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しおりを挟む決して油断していた訳じゃない。
確かにいつも通りで大丈夫だろうとは思っていたが、ちゃんと準備はしていたし
だからこそこうしてどうにか辿り着いたのだ。
「よかった。とりあえずここならどうにか凌げる」
急な悪天候により避難を余儀なくされた俺達は、どうにか無事に避難所へと
辿り着く事が出来た。流石にこればかりはどうしようもないのだ、自然に逆らう
事は出来ない。
取り敢えず命の危機からは脱した。
ここで一晩過ごせばどうにかなるだろう。
そんな思いが俺達にはあって、すっかり気が緩んでいた。
だから何も確認せずにいたのだ。
それが始まりだった。
★★★★★★★★★★★★
「どうしてこんな事になっているんだ? 」
翌日、外はブリザードだった。
そしてそれは数日続き、もう暖を取る事さえ不可能になった俺達は
取り敢えず肩を寄せ合い、寒さから身を守る。
これは不運としか言いようがなかった。
「信二。お前の所為じゃないのか? 」
「何が? 」
「今のこの状況がだよ! 」
「止めろ、大きな声を出すんじゃない。今そんな事を言ったって仕方がないだろ?
今はどうすれば無事に帰れるのかだけを考えろ」
杉田がそう言って太郎を黙らせる。
食料も無くなってしまい、気が立ってしまうのは仕方が無い事だが、杉田の
いう通り、今はそんな浪費は止めるべきだった。
今の俺達の現状を整理しておこう。
俺達は今、この避難所で四人、食料は何もなく、温まるものもない状況で
助けを待っていた。きっと来てくれるであろう救助を待つ。連絡はした。
ただもうバッテリーは尽きていた。
俺、杉田、太郎、信二。
四人で肩を寄せ合い、どうにか寒さから身を守っていた。
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