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131. 溺れたい
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あー、勿体ない。こんなに気持ちよくなる準備万端なのに。
ジェドは自分の頭の中が今や9割煩悩なのを自覚している。
もう溺れたい、今溺れたい。
・・・けど、やっぱりこのままは、駄目な気がする?
本当に、ミケは、ひっきりなしに舐めまわしておきたくなるほど素直なカラダをしている。
嫌なこと聞かれたりして警戒が入ると、ふにゃふにゃが一瞬で凍り付いたり干上がったりする感じ。
ミケが黙り込むネタは、大抵決まっている。
両親に煽られた、激しい自虐と、ゆるやかな自殺。
壮絶な半生を、後払いするかのような死にたがり。
俺との未来を望むことが、苦痛に感じる程の不信。
そんなところだ。
隠そうとしてくれては、いる。が、未だに死にたがりのことぐらい、みればわかるし、不信を持たれるようなひどい行動をした自覚もある。
ミケが徐々に死んでいこうとするのを、どうしてやることもできずに、茫洋と立ちすくんでいたパチドの記憶があるせいで、ミケが現実を手放したい誘惑に駆られている気配に、とても敏くなってしまった。
死にたがりにも不信にも、ミケがそう思う理由はあるし、むしろトラウマ化していないほうがおかしいくらいだ。親も、ミケを害した大人も、俺も、やらかし過ぎているから。
それでも、最近の悪化スピードは、いくら何でも、不自然だ。
当のミケが、まったく不自然だと思っていないのがさらに怖い。
あまりに激烈な、不安定のパニックで、自分の二の腕にざっくり傷が開くまで爪をたてて、ベランダの隅に体を押し付けてうめき声を殺さなければならない発作が起こってすら、よくあることだと気に留めない、だと?
もう、ここまでくると、外部からの精神操作を疑わざるを得ない。どう考えても『敵』がいる。
だが、あの魔素の海にまもられたミケを、どうやったら精神操作できる?ムーガルにもフェルニアにもそんな傑物はおもいあたらない。
ミケが、自覚していることならば。なだめて、おどして、すかして、まぜっかえして。時間をかければ、吐かせることはできると思う。が、本人がわかっていないものを吐かせられるはずがない。
でももうこれは、様子見なんていうレベルの話ではない。
ルードが抱え、微量ずつ昇華している途中の黒の魔素に、ねぼけ半分で、無造作にアクセスしようとした。ありえない。あんなひどい不安定の発作の直後に、黒い魔素を取り込もうとするなんて、自分から乗っ取られに行くようなものだ。
得体のしれない何かが、ミケを攫って行こうとしている。居ても立っても居られない。
それなのに、ミケ本人は、発作が明けると、すっかり普段通りのつもりのようだった。
だからって、ピクニックとひきかえに、俺にいじり倒される気満々、ってどうなのだ。
彼女は、俺に何度も、怒っているかと聞く。怒らないでくれ、捨てないでくれ。俺が恐ろしくなるほどに、それが起こりうると信じている。
はじめは、俺がミケに嫌われたくないのと、同じかと思った。正直産まれてから一度もミケに嫌われたことはない、と思う。それでも、嫌われるのが怖い。そんな感じなのかと。
でも、ミケの方は、何か違うようだ。まるで過去に体験したかのよう。
俺は、ミケにそこまで怒った記憶が、ない。
もちろん毎度、びっくりな残念思考を全開にするし、行動がぶっ飛んでいるから、しょっちゅう怒鳴っていた気は、する。でも、それは、怒りに任せて怒鳴りつける、というよりも、ただの大声の仲間で。慌てて出しているだけの時がほとんどだ。
シロアリの菌園を移植しようとして小屋を傾けた時だって、降りられない木に登った時だって、アドリスが持てなくなった魔剣を素手でひっつかんだ時だって、バカたれ、あほたれと喚いたが、ミケはどこ吹く風だった。
たぶん、あそこら辺は、彼女の中では、怒るにカウントされていない。
俺がいつ怒ったよと聞けば、ミケはとりあえず、魔の森が攻撃されて、俺がバラバラになった日をあげる。
はじめて怒鳴られた?
