスの兵力など、微々たる物だ。恐れるに足らん。ただクリスの祖国に助けを求めて、兵を出されたら厄介だ」
「出すでしょうか?」
「それこそ何とも言えんな。ヘルマプロディトスの国王は実利を取る人物だと聞いている。婚約者より、クロノスのほうが有益だと考えるかもしれない」
「先程から何をご覧になっているのですか?」
横からダリウスが覗き込むと、クリスとジェラルドが手を繋いで散歩をしていた。
「なるほど、心癒される光景ですな」
「ああ……だが少し気に食わないところもある」
「と、申しますと……」
「俺よりジェラルドのほうがいいようだ」
ぷっとダリウスが吹き出した。
「そこがクリス様のいいところではありませんか。それに記憶を失くす前からそうであった訳でありますし」
「つまらん事を思い出させる奴だ」
「申し訳ありません。それでは良いお話を……城の者達もすっかり彼女に魅了されて、早く王妃として迎え入れたいそうです」
「それは確かに‥」
部屋にノックの音がする。
「入れ」
「失礼いたします」
「エリーゼ、メラニーどうした? 珍しいな。こんな時間に執務室を尋ねてくるとは」
二人共見るからに思い詰めた顔をしていて、エリーゼがメラニーを促した。メラニーは思い切って顔を上げる。
「あ、あの・・・クリス様のお世話をしておりまして、その、お身体に少し変化が……」
「変化・・・?」
「はい。あの、最初は目立たなかったので、気付かなかったんですけど……だ、男性の陰茎が身体に……」
「一体何を言っている……?」
「で、ですから、凄い小さいんですけど陰茎が、それもほんの少しずつ大きくなってきているのです! お、お胸も! 最初よりやはり少し小さくなられました!」
「まさか……」
「私も自分1人では自信が持てなくて、夕べの入浴と、今朝の着替えの手伝いをエリーゼさんにお願いしたんです」
「実は私も半信半疑でしたが……メラニーの言う通りでした。ご本人の様子を窺っていたのですが、その身体に慣れていらっしゃるようで、特に疑問をお持ちになってはいないようです」
アレクサンダーが驚きで口を押さえこむと、ダリウスが口を挟んだ。
「一時期、そんな噂が流れた事があります。ヘルマプロディトスの王族ではふたなりが生まれるてくると――」
「クリスもそうなのか……? 確かにある程度の年齢まで性別をはっきりさせないなんて、おかしいとは思っていたが……」
そこでアレクサンダーはエリーゼとメラニーの存在を思い出した。
「二人共、今の話は他言無用だ。もう下がっていい、報告ご苦労だった」
「はい」
頭を下げると二人は退室をし、それを見届けてからダリウスが口を開く。
「ふたなりは惚れた相手に左右されるという話を聞いたことがあります。多分、男性ホルモンや女性ホルモンの分泌が関係しているのではないでしょうか? グリフィス王子に恋をして殆ど女性化していたが、今は記憶も失って、覚えがない婚約者も現れて、身体が自己防衛で男性化しているのでは?」
アレクサンダーが黙り込み、思案した後にダリウスに告げた。
「今宵はクリスの部屋へ行く。エリーゼ達に伝えてくれ」
ダリウスが顔色を変える。
「アレクサンダー様……」
「ダリウス、何も言うな。女性ホルモンを活性化させるのに必要なことだ」
「……かしこまりました」
あの銀灰色の瞳に深く囚われて……もう手放すことなどできはしない――
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