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Chapter-07
Log-148【闇纏いの魔王】
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――眼前にそびえたるは、人類の仇敵。数多の思想、数多の叡智、数多の文明を葬りし咎人。しかし、世界に宿りし記憶は決して失われず、我ら勇者の末裔が引き継ごう。それぞれの在り方に相違があろうとも、願いの終着は同じく。打ち込まれた楔を引き抜き、人類の手に自由をもたらさん。
脳裏を過ぎる、長く長く受け継がれてきた万感の想い。嗚呼、そうか。僕が今この身に纏う拭いようのない漆黒は、過去から現在に至るまでに培われてきた人の心なんだ。執念、無念、理念の現れなんだ。僕のような凡夫が背負うには、余りに重すぎる責務だけど、合わせ鏡の僕と――ウルリカ、君とならこの重荷を背負える気がする。だから、ずっと、
「――僕の傍に居ろ、ウルリカ」
闇纏いの魔王は、静かに眠るウルリカを優しく、しかし力強く抱きかかえる。彼の周囲を漂う闇の群れも、まるで彼女を大切に抱擁するかのよう。それは、彼方より見守る人々にさえ伝わる慈愛、護り抜くという覚悟、ヒトの代表としての矜持。
魔王なる存在が聖者として語り継がれることなど決してない。それはこれまでも、これからも。原罪として貶められるために生まれた概念ゆえに、悪の化身という解釈こそが彼にとって正しい在り方となる。しかし、悪のない世界こそが正しいのだろうか? 誰しもが聖人であれば世界は成り立つのだろうか? 否、邪なくして、聖は有り得ない。過ちなくして、正しきは有り得ない。死なくして、生など有り得ない。
――この身は悪の化身。人類のあらゆる苦痛を、無念を、怨嗟を引き受けよう。
聖と邪の二元こそが世界の本質、ヒトの神髄。この世に記憶として刻まれ続けたそれは、ヒトの叡智たる咒いを経て具現し、いずれは神をも屠る刃となる。
――来たるべき秘跡の以前に、偽神の出る幕なし
迫り来る巨神の無情なる愛撫を、闇纏いの魔王はことごとく否定する。飲み込み、塗り潰し、罵倒する。邪知暴虐を体現するのはどちらだと、傲慢にのたまうかのように。
――無情の愛を拒絶され、遂には神自らこの世界を否定しにきたか
ヒトを愛する術を失った巨神が、最期に取った手段。それは――回帰。全てを滅ぼし、全てをやり直す。古に幾度となく取ってきたのだろう、神の悪辣な常套手段。
「……魔王、僕はどうすればいい? 教えてくれ、みんなを……ウルリカを救う手段を」
――神に抗うのは誰か、ここに在るのは誰か、その身に纏うモノは誰か。足るを知れ。
闇纏いの魔王は腑に落ちた、次の一手は決まった。脳裏に囁く彼の言葉は常に正しい。正しきことは人道において、およそ義なること。しかし、時に正しきは不義にも変容する。彼の言葉は常に正しい。努めて彼は正しく――不義に――在ろうとしてるのだろう。
「僕らがヒトの闇よ、煌めく天上の光を覆い隠し、世に暗黒の時代をもたらせ……」
闇纏いの魔王が紡ぐ言葉は、呪文にあらず、あたかも語りかけるよう。その真摯な想いに応えるかのように、久遠の闇は巨神とヒトとを分断する帳を下ろす。大地の悲鳴を、命の嘆きを、人々の祈りを吸い上げて。まさに総力とは、このことを言わんとする言葉だ。
――堪えよ、ひとえに堪えよ。己が双肩には、愛と義の輿を担いたると心得よ。
遥か天地を隔てる久遠の闇、そのくつがえし難き虚構をも切り裂いた神聖なる閃光は、まるで理屈の端々をあげつらい否定する詭弁者の如く。論理の脆弱を一つ一つ穿ち続け、仕舞いには自壊する虫食いと化すまで叩き伏せるつもりなのだろう。
「神の怒りはとても強く激しい。だけど、それでも僕らは――」
――一つの結論に依りて、寄る辺は一人にあらず。世に紡ぎし万象こそが後ろ盾となる。