うそをつけ、うそを。怒鳴るだけならしょっちゅうだった。爆風と爆音を背景に、お互いパニックな俺とミケが話していて、小声な方がおかしいし、両脚焼き落とそうとかされれば普通喚く。そんな生理現象が恐怖か?
これが、パチドだった時の虐待とか、ルードが混ざった時の俺の暴力とかのせいならば、わかるし、俺は正直、そのせいだと、思っていた。
でも、違う、みたいなのだ。
ピクニックなんぞと引換えに、ひとのまな板の上にどどーんと乗ってくるから。おそるおそる、試してみる。パチドのやらかしを思い出させるような拘束とか、ルードがやらかした強姦もどきを思い出させるような自分勝手とかを、ほんとうに、おそるおそる。
ミケは、驚くほど、揺れなかったし、おびえなかった。
むしろ織り交ぜた快感の方を拾って、たまらない愛らしさで感じてくれる。
これはおかしい。それなら、なぜ、そんなに俺が怯えられなきゃならない?
暗示か?例えば、俺が何でもかんでも怒ると思い込んで、俺が怒られたくないからと、自分が弱る原因を隠す。そんな暗示がかけられれば、俺とミケの間の連携はガタガタになっていく。
そんな風に、いくつかの仮設をたてて、選択肢を排除したり、当たりをつけたりした時には、もう、俺が限界。えーと、即物的な欲求のほうが。
シェドにはシェドの欲があるわけで。なんで、このひとは、こんなに可愛いままでエロ大爆発ができるのでしょうか。王城の主砲より強力かと。
つらい事ばかり思い出すだろう拘束された状態で、怪しげな小道具でいたずらされて甘く喘ぐ。
舐められただけでぎゅいぎゅい蜜を滴らせて、拘束の許す限り反りかえり、足を開いて、全身で求めてくれる。
ごめんなさい。俺がショック死するといけないのでちょっと挿れさせてください、ってなった。
抱きしめて、キスをして、気持ちのいいところに触れて、ってしている間のミケの目は、もう世界が俺だけになった感じで。それを見ていると、俺なんかをなんでこんなに求めてくれるんだろうって泣きそうになる。
シェドと呼んでくれる声は欲情をこねくり回すし、ミケの体は、どこまでも迎え入れてくれそうなほど吸い付いてくるし、もう、気持ちが良すぎて、頭も体も心も全部吸い出されそう。
も、俺はこんな状態で、ミケの無意識への尋問、やるわけか?
どMか?病気か?老人か?!って自分で自分につっこみたくなる。
本気でやりたくないぞ。マジに本能が悲鳴を上げる。
それでも、待てない、よな。どうやっても今ミケに起きている不自然な精神操作の中身を突き止めないと。正体不明の何かなんぞに、このミケを攫われる訳にはいかない。
だから、欲情まみれで、全裸で革手錠つけたミケを前にして、もう、本当に細胞一個も残さずミケの体に溺れたがって騒ぐ自分に、なんとか『待て』。
ミケが俺に隠すこと、意識に上らせないようにしていること、心がおさえ込んでいること。
そんなモノの中に、『敵』の仕掛けはある。ミケの不安定を広げ、自虐を激化させ、孤立を深め、俺の目をかすめて。ミケを緩やかな自殺に向けて攫っていこうとする、それ。
ミケがわざわざ意識に上らせないようにしていることなんて、つらい思い出に決まっていて、そんな中を、加害側の俺が荒らしまわっていいはずがないのだけれど。それでも、無理してでも暴かないと、ミケを獲られて、俺が死ぬ。
嫌われるかも、とか、荒らすだけで成果なく悪化させたら、とか、最悪俺の理性、瓦解しないか?とか。やめたい理由もやりたくない理由も目白押しだ。
それでも、腹が立つことに、今は、比較的勝算が高いときで。
