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<< 妹と親友への遺言 >> side 大志
52、ボストンにて (7) / 衝動
しおりを挟む桜子の華奢な肩を片手で抱き寄せながら、今この場で口づけて抱きたいと思った。
だって俺は明日にでも血を吐いて倒れてしまうかも知れない。いや、今この瞬間に心臓が止まってしまうかも知れないんだ。
命を失うのが怖いんじゃない。人間いつかは死ぬ時が来る。あの世には父さんたちだっている。そんなものは恐れちゃいない。
だけど、桜子を1人にするのが怖いんだ。
桜子だけを置いて逝くのが嫌なんだ。
両親が死んだ時のあの絶望を、今度はたった1人で味わわせるくらいなら……
ーーだったら桜子を道連れにしてしまえ。
そんなの簡単だ。
俺はもう死ぬのだと告げて、ここで押し倒してしまえばいい。
桜子の処女を奪って何度も何度も奥まで突いて、気絶するまで抱き潰してから一緒に逝く。
細い首に目をやって、『これなら簡単に折れそうだな』……と思った途端、全身が総毛立った。
ーー俺は今、何を考えた?
俺の桜子を、父さんと母さんから預かった大事な妹を……愛する女の命を奪おうだなんて……。
心臓がバクついて目眩がする。
駄目だ、ここから離れないと……。
「俺……シャワーを浴びてくるわ」
バッと勢い良く立ち上がると、驚く桜子とは目を合わせずにバスルームに駆け込んだ。
またしても胃がムカムカしてきて、すぐ横のトイレでゲーゲーと吐く。さっき出したばかりだから胃液しか出なかった。
シャワーの栓を思い切り捻ると、上から勢い良く降ってきた冷水を頭から被る。
ーーヤバい……俺は胃だけじゃなくて頭までイカれ始めてるのかも知れない。
さっきあの瞬間、俺の中でリミッターがカチリと外れる音が聞こえた。あと小指の先ほども踏み出していたら、もう止めることは出来なかっただろう。
ーーやっぱりここに泊まっちゃいけなかったんだ。
衝動を抑える自信が無いからホテルに行くと決めたのに、結局は欲望と衝動に引き摺られてこのザマだ。
だけど一度昂ぶった熱情は冷水でも醒めることなく、熱く硬くなったソレは気持ちと裏腹に雄々しくそそり立っている。
「くそっ!俺は……最低だっ!」
右手で竿を握りしめ、勢い良く扱きながら、ソファーで待つ桜子を思い浮かべる。
キスをして舌を絡め、お互いの熱い吐息を感じながら、衣服を剥いでいく。
太腿の間にそっと指を挿し込むと、そこはまだ固く閉じたままだ。
ソファーに片脚を掛けて大きく股を開かせると、花弁をそっとめくって中心に口づける。
ゆっくり舌を這わせ、先端の蕾に辿り着いたらチロチロと舌先で 突いて綺麗に剥いてやる。
剥き出しになったところをジュルジュルと吸って舐めてやれば、奥から溢れる蜜と俺の唾液でドロドロになって、受け入れ態勢完了だ。
後は指を入れて掻き回して1回イかせて、ピクピク震えているソコに俺のを……
「うっ……イイよ……お前の中は……最高だ……っ」
腰を激しく動かして、子宮にぶつかるまで俺のを突っ込んで……
「くっ……は……っ」
扱く右手のスピードを速め、時々親指の先で鈴口を刺激する。熱いものが一点に集まる感覚があり、ゾワゾワと快感の波が押し寄せる。
「……イくっ!」
先端から白い液が放たれ、ビュッとシャワー下の壁に飛んでいく。快感に震えるソレをピクピク跳ねさせながら、精の放出が数回繰り返された後で終息を迎えた。
「ヤバっ……浴室を汚した」
慌ててシャワーで流し、シャンプーをぶっ掛けて形跡を消す。
……ったく……俺は何やってんだ……
それでもやっぱり俺は桜子のそばにいたいという気持ちに抗えず、ホテルに移ると言い出すことは出来なかった。
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