解放

かひけつ

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第3章 ~よう

問答無②

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☆sideシン
リンは『最強ザ・ワン』と交戦中だ。

 〔…よし、よし、よしよしよし……!!〕

この階到着時にお見舞いされる程度なら造作ないらしく、オレは積極的ではないが『人間的合理性スマート』を遠くに逃がしているから、完璧なスタート。

 <の…はずなのに……>

正直、不気味でならなかった。先に数百の世界線を確認したが、ここまで長く生存できた試しがなかったからだ。

 <なめられている……?>

それでもいい。どういう条件で舐めプモードになるかは分からないが、このパターンがあるということが僥倖救い……ッ!!

 まただ!

リンは臓器を痛める。軽く確認すると、胃であることが発覚する。

 「……」

 〔……〕

見ているだけで痛々しい…が、それでも、リンは後退することなく、前に進む。

 あ、突っ込んだ…!!

 「バーーーカか!お前」

 〔リン!!〕

『ザ・ワン』は容赦なく腹を蹴る。体格差もあってボールのように吹き飛ぶ。

ザッザッザッ…

今は人間的なカタチに収まっているが、『ザ・ワン』は化け物だ。状況がかなりマズい…。

 「なぁ神様よぉ!!何度目だぁ~~~~?」

 <コイツ……!!>

 「……」

 「どうせタイムリープとか、パラレルワールドとか、未来視とか……使ってるんだろぉ?」

大丈夫。まだ推理段階。確信は得ていない。まだ、タネはバレてない。

 「…はぁ、全部だろ?」

 <は???………大丈夫。ハッタリだ。カマかけただけ…>

 「言う気がねーことくらい分かってる。でも、どの世界線の俺も、それくらい想定するし、隙なんかねーぞ?」

 〔………〕

リンを信じよう。まだ、逆転の芽は……。

 「驚いた。まだ、勝つ気なんだ」

 <いい加減にしてくれ……>

心を読んだとでも言うのか??ホントか嘘かハッキリしてくれ……

 「他の世界線で見たろ?勝ち筋なんてとっくに…ないってさ」

ド サ ア ア ..ビチャアア........ポタタ....

 「やぁ、ハジメまして?」

 〔は????〕

リンが倒れた。リンの体内から生えたのだ。アピスが!!??

 「そんな驚くことじゃないだろ~。俺の細胞が入れば、そういうこともできるだろ」

 「実力で勝てないし、不意打ちや技術面でも通用するものがない、外に時限爆弾もあるし、何重にも人質だっている……どこに勝算を覚えたんだよ?」

ブハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ

目の前にいた2人のアピスだけじゃなく、床や壁にも口が現れ共鳴する。反対に、リンの心拍が徐々に弱まり、停止する。蘇生不可…完全なる死だ……。



生存時間が比較的長くて…コレだ。即死が頻発しながらも、確実にトラウマにさせようと殺し方は無駄に多彩だ。リンだけじゃない。人質を何人も使ってくる。『パーフェクトボディー』の『霊体』や廃人となった『オリジナル始祖』を出したかと思うと、ルピカのオリジナルや一般人。メハの姿に変わったりと、兎に角、あくどい。

 〔終わってる……〕

無理して数百の世界線を視たせいで『』が薄まるのを感じる。

 でも、これは大した代償とは言えない

数百の世界線を確認するオレを3人でも視れば1万は行くだろう。【観測】するオレを【未来視観測】して、そのオレを【未来視観測】することだってできる。だから、確認した世界線より圧倒的に少ない代償で済むからバグ技なんだ。だが、

 〔こんな抜け道を持ってしても…もしかしたら……〕

何人ものリンを犠牲にした。それだけじゃない。その世界から希望を奪い去ったのだ。何万、何億もの世界線を見捨てることになる。どの世界も…本物で、かけがえのないものだった……。

 〔神失格だろ……〕

感傷的になっても解決しないので、話を戻す。

 バグ技と言っても完璧じゃない

伝達方法がアナログとなる。何と言っても、感覚から世界線まで追体験していたら本体がバグる。簡潔にまとめたメッセージを作り、この世界もダメだったと報告する。
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