ミケの心も体もめちゃくちゃ俺に向いて過敏になっていて、警戒感全放棄して、しかも、何されてもいいよ感が、半端ない。鼻血吹きそう・・・じゃなかった。多分、かなり反応がわかりやすくて、試せることも多い。
そもそもが、おかしいのだけれど。ミケの頭だと、愛のある男女関係=ヤギさん、が基本。4回乗っかれば欲は消えて当然とか、何のお祓いかと聞きたくなる。
ミケに嫌がられずにエッチ完遂したくて、妄想で湯気吹きそうな俺に向かって、まじめに現在進行形の夜の倦怠期を心配するとか。
で、ミケ的には、夜の倦怠期打破の秘訣は、ロイ直伝の揺れ幅説で、簡単に言えば、ギャップの利用。
大事にされて幸せなエッチ、って言うのが本命だから、それとギャップがある対極を設けて、それとの間を、心が行ったり来たりすると倦怠しない、ということらしい。
『背徳、禁忌とかは、思いつかないなぁ、でも、寂しい、は絶対だめだから、ちょっとくらいの、痛いとか、怖いとかはありで』と危ないことを言う。
パチドには優しさばかり強請っていたのに、余裕が出たものです。ま、俺は、未だに、10歳児のミケとか頭にぽんと思い出して煩悶するときがあるから、背徳も禁忌も想像上はいけるけどな!・・・だめだ。思考がそれまくる。
要するに、程度はあれど、大事にされて幸せなエッチ、に対極な、痛い、苦しい、哀しい、に俺が踏み込もうが、ミケは門前払いしないよ、という状態になっている、ということで。
どう考えたって、ミケは正気じゃない時に、頭の中に何かを仕込まれたのだ。
そうなると、正気じゃない状態のミケに出来る『隙』を探して、何がどう仕込まれたのか探るしかない。当然、正気じゃないミケが要る。
だから、正気じゃなくなってくれる気がある今は貴重。
俺が全部を解かなくたって。ミケが、自分の頭の中触られていると気付いてくれれば何とでもなる。
そんな訳で、ミケを獲られたくないなら、今やらやんなきゃなぁ、なのだった。
絶対に、渡せない。そのくせ、なるべく傷つかないでくれと、ひたすらに、祈る。
ジェドは自分の頭の中が今や9割煩悩なのを自覚している。
もう溺れたい、今溺れたい。
・・・けど、やっぱりこのままは、駄目な気がする?
本当に、ミケは、ひっきりなしに舐めまわしておきたくなるほど素直なカラダをしている。
嫌なこと聞かれたりして警戒が入ると、ふにゃふにゃが一瞬で凍り付いたり干上がったりする感じ。
ミケが黙り込むネタは、大抵決まっている。
両親に煽られた、激しい自虐と、ゆるやかな自殺。
壮絶な半生を、後払いするかのような死にたがり。
俺との未来を望むことが、苦痛に感じる程の不信。
そんなところだ。
隠そうとしてくれては、いる。が、未だに死にたがりのことぐらい、みればわかるし、不信を持たれるようなひどい行動をした自覚もある。
ミケが徐々に死んでいこうとするのを、どうしてやることもできずに、茫洋と立ちすくんでいたパチドの記憶があるせいで、ミケが現実を手放したい誘惑に駆られている気配に、とても敏くなってしまった。
死にたがりにも不信にも、ミケがそう思う理由はあるし、むしろトラウマ化していないほうがおかしいくらいだ。親も、ミケを害した大人も、俺も、やらかし過ぎているから。
それでも、最近の悪化スピードは、いくら何でも、不自然だ。
当のミケが、まったく不自然だと思っていないのがさらに怖い。
あまりに激烈な、不安定のパニックで、自分の二の腕にざっくり傷が開くまで爪をたてて、ベランダの隅に体を押し付けてうめき声を殺さなければならない発作が起こってすら、よくあることだと気に留めない、だと?
