兄と弟

２

「オラオラオラ、どうだ？　どうだ？　」


「もっと、もっと、お願いします！　」


　そこには責められる事に喜びを得ている兄の姿があった。
　
　
「ああ、焦らさないで！　お願い、欲しいんです！　」


　縛られている兄が必死に懇願している。
　
　
「そんなに欲しいのか、まったく仕方ない奴だな。
　ほら、どうだ？　お前が欲しがっていたものだぞ？　」


「ありがとうございます」


　知らなかった。
　兄がこんな変わった趣味を持っていたなんて。
　目隠しをされて、縛られ、必死に尻を振って懇願している兄。
　
　
「どうだい？　君も攻めてみないか？　」


　小沢さんに耳元で囁かれる。
　
　
「もっと！　もっと！　」


　欲しがる兄の姿を見て、僕もついつい熱くなってしまった。
　
　
　


　★★★★★★★★★★★★





　♪♪♪
　
　
「誰から？　」


「小沢さんだ」


　僕が聞けば兄が答える。
　
　
「出なくていいの？　」


「ああ、いい。それよりも早く」


「早く？　」


「早く、下さい。お願いします」


　懇願する兄に僕も答えてあげた。
　
　
「ああああああああ」


　僕達にはもう彼は必要ない。