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2人の熱帯夜 (1)*

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 100話のハワイでの新婚旅行のお話です。
 ひたすらラブラブです。

*・゜゚・*:.。..。.:* .。.:*・・**・゜゚・*:.。.. .。.:*・゜゚・*


「ヒナ……今すぐ別荘に帰ろう」
「ええっ、何言ってるの?!」

 青い空、白い砂浜、エメラルドグリーンの海。
 写真から切り取ったような美しい景色がすぐ目の前に広がっているのに、水際に足を踏み出した途端、朝哉が手首を掴んで引き止めた。

ーーえっ、どうして?!


 ここは、2人が今夜から3泊する時宗の別荘からすぐ近くのプライベートビーチ。
 この近辺のコンドミニアムやヴィラの所有者のみが使用できるため、観光客が大挙して訪れる一般のビーチよりも比較的空いていて、利用者もセレブな感じだ。

 そうは言ってもこの周囲は別荘地でタワーコンドミニアムも立ち並んでいるため、芋洗い状態じゃないだけで、そこそこ人がいる。
 パラソルの下で寛いでいる人、バスタオルを敷いて寝そべっている人、泳いでいる人。
 それぞれ思い思いのスタイルでビーチを楽しんでいるようだ。

 なのに……。

「えっ、ビーチに行こうって言ったのは朝哉でしょ? 気分が悪くなった?」

 オデコに触れてみたけれど熱があるようには見えない。第一ついさっき別荘で水着に着替えて、「よっしゃ~、泳ぐぞ~!」なんて張り切って出て来たのだ。

「…………てる」
「えっ?」

 口を尖らせてモゴモゴ何か言ってるけど聞き取れない。
 彼の口元に耳を寄せて聞き返すと、今度はやけくそみたいな大声が鼓膜に響いた。

「男どもがさっきからヒナの身体をジロジロ見てるんだよ!」

ーーはぁあ?!

「何言ってるの? アジアンが珍しいだけでしょう。気にする必要無いわ」

 第一ここはビーチだ。水着姿の女性なんて沢山ウロついてるし、なんならみんな雛子よりも豊満なメロンサイズの胸を揺らしまくっている。
 むしろ、こんな貧相な体型で注目されていると思う方が自意識過剰で恥ずかしい。

 
「さっきあっちのパラソルの2人組が口笛を吹いた。あっちのヤツは自分の彼女そっちのけでヒナに見惚れてた。俺のなのに」

「俺のなのに……って…」

「ヒナにビキニなんて着させるんじゃなかった。競泳用水着にすれば良かった。いや、アレはアレでそそるから、ギリでウエット・スーツだな」

「ウエット・スーツって、サーファーじゃないんだから……だけど、この水着は朝哉が選んでくれたのよ?」

 白いホルターネックのビキニは日本を出発する前にデパートで朝哉が買ってくれたものだ。
 ワイキキのビーチには白が映えるはずだ、絶対に似合うと雛子以上にはしゃいでいて、試着して見せたら「最高!」とサムズアップまでしてたのに。

「1人で眺めてるぶんには良かったけど……ビーチに出たら他のヤツもいるんだって事を失念してたんだ。誰にも見せたくない」

 思わずふふっと笑ってしまう。

「馬鹿ね、水に入れば顔以外見えやしないわ。私だって朝哉のカッコいい水着姿を誰にも見せたくないもの。一緒に海に入っちゃいましょうよ」

 そう言って手を引けば、朝哉は『眼から鱗』とばかりにパアッと顔を輝かせて、逆に手を引き走り出す。

「そうか……そうだよな。2人で海でイチャついて見せつけてやろうぜ!」

ーーもうっ、少年みたい。

 普段はイケてる青年実業家なのに、2人きりでは甘くて素直で可愛くて、年下に思える事さえある。

ーーまあ、そんな所も含めて好きなんだけど……。

 そして、最近ではそんな彼の操縦法も徐々に身について来たんじゃないかな……と、雛子は我ながら思っているのだった。




 結局ビーチにいたのはほんの1時間くらいだった。
 海に入っている間は抱き合って波に揺られてはしゃいでいたけれど、陸に上がるとやはり朝哉は男性の視線が気になるらしく、タオル地の長袖パーカーを頭からすっぽりと被せてくる。

 日差しは強いし汗がダラダラ流れ出すし、ひたすら暑くて堪らない。
 結局雛子の方がギブアップして、別荘に帰ることを提案する羽目になった。


 時宗所有の別荘は3LDKのラナイとプール付き。
 ラナイとはハワイ語で大型バルコニーの事で、LDKから庭に向かって屋根付きのウッドデッキが続いていて、屋外リビングという趣きになっている。
 そこに籐製のソファーやカウチが置いてある。

 その向こうに見えるのはプライベートプールとジャグジー。
 周囲を植え込みや木で覆われているので、ジャングルの離れ家みたい。



「やっぱりハワイは日射しが強いわね。日焼け止めなんて意味が無かったわ」

 シャワーを浴びてから鏡に背中を映して見たら、ビキニ型の日焼け跡がくっきりついている。
 遅れてシャワールームから出て来た朝哉がハッと足を止めて、「うわっ、エロっ」と呟いた。

「なんだよヒナ、誘ってるの?」
「えっ、何が?」

「そんなエロい日焼け跡のある裸体を晒してさ、そんなの『白い部分にむしゃぶりついて下さい』って言ってるようなもんだろ」

「言ってないわよ」

「いや、口で言わなくても身体が言ってるんだよ……って言うか、もうどっちでもいいや。とりあえず襲う」

「ええっ!」

 言うが早いか抱き抱えられ、ラナイにある籐製の2人用カウチにドサリと下ろされた。

「エロっ!堪んないな」
「さっきからエロいエロいって……」
「エロいからしょうがない」

 朝哉は片膝をカウチに乗せながら雛子を押し倒し、日焼けしていない白い胸の柔肌を弄ぶ。
 手のひらで包み込んで捏ね回したり、感触を確かめるようにフニフニと持ち上げたりしてから、ギュッと鷲掴んで先端に口づけた。

「ん……美味しい」
「やっ……何言って……」
「ヒナの胸はマシュマロだ。そしてこの先っぽは飴玉。舐めていいのは俺だけ……」

 甘えたように言ってから、本物の飴玉を舐めるみたいにペロペロと舐め始めた。

 ペチャッ……ジュルジュル……。

 指が食い込むほど鷲掴んだ胸に、交互に唇を寄せる。はみ出している部分に口づけ、しこったピンクの先端を舌で転がし、乳輪ごと口に含んでハムハムとむ。
 うっとりと恍惚の表情を浮かべ、唾液でベトベトにしながら一心不乱に味わい尽くす。

「あん……あっ、ん……っ」

 胸を弄られているのに下半身まで連動するように疼き出す。
 軽く腰をモジモジさせると、それに気付いた朝哉が上半身を起こし、ニヤリと口角を上げた。

「ヒナ……コレが欲しいの?」

 先走りでぬらりと光るソレを右手で持って、雛子の割れ目の表面を撫で上げる。

「あっ!……やっ……」

 左手で割れ目を開かれると、ヌチャッと粘着質な音がして、小さな蕾が顔を出す。
 朝哉は濡れた鈴口の先端で蕾をツンツンつついたかと思うと、次はグリグリと押し付けて来た。

「あんっ!ああっ、ああっ……やめて!駄目ぇ!」
「は……っ、ヒナのココ……めっちゃ勃ってコリコリしてる……っ」

 蜜口から溢れ出す愛液を肉棒で掬い取り、反り返ったソレを割れ目に沿って滑らせる。戻る時にカリの引っ掛かりで蕾を弾くと、雛子が嬌声を上げながら背中を反り返らせる。
 白い胸がプルンと揺れて、更に朝哉の劣情を煽った。

「もう駄目……っ…お願い…朝哉の……ちょうだい」

 潤んだ瞳で懇願されて、朝哉の漲りがブルンと跳ねた。

「………っ、ヒナっ、お前、煽り過ぎっ!」

 雛子の膝裏を持ち上げて胸につくほど折り畳むと、目の前の蜜口目掛けて獰猛なソレを一気に突き刺した。
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