もう、ここまでくると、外部からの精神操作を疑わざるを得ない。どう考えても『敵』がいる。
だが、あの魔素の海にまもられたミケを、どうやったら精神操作できる?ムーガルにもフェルニアにもそんな傑物はおもいあたらない。
ミケが、自覚していることならば。なだめて、おどして、すかして、まぜっかえして。時間をかければ、吐かせることはできると思う。が、本人がわかっていないものを吐かせられるはずがない。
でももうこれは、様子見なんていうレベルの話ではない。
ルードが抱え、微量ずつ昇華している途中の黒の魔素に、ねぼけ半分で、無造作にアクセスしようとした。ありえない。あんなひどい不安定の発作の直後に、黒い魔素を取り込もうとするなんて、自分から乗っ取られに行くようなものだ。
得体のしれない何かが、ミケを攫って行こうとしている。居ても立っても居られない。
それなのに、ミケ本人は、発作が明けると、すっかり普段通りのつもりのようだった。
だからって、ピクニックとひきかえに、俺にいじり倒される気満々、ってどうなのだ。
彼女は、俺に何度も、怒っているかと聞く。怒らないでくれ、捨てないでくれ。俺が恐ろしくなるほどに、それが起こりうると信じている。
はじめは、俺がミケに嫌われたくないのと、同じかと思った。正直産まれてから一度もミケに嫌われたことはない、と思う。それでも、嫌われるのが怖い。そんな感じなのかと。
でも、ミケの方は、何か違うようだ。まるで過去に体験したかのよう。
俺は、ミケにそこまで怒った記憶が、ない。
もちろん毎度、びっくりな残念思考を全開にするし、行動がぶっ飛んでいるから、しょっちゅう怒鳴っていた気は、する。でも、それは、怒りに任せて怒鳴りつける、というよりも、ただの大声の仲間で。慌てて出しているだけの時がほとんどだ。
シロアリの菌園を移植しようとして小屋を傾けた時だって、降りられない木に登った時だって、アドリスが持てなくなった魔剣を素手でひっつかんだ時だって、バカたれ、あほたれと喚いたが、ミケはどこ吹く風だった。
たぶん、あそこら辺は、彼女の中では、怒るにカウントされていない。
俺がいつ怒ったよと聞けば、ミケはとりあえず、魔の森が攻撃されて、俺がバラバラになった日をあげる。
はじめて怒鳴られた?
うそをつけ、うそを。怒鳴るだけならしょっちゅうだった。爆風と爆音を背景に、お互いパニックな俺とミケが話していて、小声な方がおかしいし、両脚焼き落とそうとかされれば普通喚く。そんな生理現象が恐怖か?
これが、パチドだった時の虐待とか、ルードが混ざった時の俺の暴力とかのせいならば、わかるし、俺は正直、そのせいだと、思っていた。
でも、違う、みたいなのだ。
ピクニックなんぞと引換えに、ひとのまな板の上にどどーんと乗ってくるから。おそるおそる、試してみる。パチドのやらかしを思い出させるような拘束とか、ルードがやらかした強姦もどきを思い出させるような自分勝手とかを、ほんとうに、おそるおそる。
ミケは、驚くほど、揺れなかったし、おびえなかった。
むしろ織り交ぜた快感の方を拾って、たまらない愛らしさで感じてくれる。
これはおかしい。それなら、なぜ、そんなに俺が怯えられなきゃならない?
暗示か?例えば、俺が何でもかんでも怒ると思い込んで、俺が怒られたくないからと、自分が弱る原因を隠す。そんな暗示がかけられれば、俺とミケの間の連携はガタガタになっていく。
そんな風に、いくつかの仮設をたてて、選択肢を排除したり、当たりをつけたりした時には、もう、俺が限界。えーと、即物的な欲求のほうが。
シェドにはシェドの欲があるわけで。なんで、このひとは、こんなに可愛いままでエロ大爆発ができるのでしょうか。王城の主砲より強力かと。
つらい事ばかり思い出すだろう拘束された状態で、怪しげな小道具でいたずらされて甘く喘ぐ。
舐められただけでぎゅいぎゅい蜜を滴らせて、拘束の許す限り反りかえり、足を開いて、全身で求めてくれる。
ごめんなさい。俺がショック死するといけないのでちょっと挿れさせてください、ってなった。
抱きしめて、キスをして、気持ちのいいところに触れて、ってしている間のミケの目は、もう世界が俺だけになった感じで。それを見ていると、俺なんかをなんでこんなに求めてくれるんだろうって泣きそうになる。
シェドと呼んでくれる声は欲情をこねくり回すし、ミケの体は、どこまでも迎え入れてくれそうなほど吸い付いてくるし、もう、気持ちが良すぎて、頭も体も心も全部吸い出されそう。
も、俺はこんな状態で、ミケの無意識への尋問、やるわけか?
