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七
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こく、こくと、何度も首を縦に振る。
無心な幼児のような敬を見つめる兄のまなざしは、肌寒さをわすれさせるほどに暖かい。実際、敬の身体はすっかりほてって、背には汗すら感じる。
「俺も敬が好きだ。大好きだよ……俺の可愛いじゃじゃ馬、愛しい淫乱」
「あん」
右胸の突起をかるく指でいじられ、背が反るが、それよりも自分のあげた声が恥ずかしくてまた身体を熱くしてしまう。
「ああ……兄さん」
満たされた、と思った。身体も心も。
けれど、まだ足りない。
もっと……欲しい。
敬はおのれの貪婪さが恥ずかしくなる。だが、それでもやっぱり欲しいのだ。
(あそこも……さわって欲しい……)
時折り、勇の指が後ろに伸びることもあるが、入り口をすこし嬲る程度で、その指はすぐ離れてしまう。
勇は、最後の一線を決して超えようとはしない。
身体じゅうに接吻の雨を降らしてはくれても、唇にはけっしてしてはくれない。
それが敬をよりいっそう焦らし、切ながらせていることを知っているはずなのに。
(意地悪……)
ついにたまらなくなって敬の方から寄せた唇は、やんわりと避けられ、勇の唇は頬を這う。
「はぁっ……」
敬はふたたび昂らされ、天にも昇る心地でおのれを解放する。癒されぬ焦燥をかかえたまま。
無心な幼児のような敬を見つめる兄のまなざしは、肌寒さをわすれさせるほどに暖かい。実際、敬の身体はすっかりほてって、背には汗すら感じる。
「俺も敬が好きだ。大好きだよ……俺の可愛いじゃじゃ馬、愛しい淫乱」
「あん」
右胸の突起をかるく指でいじられ、背が反るが、それよりも自分のあげた声が恥ずかしくてまた身体を熱くしてしまう。
「ああ……兄さん」
満たされた、と思った。身体も心も。
けれど、まだ足りない。
もっと……欲しい。
敬はおのれの貪婪さが恥ずかしくなる。だが、それでもやっぱり欲しいのだ。
(あそこも……さわって欲しい……)
時折り、勇の指が後ろに伸びることもあるが、入り口をすこし嬲る程度で、その指はすぐ離れてしまう。
勇は、最後の一線を決して超えようとはしない。
身体じゅうに接吻の雨を降らしてはくれても、唇にはけっしてしてはくれない。
それが敬をよりいっそう焦らし、切ながらせていることを知っているはずなのに。
(意地悪……)
ついにたまらなくなって敬の方から寄せた唇は、やんわりと避けられ、勇の唇は頬を這う。
「はぁっ……」
敬はふたたび昂らされ、天にも昇る心地でおのれを解放する。癒されぬ焦燥をかかえたまま。
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