92 / 181
九
しおりを挟む
いつかのときのように瀬津は敬を膝にかかえあげ、幼児に仕置きをするような体勢を取らせる。緋色の襦袢をからみつけた身体は、対照的に白い肌をちらつかせ、見ている男たちの目を刺す。
「相変わらず綺麗な肌だな。見てみろ、まるで熟しきらない桃のようだぞ。どうだ、嶋、おまえの主、いや、元主の尻は? 美しいだろう?」
言われた嶋は耳朶まで赤く染めて目を伏せる。ぎゃくに田中は欲望の火を放つような双眼を白い肉に向けている。
「は、はなせ! はなせよ!」
敬はすっかり抑えこまれて、尚、瀬津の膝上でもがいた。
敬も喧嘩は強い方で、街では知られた不良だったが、本職の極道、それも若頭を勤める瀬津を前にしては、狼にとらわれた小兎だ。
圧倒的な力の差に敬は悔しさのあまり畳に爪をたてたが、それはいっそう瀬津を面白がらせただけだ。
「本当に、どうしょうもないじゃじゃ馬だな。お仕置きだ。ほれ、」
打擲の音。
「ひっ!」
びくん、と敬の身体が跳ねる。
剝きだしの尻を、瀬津の無骨な手が打つ。
さらにもう一度。
「ひぃっ!」
二度、三度……とつづく。
人の肉が肉を打つときの、微妙で絶妙な音が座敷にこだまする。
すでにこの壮絶な羞恥と屈辱と苦痛をあたえる仕置きを受けたことのある敬は、このあと我が身に起こることを予想して、恐怖にうちふるえた。
「くそぉ……! やめろ、やめろよ! あっ、ああ……」
汗を吸った襦袢がいっそう淫らに敬の身体にしがみつく。
数度目かの打擲のあと、敬が恐れたことが起こりはじめた。
「は……ぁ」
悩ましい吐息とともに、熱くなった腰がふるえる。
「くっ、くっ、くっ」
瀬津の嘲笑が、鼓膜に痛いほど響く。
敬は畳の目を引き裂かんばかりに爪に力をこめて、身体の内に起こった変化をおさえこもうとしたが、若い肉体は、本能に忠実だった。
「思ったとおり、とんでもない淫乱だな、おまえは」
きつい言葉が、いっそう脳をしびれさす。
敬は朦朧としながらも、視界が涙で霞むのを自覚する。
「は、あぁ……!」
突如、蕾に生温かいものを感じた。器具と違って、たしかに血の通いを感じさせるもの。
「相変わらず綺麗な肌だな。見てみろ、まるで熟しきらない桃のようだぞ。どうだ、嶋、おまえの主、いや、元主の尻は? 美しいだろう?」
言われた嶋は耳朶まで赤く染めて目を伏せる。ぎゃくに田中は欲望の火を放つような双眼を白い肉に向けている。
「は、はなせ! はなせよ!」
敬はすっかり抑えこまれて、尚、瀬津の膝上でもがいた。
敬も喧嘩は強い方で、街では知られた不良だったが、本職の極道、それも若頭を勤める瀬津を前にしては、狼にとらわれた小兎だ。
圧倒的な力の差に敬は悔しさのあまり畳に爪をたてたが、それはいっそう瀬津を面白がらせただけだ。
「本当に、どうしょうもないじゃじゃ馬だな。お仕置きだ。ほれ、」
打擲の音。
「ひっ!」
びくん、と敬の身体が跳ねる。
剝きだしの尻を、瀬津の無骨な手が打つ。
さらにもう一度。
「ひぃっ!」
二度、三度……とつづく。
人の肉が肉を打つときの、微妙で絶妙な音が座敷にこだまする。
すでにこの壮絶な羞恥と屈辱と苦痛をあたえる仕置きを受けたことのある敬は、このあと我が身に起こることを予想して、恐怖にうちふるえた。
「くそぉ……! やめろ、やめろよ! あっ、ああ……」
汗を吸った襦袢がいっそう淫らに敬の身体にしがみつく。
数度目かの打擲のあと、敬が恐れたことが起こりはじめた。
「は……ぁ」
悩ましい吐息とともに、熱くなった腰がふるえる。
「くっ、くっ、くっ」
瀬津の嘲笑が、鼓膜に痛いほど響く。
敬は畳の目を引き裂かんばかりに爪に力をこめて、身体の内に起こった変化をおさえこもうとしたが、若い肉体は、本能に忠実だった。
「思ったとおり、とんでもない淫乱だな、おまえは」
きつい言葉が、いっそう脳をしびれさす。
敬は朦朧としながらも、視界が涙で霞むのを自覚する。
「は、あぁ……!」
突如、蕾に生温かいものを感じた。器具と違って、たしかに血の通いを感じさせるもの。
0
お気に入りに追加
204
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。
ヤクザと捨て子
幕間ささめ
BL
執着溺愛ヤクザ幹部×箱入り義理息子
ヤクザの事務所前に捨てられた子どもを自分好みに育てるヤクザ幹部とそんな保護者に育てられてる箱入り男子のお話。
ヤクザは頭の切れる爽やかな風貌の腹黒紳士。息子は細身の美男子の空回り全力少年。
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる