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十四
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「おや、カニディア、また悪い癖が出てきたのかな?」
ウリュクセスが苦笑する。どうやらカニディアには男色の嗜好があるようだ。しかも、トュラクスのような剛健そうな男を好む質らしい。
「よ、よせ!」
トュラクスが耳朶まで赤く燃やし抗議の声をあげるが、カニディアは動じない。まわりの兵士たちに腕や肩をおさえつけられ、脚に重しのある身ではトュラクスもそれ以上あらがうこともできず、カニディアの口淫から逃れられないでいる。
「うう……。き、貴様ら、いったいどれだけ人を弄べば気がすむのだ!」
押し付けられる悦楽を必死にこばみながら、トュラクスが吼えるようにわめいたが、毒婦の心にはまるで響かない。
「ほほほほほ。おまえが、その生意気な目つきをやめて、哀れっぽく跪くまでよ」
エリニュスの細い指がトュラクスの顎をとらえる。
「おまえが、惨めに啜り泣き、許してくださいと哀れっぽく縋ってくるまでよ。誇りも自尊心もなくし、身も心も男娼になりきるまでよ」
ふと、エリニュスの瑠璃の双眼に陰気な翳がちらついた。自分のもらした言葉に、加虐の欲望と狂気を呼び起こされたようだ。
「そうよ。おまえを正真正銘、本物の男娼にしてやるわ。ああ、想像しただけで愉快だわ。おまえが、抱いてください、と男に尻を振っている姿なんて」
「だ、誰がそんな真似をするか! うっ……!」
「ほほほほほ。そう言いながら、もう感じているではないの?」
「くうっ……」
湿ったねばつく音をたてながら、カニディアは巧みにトュラクスの快楽をたかめ、彼を翻弄する。
「はっ、ああっ……」
トュラクスはこらえきれずに息を吐くと、普段は決して出さない声を出し、宙を睨みつけるようにして、全身を包み込んでくるような官能の波を振りはらうように、苦しげに首を横に振る。まるで伝説に聞くラオコーンのように、巨大な蛇にからみつかれているようだ。
「くぅ……! あっ、あうっ……、も、もう、よせ! ああっ、や、やめろ!」
ウリュクセスが苦笑する。どうやらカニディアには男色の嗜好があるようだ。しかも、トュラクスのような剛健そうな男を好む質らしい。
「よ、よせ!」
トュラクスが耳朶まで赤く燃やし抗議の声をあげるが、カニディアは動じない。まわりの兵士たちに腕や肩をおさえつけられ、脚に重しのある身ではトュラクスもそれ以上あらがうこともできず、カニディアの口淫から逃れられないでいる。
「うう……。き、貴様ら、いったいどれだけ人を弄べば気がすむのだ!」
押し付けられる悦楽を必死にこばみながら、トュラクスが吼えるようにわめいたが、毒婦の心にはまるで響かない。
「ほほほほほ。おまえが、その生意気な目つきをやめて、哀れっぽく跪くまでよ」
エリニュスの細い指がトュラクスの顎をとらえる。
「おまえが、惨めに啜り泣き、許してくださいと哀れっぽく縋ってくるまでよ。誇りも自尊心もなくし、身も心も男娼になりきるまでよ」
ふと、エリニュスの瑠璃の双眼に陰気な翳がちらついた。自分のもらした言葉に、加虐の欲望と狂気を呼び起こされたようだ。
「そうよ。おまえを正真正銘、本物の男娼にしてやるわ。ああ、想像しただけで愉快だわ。おまえが、抱いてください、と男に尻を振っている姿なんて」
「だ、誰がそんな真似をするか! うっ……!」
「ほほほほほ。そう言いながら、もう感じているではないの?」
「くうっ……」
湿ったねばつく音をたてながら、カニディアは巧みにトュラクスの快楽をたかめ、彼を翻弄する。
「はっ、ああっ……」
トュラクスはこらえきれずに息を吐くと、普段は決して出さない声を出し、宙を睨みつけるようにして、全身を包み込んでくるような官能の波を振りはらうように、苦しげに首を横に振る。まるで伝説に聞くラオコーンのように、巨大な蛇にからみつかれているようだ。
「くぅ……! あっ、あうっ……、も、もう、よせ! ああっ、や、やめろ!」
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