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初夜散華 七
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「おお! 良いぞ! なんという締め付けじゃ!」
恐ろしいことに、慣らされてしまった身体は痛みを感じない。それどころか、ぐいぐいと迫ってくる圧力を心地よく受け止めだしている。
(嘘だ……、そ、そんな馬鹿な! ああっ! あああっ!)
アベルは身も世もなく叫び、流した涙のせいで、ヴェールが頬にはりつくのを、こんなときだというのに、やけにしっかりと感じていた。
「ひぃっ! ああっ! はぁっ!」
切り裂かれた心のために、下肢の中心から白い血しぶきがほとばしる。
「おお、遂ったか。なんという淫らな身体じゃ」
王が、身体を繋げたままま笑うその動きにすら、感じてしまう。
「ああ……」
はしたない新妻だな――。客席で誰かがつぶやき、聞こえてくる失笑にアベルは気を失わない自分が不思議だった。
「い、いや、もう嫌……、もう、ゆるして……」
男であることを放棄するような弱い口調で、哀願してしまう。
「可愛いぞ。そうじゃ、妻は素直でなくては。ほれ」
「ああ!」
ディオ王は、体勢を変え、交わったままの体勢で、みずからが褥に腰を着け、膝のうえにアベルを抱きかかえあげるようにした。
下肢のすべてを見られる恥ずかしさにアベルは無意識で、褥上に散らばる布をたぐり寄せようとしたが、その手は、まるで悪戯した幼児を叱る母のような王の打擲によって落とされた。
「隠すな。そなたの美しい可愛い姿を皆に見てもらえ」
「ああ、いや、いや……、もう嫌ぁ……」
ぐい、と両脚をひろげられ、子どもが用足しをさせられるような姿勢を強いられて、アベルはもはや半狂乱だ。
なんとかして逃れようとしたが、両腕は背後にまわった王に捕らえられており、右足はエゴイによって引き上げられ、閉じることは許されない。今なお足首にからまる白布が、恐ろしいほどに煽情的で、アベルを人の範を超えた生き物のように見せる。
「こやつ、高潔な騎士かと思ったが、とんでもない色情狂じゃったな」
笑いながら王は言うや、腰を動かす。
「ひぃぃぃぃっ!」
アベルは一瞬、意識を手放した。
すぐに気づいたが、そのとき自分がまた果てていたことを知った。
客たちのどよめきが伝わってくる。おのれの身体が発火する音が聞こえそうだ。
「ああ……」
さらに褥や脚あたりに無残に飛びちった欲望の散華の名残が目に入ると、また子どものように泣きじゃくってしまう。
恐ろしいことに、慣らされてしまった身体は痛みを感じない。それどころか、ぐいぐいと迫ってくる圧力を心地よく受け止めだしている。
(嘘だ……、そ、そんな馬鹿な! ああっ! あああっ!)
アベルは身も世もなく叫び、流した涙のせいで、ヴェールが頬にはりつくのを、こんなときだというのに、やけにしっかりと感じていた。
「ひぃっ! ああっ! はぁっ!」
切り裂かれた心のために、下肢の中心から白い血しぶきがほとばしる。
「おお、遂ったか。なんという淫らな身体じゃ」
王が、身体を繋げたままま笑うその動きにすら、感じてしまう。
「ああ……」
はしたない新妻だな――。客席で誰かがつぶやき、聞こえてくる失笑にアベルは気を失わない自分が不思議だった。
「い、いや、もう嫌……、もう、ゆるして……」
男であることを放棄するような弱い口調で、哀願してしまう。
「可愛いぞ。そうじゃ、妻は素直でなくては。ほれ」
「ああ!」
ディオ王は、体勢を変え、交わったままの体勢で、みずからが褥に腰を着け、膝のうえにアベルを抱きかかえあげるようにした。
下肢のすべてを見られる恥ずかしさにアベルは無意識で、褥上に散らばる布をたぐり寄せようとしたが、その手は、まるで悪戯した幼児を叱る母のような王の打擲によって落とされた。
「隠すな。そなたの美しい可愛い姿を皆に見てもらえ」
「ああ、いや、いや……、もう嫌ぁ……」
ぐい、と両脚をひろげられ、子どもが用足しをさせられるような姿勢を強いられて、アベルはもはや半狂乱だ。
なんとかして逃れようとしたが、両腕は背後にまわった王に捕らえられており、右足はエゴイによって引き上げられ、閉じることは許されない。今なお足首にからまる白布が、恐ろしいほどに煽情的で、アベルを人の範を超えた生き物のように見せる。
「こやつ、高潔な騎士かと思ったが、とんでもない色情狂じゃったな」
笑いながら王は言うや、腰を動かす。
「ひぃぃぃぃっ!」
アベルは一瞬、意識を手放した。
すぐに気づいたが、そのとき自分がまた果てていたことを知った。
客たちのどよめきが伝わってくる。おのれの身体が発火する音が聞こえそうだ。
「ああ……」
さらに褥や脚あたりに無残に飛びちった欲望の散華の名残が目に入ると、また子どものように泣きじゃくってしまう。
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