この世は一枚岩ではない、神の認識をも上回るほどに多様多彩な形質を見せるもの。形なきものを顕す神秘――魔法こそはその証左。天地統御のために打ち込んだ楔は、その神秘をもたらした。まさに人類はプロメテウスの火を獲得したのだ。ただこの場合、天から火を盗み出したのではなく、意図せず零れ落ちた火を見出したと言うべきか。いわば神の過失に他ならない。そして、それこそが神にとって致命的な多様性を人類に許したのだ。
――愚かなり偽神よ、汝らの傲慢にこそヒトの付け入る隙があったのだ。
執念、無念、理念は持ち主なき後もこの世に残存し、それは詠唱、願望、祈念を通して具現化される。あらゆる命が生まれては無数の苦楽を繰り返し、そうして懸命に生を全うしていった者の数だけ、ヒトは多様なる武器を得る。
では、同一の宿命に生まれた者が、同一の旅路を経験し、同一の魔王の手によって最期を迎える、その酷似した一生涯を、千年の歳月を掛けて九十九もの回数繰り返したとしたら? 一体どれほどの執念があっただろうか。一体どれほどの無念があっただろうか。己が死を目的とした旅路に、葛藤がないはずもない。そんな自らの宿命を恨みさえしただろう。今際の際では、過去のあらゆる後悔が胸に去来したはずだ。それでも勇者の名を冠した者達は歌を歌い上げ、願いを託し、祈りを捧げて、散っていった。それはひとえに、真の自由を勝ち取るために。ヒトがせめて人らしく生きていけるように、と。
――偽神よ、汝に愛は理解できぬ。愛ゆえに命託した者らの想いは、永劫理解できぬ。
「生まれたばかりの僕だって、想いの全てを理解するには、まだ若すぎる。だけど、愛の尊さはよく理解しているつもりだ。それが決して、一方的なものではないということも」
世界を覆い尽くした闇の帳は、神の怒りに蝕まれつつあったものの、次第に勢力を取り戻し、飲み込んでいく。世界から光が失われていき、神の威光は人々に届かず。
「神様。貴方のことも、僕はよく知らない。僕達から見れば悪辣な手段で成そうとする目的も、それを目指すようになった経緯も、貴方に恨みを持つほど僕は理解しちゃいない。だから、この言葉がもし届くのなら、戦いなど望んじゃいないんだって分かって欲しい」
――それが可能であるならば、遥か古に決着はついていよう。
「分かってる、多分無理なんだって。だけど僕は、それでも言わなくちゃならないんだ。だって戦いは……犠牲しか、生まないから」
――愚かなり。途方もなき愚かであるがゆえに汝はやはり、アルトリウスである。
「ありがとう、アルトリウス。貴方の使命、今は僕が引き継ぐよ。だからもう、神様。安らかに――お休みください」
世界を覆い尽くした久遠の闇が、一点に収束していく。まるで、敷き広げられた暗幕が折り畳まれていくように。次第に、帳の向こうが見えてきた。だが、視界に映るは見慣れぬ景色、今まで見ていたものとは似ても似つかぬ景色。巨神の完全なる消滅とともに、先ほどまであったはずの山々が――消し飛んでいたのだ。
巨神が胴体のみとなって横たわっていた地面は深々と抉れ、そこから放射状に衝撃波の痕が残るのみ。闇の帳を境界線として、降り積もった雪は疎か、草木の一本も残さず、まっさらで平坦な大地と化していた。山々をも吹き飛ばし、地形をも塗り替えたその波濤、もはや推し量るべくもなく。闇の帳が激甚のそれを防がなければ、セプテムはどうなっていただろうか。想像もしたくない結果が、眼前に広がっていた。
とはいえ、人類は何とか生き延びた。ウルリカもまだ、息がある。そう、闇纏いの魔王は最善を尽くし、その目的を完遂したのだ。神と対峙して、勝利を収めたのだ。これ以上の成果などないと言っても過言ではなく、その偉業はまさに史上最大と言えよう。
嗚呼、彼方よりささやかな勝ち鬨が届く。そこに至っては安堵のほかなく、その途端、張り詰めていた糸が切れた――すると、どうしたことか。視界が暗転する、神経が停止する、思考が途切れる。魔王はただの人間へと戻り、何の変哲もないアクセルが現れた。意識は完全に失われ、一切の反応もなく。
