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初夜準備 五
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「それだと、辛くないかい?」
「大丈夫だ。伯爵はすでに充分慣れている」
彼らの勝手な会話に、アベルは怒りのあまり叫びだしたくなったが鉄の意志で堪えた。
「さ、伯爵、入れますよ。裾をまくりあげて、尻をこっちへ尽き出してください」
「や、やめてくれ……! ちゃ、ちゃんと練習するから」
惨めだが、そう言うしかなかった。だが、その哀願めいた言葉は、いっそうカイの眉をしかめさせたに過ぎない。
「だったら最初からちゃんとやれば良かったでしょう? いけないのは、ちゃんとやろうとしなかった伯爵ですよ。さ、尻を出してください。しっかりと、自分で見せるように開いてみてください。何度か教えたはずですね?」
アベルは羞恥にはらわたが捩れるのを感じる。
そうだった。
今までにも、三度……無理やり自分で自分の肉を割るような真似を強制された。そうするまで許してもらえなかったのだ。
だが、それは文字どおりおのれの身体をおのれで引き裂くほどに辛く苦しく、狂おしいものだった。今また、カイはそんな自虐めいた行為をやれというのだ。
死んでも嫌だ。だが、ここで従わなければ、どのみち力ずくで強制されるだろうし、まだ反抗の意志があるとみなされ、いっそう警戒の手がきびしくなるだけだ。
熱いものを鼻の奥に感じながら、アベルはするしかなかった。
「うう……」
彼らに背を向けるかたちで、望まれる動作をアベルは震える手でおこなう。
自分で起こしたはずの衣擦れの音がアベルの鼓膜に刺さる。唇を噛み、覚悟を決めて、さらに下着もまくりあげた。
「うわぁ、すげぇ! お淑やかそうな花嫁さんが、自分で自分の尻見せて……。すげぇ、色っぽいぜ、伯爵」
アーミナがわざとらしいほどに行儀悪い口調で嬲ってくる。
「それに、……可愛い……。白いお尻、卵みたいだ。伯爵、すこし振ってみて」
エリスの言葉嬲りも強烈だった。
「ほら、聞こえたろう、伯爵? 尻振ってみろよ、犬みたいに。いやん、いやん、というふうに振るんだよ」
アベルは口でも身体でも応えなかった。すると、
パシン――。
「うっ!」
肉をうつ軽い音がひびく。
「ほら、振れって。もう一度打つぞ」
調子にのったようなアーミナの声。
「うう……」
どう言われも、自分でそんな浅ましい真似はできない。
「大丈夫だ。伯爵はすでに充分慣れている」
彼らの勝手な会話に、アベルは怒りのあまり叫びだしたくなったが鉄の意志で堪えた。
「さ、伯爵、入れますよ。裾をまくりあげて、尻をこっちへ尽き出してください」
「や、やめてくれ……! ちゃ、ちゃんと練習するから」
惨めだが、そう言うしかなかった。だが、その哀願めいた言葉は、いっそうカイの眉をしかめさせたに過ぎない。
「だったら最初からちゃんとやれば良かったでしょう? いけないのは、ちゃんとやろうとしなかった伯爵ですよ。さ、尻を出してください。しっかりと、自分で見せるように開いてみてください。何度か教えたはずですね?」
アベルは羞恥にはらわたが捩れるのを感じる。
そうだった。
今までにも、三度……無理やり自分で自分の肉を割るような真似を強制された。そうするまで許してもらえなかったのだ。
だが、それは文字どおりおのれの身体をおのれで引き裂くほどに辛く苦しく、狂おしいものだった。今また、カイはそんな自虐めいた行為をやれというのだ。
死んでも嫌だ。だが、ここで従わなければ、どのみち力ずくで強制されるだろうし、まだ反抗の意志があるとみなされ、いっそう警戒の手がきびしくなるだけだ。
熱いものを鼻の奥に感じながら、アベルはするしかなかった。
「うう……」
彼らに背を向けるかたちで、望まれる動作をアベルは震える手でおこなう。
自分で起こしたはずの衣擦れの音がアベルの鼓膜に刺さる。唇を噛み、覚悟を決めて、さらに下着もまくりあげた。
「うわぁ、すげぇ! お淑やかそうな花嫁さんが、自分で自分の尻見せて……。すげぇ、色っぽいぜ、伯爵」
アーミナがわざとらしいほどに行儀悪い口調で嬲ってくる。
「それに、……可愛い……。白いお尻、卵みたいだ。伯爵、すこし振ってみて」
エリスの言葉嬲りも強烈だった。
「ほら、聞こえたろう、伯爵? 尻振ってみろよ、犬みたいに。いやん、いやん、というふうに振るんだよ」
アベルは口でも身体でも応えなかった。すると、
パシン――。
「うっ!」
肉をうつ軽い音がひびく。
「ほら、振れって。もう一度打つぞ」
調子にのったようなアーミナの声。
「うう……」
どう言われも、自分でそんな浅ましい真似はできない。
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