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後日談
22 一緒に寝るのは危険だ #
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「あの野郎……」
「どうした?――っと、」
文書と手紙が放って寄こされ、落ちる寸前でデイヴィッドがキャッチする。
アーネストとレオナルドと三人で、顔を寄せ合わせて読み始めた。
敬愛なるグリフィス殿下
私共の船にクロノスのアレクサンダー国王が乗船しております。
部下に探らせたところ、ご子息のジェラルド王子が『クリスに会うの楽しみー!』と嬉しそうにはしゃいでいる模様……。
ご予定はおありでしょうか?
「え、お前さ、クリスを攫った上に、手を出そうとしたアレクサンダーの来訪を許したの?」
「俺が許すと思うか?」
「こちらの手紙は……と、アレクサンダーからクリス様宛の手紙ではありませぬか。船長、途中でくすねましたな」
三人は顔をくっけてまた読み始める。
愛しいクリス
この手紙が君の手元に届くのと、我々が君の元を訪れるのと、どちらが先になるだろう……。
いま、アクエリオスに向かう船の中で、私は君へのこの手紙をしたためている。
到着予定は〇月〇日だ。
クリス……愛しい君に、たってのお願いがある。
アクエリオス滞在中、城での宿泊を許してはくれないだろうか。
ジェラルドは君に会えない辛さや、悲しみから、小さな胸を痛めて、全く笑わなくなってしまった。
グリフィス王子もジェラルドのこの状態を知ったなら、心の広い彼の事だ。きっと許可してくれるだろう。
”クリスに会いに行く”と伝えてからのジェラルドは、喜びに満ち溢れ、今では以前の明るさを取り戻している。
もちろんジェラルドだけでなく、私も君に会えるのが心から楽しみだ
君のアレクサンダーより永遠の愛をこめて
「お前、よくこれ破かなかったな」
「びりびりに引き裂いてやりたいが、証拠として残さないといけないからな」
使者がグリフィスに指示を仰いだ。
「グリフィス様からご指示を賜るよう、船長に言付かっております」
「乗ってきた船でそのまま送り返すように」
そこにノックの音がして、バアンッと勢いよく扉が開きクリスが入ってきた。
「グリフィス、これを見て!」
「どうした?」
嬉しそうなクリスに、胸がざわめくグリフィス。
「ジェラルドから手紙がきたの! 私に会いたくて堪らないのですって! 今日の船で着くらしいの……お城に泊めてあげてもいいでしょう?」
船長もアレクサンダーの手紙には目が行ったが、子供の手紙までは気づかなかったようだ。いや、たとえ気づいたとしても、クリスの似顔絵が書いてある封筒を、くすねる気にはなれなかっただろう。
「アレクサンダーめ……こうなるのを見越していたな」
「ねぇ、いいでしょう?」
可愛くて純真で、天使のようなジェラルドは、クリスのお気に入りである。
「アレクサンダーは息子をだしにしている。却下だ」
「グリフィスお願い、ジェラルドの手紙を読んであげて……!」
しぶしぶ目を通すと、確かにジェラルドの手紙は可愛かった。
クリスあいたい、さびしい。お父さまにあわせてくれるよう毎日おねがいした。やった! お父さまが、つれて行ってくれるって! もうすぐあえるよ! もうすぐだよ! ……と、今まで書き溜めていた手紙が、封筒にぎっしりと詰まっている。クリスに会いたい気持ちを切々と、拙い文字で書き綴っているのが涙を誘った。
最後に、”よるはいっしょにねてほしい”とも……書いてあった……。
「却下だ」
「なぜ!?」
「一緒に寝るのは危険だ」
「寝るのはアレクサンダーじゃなくて、ジェラルドとよ?」
「あいつのことだ。ジェラルドをだしにして、ベッドに潜り込んでくるに違いない」
「貴方がいるもの、大丈夫よ」
「クリス。今日で二週間なんだぞ」
「………何が」←忘れてる
そして、クリスに弱いグリフィスは根負けをし、アレクサンダー親子を滞在させる。クリスとジェラルドは幸せな時を過ごし、グリフィスとアレクサンダーは表面上は和やかに、水面下では激しい攻防戦を繰り広げたのであった。
その後も晩年に至るまで、アレクサンダーはクリスをしつこく狙ったが、グリフィスはいつも勝利したという……
おしまい
おまけ
アレクサンダー親子が城でお泊りの晩、クリスとグリフィスが寝室にて
「クリス。ジェラルドが可愛いのは分かる。しかし君の子ではないのだし、ここはグッと我慢をして――」
「なぜ? 私を母のように慕っているのよ。ねぇ、お願い。一緒に寝てもいいでしょう?」
「そうだ! お前はジェラルドが可哀そうだと思わないのか!?」
「なぜお前(アレクサンダー)が枕を持ってここにいる!?」
クリスとジェラルドは幸せそうにくっついて寝て、グリフィスとアレクサンダーは激しい戦いを繰り広げ、結果クリスに寝室から追い出される羽目になった。
拙いお話を最後までお読み頂きありがとうございました
「どうした?――っと、」
文書と手紙が放って寄こされ、落ちる寸前でデイヴィッドがキャッチする。
アーネストとレオナルドと三人で、顔を寄せ合わせて読み始めた。
敬愛なるグリフィス殿下
私共の船にクロノスのアレクサンダー国王が乗船しております。
部下に探らせたところ、ご子息のジェラルド王子が『クリスに会うの楽しみー!』と嬉しそうにはしゃいでいる模様……。
ご予定はおありでしょうか?