ただ、傍らに抱えたウルリカに寄り添うようにして、アクセルは白雪の上に横たわった。
脳裏を過ぎる、長く長く受け継がれてきた万感の想い。嗚呼、そうか。僕が今この身に纏う拭いようのない漆黒は、過去から現在に至るまでに培われてきた人の心なんだ。執念、無念、理念の現れなんだ。僕のような凡夫が背負うには、余りに重すぎる責務だけど、合わせ鏡の僕と――ウルリカ、君とならこの重荷を背負える気がする。だから、ずっと、
「――僕の傍に居ろ、ウルリカ」
闇纏いの魔王は、静かに眠るウルリカを優しく、しかし力強く抱きかかえる。彼の周囲を漂う闇の群れも、まるで彼女を大切に抱擁するかのよう。それは、彼方より見守る人々にさえ伝わる慈愛、護り抜くという覚悟、ヒトの代表としての矜持。
魔王なる存在が聖者として語り継がれることなど決してない。それはこれまでも、これからも。原罪として貶められるために生まれた概念ゆえに、悪の化身という解釈こそが彼にとって正しい在り方となる。しかし、悪のない世界こそが正しいのだろうか? 誰しもが聖人であれば世界は成り立つのだろうか? 否、邪なくして、聖は有り得ない。過ちなくして、正しきは有り得ない。死なくして、生など有り得ない。
――この身は悪の化身。人類のあらゆる苦痛を、無念を、怨嗟を引き受けよう。
聖と邪の二元こそが世界の本質、ヒトの神髄。この世に記憶として刻まれ続けたそれは、ヒトの叡智たる咒いを経て具現し、いずれは神をも屠る刃となる。
――来たるべき秘跡の以前に、偽神の出る幕なし
迫り来る巨神の無情なる愛撫を、闇纏いの魔王はことごとく否定する。飲み込み、塗り潰し、罵倒する。邪知暴虐を体現するのはどちらだと、傲慢にのたまうかのように。
――無情の愛を拒絶され、遂には神自らこの世界を否定しにきたか
ヒトを愛する術を失った巨神が、最期に取った手段。それは――回帰。全てを滅ぼし、全てをやり直す。古に幾度となく取ってきたのだろう、神の悪辣な常套手段。
「……魔王、僕はどうすればいい? 教えてくれ、みんなを……ウルリカを救う手段を」
――神に抗うのは誰か、ここに在るのは誰か、その身に纏うモノは誰か。足るを知れ。
闇纏いの魔王は腑に落ちた、次の一手は決まった。脳裏に囁く彼の言葉は常に正しい。正しきことは人道において、およそ義なること。しかし、時に正しきは不義にも変容する。彼の言葉は常に正しい。努めて彼は正しく――不義に――在ろうとしてるのだろう。
「僕らがヒトの闇よ、煌めく天上の光を覆い隠し、世に暗黒の時代をもたらせ……」
闇纏いの魔王が紡ぐ言葉は、呪文にあらず、あたかも語りかけるよう。その真摯な想いに応えるかのように、久遠の闇は巨神とヒトとを分断する帳を下ろす。大地の悲鳴を、命の嘆きを、人々の祈りを吸い上げて。まさに総力とは、このことを言わんとする言葉だ。
――堪えよ、ひとえに堪えよ。己が双肩には、愛と義の輿を担いたると心得よ。
遥か天地を隔てる久遠の闇、そのくつがえし難き虚構をも切り裂いた神聖なる閃光は、まるで理屈の端々をあげつらい否定する詭弁者の如く。論理の脆弱を一つ一つ穿ち続け、仕舞いには自壊する虫食いと化すまで叩き伏せるつもりなのだろう。
「神の怒りはとても強く激しい。だけど、それでも僕らは――」
――一つの結論に依りて、寄る辺は一人にあらず。世に紡ぎし万象こそが後ろ盾となる。
この世は一枚岩ではない、神の認識をも上回るほどに多様多彩な形質を見せるもの。形なきものを顕す神秘――魔法こそはその証左。天地統御のために打ち込んだ楔は、その神秘をもたらした。まさに人類はプロメテウスの火を獲得したのだ。ただこの場合、天から火を盗み出したのではなく、意図せず零れ落ちた火を見出したと言うべきか。いわば神の過失に他ならない。そして、それこそが神にとって致命的な多様性を人類に許したのだ。