どMか?病気か?老人か?!って自分で自分につっこみたくなる。
本気でやりたくないぞ。マジに本能が悲鳴を上げる。
それでも、待てない、よな。どうやっても今ミケに起きている不自然な精神操作の中身を突き止めないと。正体不明の何かなんぞに、このミケを攫われる訳にはいかない。
だから、欲情まみれで、全裸で革手錠つけたミケを前にして、もう、本当に細胞一個も残さずミケの体に溺れたがって騒ぐ自分に、なんとか『待て』。
ミケが俺に隠すこと、意識に上らせないようにしていること、心がおさえ込んでいること。
そんなモノの中に、『敵』の仕掛けはある。ミケの不安定を広げ、自虐を激化させ、孤立を深め、俺の目をかすめて。ミケを緩やかな自殺に向けて攫っていこうとする、それ。
ミケがわざわざ意識に上らせないようにしていることなんて、つらい思い出に決まっていて、そんな中を、加害側の俺が荒らしまわっていいはずがないのだけれど。それでも、無理してでも暴かないと、ミケを獲られて、俺が死ぬ。
嫌われるかも、とか、荒らすだけで成果なく悪化させたら、とか、最悪俺の理性、瓦解しないか?とか。やめたい理由もやりたくない理由も目白押しだ。
それでも、腹が立つことに、今は、比較的勝算が高いときで。
ミケの心も体もめちゃくちゃ俺に向いて過敏になっていて、警戒感全放棄して、しかも、何されてもいいよ感が、半端ない。鼻血吹きそう・・・じゃなかった。多分、かなり反応がわかりやすくて、試せることも多い。
そもそもが、おかしいのだけれど。ミケの頭だと、愛のある男女関係=ヤギさん、が基本。4回乗っかれば欲は消えて当然とか、何のお祓いかと聞きたくなる。
ミケに嫌がられずにエッチ完遂したくて、妄想で湯気吹きそうな俺に向かって、まじめに現在進行形の夜の倦怠期を心配するとか。
で、ミケ的には、夜の倦怠期打破の秘訣は、ロイ直伝の揺れ幅説で、簡単に言えば、ギャップの利用。
大事にされて幸せなエッチ、って言うのが本命だから、それとギャップがある対極を設けて、それとの間を、心が行ったり来たりすると倦怠しない、ということらしい。
『背徳、禁忌とかは、思いつかないなぁ、でも、寂しい、は絶対だめだから、ちょっとくらいの、痛いとか、怖いとかはありで』と危ないことを言う。
パチドには優しさばかり強請っていたのに、余裕が出たものです。ま、俺は、未だに、10歳児のミケとか頭にぽんと思い出して煩悶するときがあるから、背徳も禁忌も想像上はいけるけどな!・・・だめだ。思考がそれまくる。
要するに、程度はあれど、大事にされて幸せなエッチ、に対極な、痛い、苦しい、哀しい、に俺が踏み込もうが、ミケは門前払いしないよ、という状態になっている、ということで。
どう考えたって、ミケは正気じゃない時に、頭の中に何かを仕込まれたのだ。
そうなると、正気じゃない状態のミケに出来る『隙』を探して、何がどう仕込まれたのか探るしかない。当然、正気じゃないミケが要る。
だから、正気じゃなくなってくれる気がある今は貴重。
俺が全部を解かなくたって。ミケが、自分の頭の中触られていると気付いてくれれば何とでもなる。
そんな訳で、ミケを獲られたくないなら、今やらやんなきゃなぁ、なのだった。
絶対に、渡せない。そのくせ、なるべく傷つかないでくれと、ひたすらに、祈る。
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