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「あっ……んん」
「いいか? もう、大丈夫か?」
 本来なら、金を払った客としての立場上、訊く必要もないし、今までの相手にはそこまで気を使ったこともないが、リィウスには、機嫌を取るように囁いた。
「うう……ん、い、いや……」
「我がままな奴だな」
 ディオメデスは笑わずにいられない。
「ほら、俺にしっかりつかまっていろ」
「いや……、いや……」
 リィウスはうわごとのようにそんな言葉を呟きながら、それでも最後はどうしょうもなく、ディオメデスにされるがままにその首に抱きつくようになる。
「ああ……、い、いや、まだ、まだ、だめ……」
 うわごとのような、呂律ろれつもおかしくなりかけた言葉にディオメデスは目を細めていた。
「いい子だ。……入れるぞ」
「はぁ……!」
 リィウスは本能的に逃げようとしたが、それを許すわけもなく、左腕で抑えこみ、右手で尻をとらえ、挿入をこころみる。
「ああ! いや! いや!」
 殺される前の小動物のような悲鳴をリィウスはあげた。
「じっとしていろ」
「うう……」
 最初はなかなか侵入を許さなかった後ろの園も、すでに香油や指戯によって、その門は開きかけている。
「うう……、うう……」
 腰をディオメデスに奪われる形で、床の上で足指の先を曲げるようにしており、そんなリィウスの姿は、そこいらの女など話にならないほど艶っぽい。
 アウルスやメロペが、呼吸をすることすら忘れてリィウスのあられもない姿に魅入られてしまっているのも無理はない。白い項から、汗に濡れた背から、張りつめた太腿から匂いたつ強烈な色気は、男を狂わせる。
「息を吐け。力を抜いて……」
 睦言むつごとのように甘くやさしく指示の言葉がもれるのが、我ながらディオメデスは奇妙に思えた。普段なら、金で買った相手をここまで甘やかすようなことはしなかった。
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