――愚かなり偽神よ、汝らの傲慢にこそヒトの付け入る隙があったのだ。
執念、無念、理念は持ち主なき後もこの世に残存し、それは詠唱、願望、祈念を通して具現化される。あらゆる命が生まれては無数の苦楽を繰り返し、そうして懸命に生を全うしていった者の数だけ、ヒトは多様なる武器を得る。
では、同一の宿命に生まれた者が、同一の旅路を経験し、同一の魔王の手によって最期を迎える、その酷似した一生涯を、千年の歳月を掛けて九十九もの回数繰り返したとしたら? 一体どれほどの執念があっただろうか。一体どれほどの無念があっただろうか。己が死を目的とした旅路に、葛藤がないはずもない。そんな自らの宿命を恨みさえしただろう。今際の際では、過去のあらゆる後悔が胸に去来したはずだ。それでも勇者の名を冠した者達は歌を歌い上げ、願いを託し、祈りを捧げて、散っていった。それはひとえに、真の自由を勝ち取るために。ヒトがせめて人らしく生きていけるように、と。
――偽神よ、汝に愛は理解できぬ。愛ゆえに命託した者らの想いは、永劫理解できぬ。
「生まれたばかりの僕だって、想いの全てを理解するには、まだ若すぎる。だけど、愛の尊さはよく理解しているつもりだ。それが決して、一方的なものではないということも」
世界を覆い尽くした闇の帳は、神の怒りに蝕まれつつあったものの、次第に勢力を取り戻し、飲み込んでいく。世界から光が失われていき、神の威光は人々に届かず。
「神様。貴方のことも、僕はよく知らない。僕達から見れば悪辣な手段で成そうとする目的も、それを目指すようになった経緯も、貴方に恨みを持つほど僕は理解しちゃいない。だから、この言葉がもし届くのなら、戦いなど望んじゃいないんだって分かって欲しい」
――それが可能であるならば、遥か古に決着はついていよう。
「分かってる、多分無理なんだって。だけど僕は、それでも言わなくちゃならないんだ。だって戦いは……犠牲しか、生まないから」
――愚かなり。途方もなき愚かであるがゆえに汝はやはり、アルトリウスである。
「ありがとう、アルトリウス。貴方の使命、今は僕が引き継ぐよ。だからもう、神様。安らかに――お休みください」
世界を覆い尽くした久遠の闇が、一点に収束していく。まるで、敷き広げられた暗幕が折り畳まれていくように。次第に、帳の向こうが見えてきた。だが、視界に映るは見慣れぬ景色、今まで見ていたものとは似ても似つかぬ景色。巨神の完全なる消滅とともに、先ほどまであったはずの山々が――消し飛んでいたのだ。
巨神が胴体のみとなって横たわっていた地面は深々と抉れ、そこから放射状に衝撃波の痕が残るのみ。闇の帳を境界線として、降り積もった雪は疎か、草木の一本も残さず、まっさらで平坦な大地と化していた。山々をも吹き飛ばし、地形をも塗り替えたその波濤、もはや推し量るべくもなく。闇の帳が激甚のそれを防がなければ、セプテムはどうなっていただろうか。想像もしたくない結果が、眼前に広がっていた。
とはいえ、人類は何とか生き延びた。ウルリカもまだ、息がある。そう、闇纏いの魔王は最善を尽くし、その目的を完遂したのだ。神と対峙して、勝利を収めたのだ。これ以上の成果などないと言っても過言ではなく、その偉業はまさに史上最大と言えよう。
嗚呼、彼方よりささやかな勝ち鬨が届く。そこに至っては安堵のほかなく、その途端、張り詰めていた糸が切れた――すると、どうしたことか。視界が暗転する、神経が停止する、思考が途切れる。魔王はただの人間へと戻り、何の変哲もないアクセルが現れた。意識は完全に失われ、一切の反応もなく。
ただ、傍らに抱えたウルリカに寄り添うようにして、アクセルは白雪の上に横たわった。
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