「え、お前さ、クリスを攫った上に、手を出そうとしたアレクサンダーの来訪を許したの?」
「俺が許すと思うか?」
「こちらの手紙は……と、アレクサンダーからクリス様宛の手紙ではありませぬか。船長、途中でくすねましたな」
三人は顔をくっけてまた読み始める。
愛しいクリス
この手紙が君の手元に届くのと、我々が君の元を訪れるのと、どちらが先になるだろう……。
いま、アクエリオスに向かう船の中で、私は君へのこの手紙をしたためている。
到着予定は〇月〇日だ。
クリス……愛しい君に、たってのお願いがある。
アクエリオス滞在中、城での宿泊を許してはくれないだろうか。
ジェラルドは君に会えない辛さや、悲しみから、小さな胸を痛めて、全く笑わなくなってしまった。
グリフィス王子もジェラルドのこの状態を知ったなら、心の広い彼の事だ。きっと許可してくれるだろう。
”クリスに会いに行く”と伝えてからのジェラルドは、喜びに満ち溢れ、今では以前の明るさを取り戻している。
もちろんジェラルドだけでなく、私も君に会えるのが心から楽しみだ
君のアレクサンダーより永遠の愛をこめて
「お前、よくこれ破かなかったな」
「びりびりに引き裂いてやりたいが、証拠として残さないといけないからな」
使者がグリフィスに指示を仰いだ。
「グリフィス様からご指示を賜るよう、船長に言付かっております」
「乗ってきた船でそのまま送り返すように」
そこにノックの音がして、バアンッと勢いよく扉が開きクリスが入ってきた。
「グリフィス、これを見て!」
「どうした?」
嬉しそうなクリスに、胸がざわめくグリフィス。
「ジェラルドから手紙がきたの! 私に会いたくて堪らないのですって! 今日の船で着くらしいの……お城に泊めてあげてもいいでしょう?」
船長もアレクサンダーの手紙には目が行ったが、子供の手紙までは気づかなかったようだ。いや、たとえ気づいたとしても、クリスの似顔絵が書いてある封筒を、くすねる気にはなれなかっただろう。
「アレクサンダーめ……こうなるのを見越していたな」
「ねぇ、いいでしょう?」
可愛くて純真で、天使のようなジェラルドは、クリスのお気に入りである。
「アレクサンダーは息子をだしにしている。却下だ」
「グリフィスお願い、ジェラルドの手紙を読んであげて……!」
しぶしぶ目を通すと、確かにジェラルドの手紙は可愛かった。
クリスあいたい、さびしい。お父さまにあわせてくれるよう毎日おねがいした。やった! お父さまが、つれて行ってくれるって! もうすぐあえるよ! もうすぐだよ! ……と、今まで書き溜めていた手紙が、封筒にぎっしりと詰まっている。クリスに会いたい気持ちを切々と、拙い文字で書き綴っているのが涙を誘った。
最後に、”よるはいっしょにねてほしい”とも……書いてあった……。
「却下だ」
「なぜ!?」
「一緒に寝るのは危険だ」
「寝るのはアレクサンダーじゃなくて、ジェラルドとよ?」
「あいつのことだ。ジェラルドをだしにして、ベッドに潜り込んでくるに違いない」
「貴方がいるもの、大丈夫よ」
「クリス。今日で二週間なんだぞ」
「………何が」←忘れてる
そして、クリスに弱いグリフィスは根負けをし、アレクサンダー親子を滞在させる。クリスとジェラルドは幸せな時を過ごし、グリフィスとアレクサンダーは表面上は和やかに、水面下では激しい攻防戦を繰り広げたのであった。
その後も晩年に至るまで、アレクサンダーはクリスをしつこく狙ったが、グリフィスはいつも勝利したという……
おしまい
おまけ
アレクサンダー親子が城でお泊りの晩、クリスとグリフィスが寝室にて
「クリス。ジェラルドが可愛いのは分かる。しかし君の子ではないのだし、ここはグッと我慢をして――」
「なぜ? 私を母のように慕っているのよ。ねぇ、お願い。一緒に寝てもいいでしょう?」
「そうだ! お前はジェラルドが可哀そうだと思わないのか!?」
「なぜお前(アレクサンダー)が枕を持ってここにいる!?」
クリスとジェラルドは幸せそうにくっついて寝て、グリフィスとアレクサンダーは激しい戦いを繰り広げ、結果クリスに寝室から追い出される羽目になった。
拙いお話を最後までお読み頂きありがとうございました
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あっちもこっちも面白かった!!
懐かしの二人も良かったあ((o(^∇^)o))
完結お疲れ様でした!!
ゆきちゃん様
あっちもこっちも面白いと言って頂いて嬉しいです。
ありがとうございます(#^^#)
思ったのですが、ゆきちゃん様は”どちらの話のほうが好き”とか、ありますでしょうか?
私は、どちらもそれぞれ好きなのですが、ムーンの病んでるグリフィスが、好きというか、書いてて楽しかったです。うん、ヤンデレ好きかもしれません。 ^m^
懐かしのアレクサンダーとジェラルドも良かったでしょうか? 本当に、懐かしいですよね。
ゆきちゃん様 コメントを頂いて、投稿の力になりました。ありがとうございます!
労いの言葉も、ありがとうございました(#^^#)
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本当だ! 簡単に作れそうで、また河原さんも美味しそうに食べるから、益々作りたくなってしまう。
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魚肉ソーセージのおにぎりと、トンテキと、ピリ辛きゅうり中華風と……早速作ってみます!(^^)!
chii様が入れて下さったコメントに励まされて、最後まで投稿することができました。
ありがとうございました。*゚。+(n´v`n)+。゚*