いとまの個人的台本置き場

めがね

拭いても拭いても汚れてる
だから見えづらい。
拭いても拭いても怪我してる
何年経っても。

視力を矯正するために作られた
僕のためのレンズ。
手間がかかるけど憎めないやつ。
でも君が汚れたり傷ついていなくても
たまに目は見えなくなる。
目の中、頭の中がぐちゃぐちゃの時は
いつもそんな感じ。君のせいにしたい僕がいる。いつもごめんね。ありがとう。

君は拭いたり、お店で綺麗にしてもらえれば
なんだか美人さん？イケメン？になれる。
でも僕はどうだろう。いくつになっても
変わらないねって褒め言葉なのかな。
それはつまり…。前に進めてないってこと？
それすごくダサくない？
あぁ、そっか。君が顔にかかってるから
ダサいのか。君のせいだ。嘘だよ。
いつもごめんね。ありがとう。

君も傷ついた時は使い物にならないから
燃えるゴミに捨てられる。それって虚しいよね。だって！だってさ。今までオシャレとか
誰かの目の代わりになってた君を傷ついたからって捨てられちゃうの？ダメだよ。そんなの怖いよ。可哀想だよ。僕のことは傷付いたって誰もゴミ箱に捨てやしないけど、君はそんなにすぐ捨てられちゃう。
いつもありがとう。大事にするね。

君が映してくれた汚い世界。
そこから抜けた綺麗な世界。
闇の暗さのピントを合わせて
光の先の景色をハッキリと見せてくれた。
だから僕は今立ってられるんだ。

涙が出るのは君と僕の目が近いから？
君のせいだよ。違うね。僕のせいだね。
いつもごめんね。ありがとう。

綺麗に畳んで一緒におやすみなさい。