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Chapter-04
Log-054【各位、使命を帯びて】
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暗雲の立ち込める空、水煙のように視界が白むほどの霧雨が頬を撫でる。煉瓦造りの街並みは水気を帯び、淡く寂寞の灰色を湛えていた。先程までの人通りは鳴りを潜め、所々に構えられた喫茶店の中に収まっていた。
水が止まった円形の噴水、その外縁に沿ってくり抜かれたように開けた円形広場。そこに、一行は集まっていた。
ウルリカは目を瞑りながら、犬や猫のような首振り運動で濡れた髪の水滴を飛ばす。目を開いた彼女の眼前には、二台の幌馬車が路上に留めてあった。雨避けとして皺なく張られた帆布から、雨水が滴り落ちている。
車扉を開けて、アクセルとエレインが乗り込んだ。二人は雨水が入らない程度に車窓を開けて、一行に視線を送った。
「アクセル、酔い止め薬は飲んだわね?」
「ああ、うん……なんとかね、飲み込んだよ」
「ならいいわ。あたしの目の届かないとこで他人に迷惑かけられちゃ堪んないわ」
「ハハ……じゃ、じゃあ、ジェラルド団長に事の顛末を伝えて、協力を仰いでくるよ」
「ええ、頼んだわよ。追ってアレクシアが代わりの部隊を向かわせるから」
「まったく、憲兵組織を言い包める前提かよ。チッ……まあアクセル、そこんとこは任せとけ」
「ありがとうございます、アレクシア様。お言葉に甘えさせて頂きます」
アクセルは車窓越しに頭を下げる。アレクシアは溜息を吐きながら片手を挙げた。
「それで、僕はマース様に謁見すればいいんだね? でも、到着してから申請すると、最悪一週間は掛かっちゃうよ?」
「馬鹿ね。既に昨日イングリッドが書状を送ってるわ。あんたが到着する頃には女王の耳にも届いてるはずよ」
「お姉ちゃん……流石、抜かりないね」
「お前も承知だとは思うが、あいつは家族思いの強い娘だ。あのような激突があった直後、私の書斎に来てすぐに書状の作成に取り掛かっていた。何も言わず、いつも通りただ淡々としていたが、お前をしっかりと見定めたがゆえの行動だったのだろう」
「うん! 見送りに間に合わなかったのはちょっと残念だけど、お姉ちゃんの期待を裏切らないように、ちゃんと話しつけてくるね」
「ああ、頼んだぞ」
二人は車窓を閉めて手を振った。レンブラントは手を振り返し、アレクシアは崩した敬礼、ウルリカは軽くあしらうように手を振る。
東に伸びる街道にエレインを乗せた馬車が、北に伸びる街道にはアクセルを乗せた馬車が、水を弾く音を立て、霧に紛れて消えるように走り去っていった。
「さて、俺は一度庁舎に戻る。ウルリカの妙案で増えた業務も残ってることだしな」
「そうね、その件は貴女の手腕を信じて任せるわ」
「へっ、よく言うぜ」
「あたしと父上、それとルイーサはさっきも言った通り、後援者となり得る貴族を当たるわ。上手くいけば私設兵を借り受けられるかもしれないし、他国との人脈を使えるって可能性もある。金銭的な憂慮がほぼ必要ない分、援助に対する実利的な見返りを提案できるのは大きいわね」
「ハプスブルクも随分と融通してくれたもんだぜ……不自然なほどにな」
「だからこそ、常に気を配らないといけないわ。既にイングリッドはその為に動いてくれてるみたいだし」
「卿を悪く言いたくはないが、確かにその心中は、底の無い沼のように読めぬ。動機が悪でないにしろ、犠牲の上に正しき物事が成り立つと信ずるその教義は、危険だ」
「大方、優生的思想の持ち主なんでしょ。あたしも小さい頃は持ってたわ。いつの世にも蔓延り得る考え方よ」
ウルリカは溜息を吐いて首を横に振った。髪から滴る雨水が冷たい。霧雨は止む気配を見せなかった。
―――
「ごめん父上。この近くに来たら、いつも立ち寄ってるのよ。少しだけ時間を頂戴」
「無論だ。親しき者の死を悼む心は、決して忘れてはならないからな」
市街地から離れた労働者住宅街――かつてウルリカがマフィアたちを相手取って過ごした地。比較的、市街地にほど近い場所に、身寄りのない者や貧困層などが葬られる、無縁墓地が広がっていた。お世辞にも整頓されているとは言えないが、その地域では珍しく荒らされてもいない。それが何処の誰の子であれ、皆等しく弔うが如く、霊験なる静寂が漂っていた。
木造りの簡素な墓標が無数に連なる。ウルリカが縫うように進んでいくと、他と比べて何の変哲もない墓標の前で立ち止まった。そこには、フェデーレ・ルチアーノという名の刻印。ウルリカが当時の一件の後、ここに足を運んで立てたものだった。
「あたしの力不足で落とした命。結局、彼の亡骸は見つかってないわ……彼の死を知るのは、あたしと実の兄だけ」
「ならばお前は、このフェデーレという者が生きていた事を忘れないことだ。たったそれだけで、その者の生涯は救われる」
「そう、ね」
ウルリカは膝を折って、ルイーサが持っていた菊の花を貰い、墓前に添えようとした。ふと見ると、雑草の中に混じってよく見えなかったが、横向きに置かれた一輪の花を見つける。不思議に思い、手に取って見ると、明らかに人の手で摘まれたものだった。
「……それは、紫苑ですね」
「そっか……あいつ、意外と弟想いなのね」
薄紫色に染まった紫苑の花。花言葉は追想、君を忘れない。俗に、思い草とも呼ばれる植物。
「ルチアーノという姓は確か、サルバトーレ君の旧姓か。聞いたところによると、彼はアナンデール卿にその生涯を捧げる代わりに、弟が成人するまでは何人も危害を加えぬよう約束していたそうだ。そうか、あの一件で命を落としていたか……大変に因果だったな」
そう言って、レンブラントは手を合わせて祈りを捧げた。同様にルイーサも手を合わせる。ウルリカは手に持った一輪の紫苑を置いて、その隣に菊の花を置いた。
「そう……そんな素振りなんて、当時全く見せなかったくせに」
「彼はその出自ゆえに、弟が巻き込まれぬよう用心していたのではないか? 彼はアナンデール卿という、平然と危ない橋を渡る者と共にいた。常に気を張る必要があったのだろう。実の家族を想わぬ者など、いないものだよ」
ウルリカは体勢そのままに手を合わせ、祈りを捧げた。これが意味のある行為なのか、この行為が彼の魂を救うのか。そんな邪念に等しい思考を振り払い、儀礼を済ました。
「また、来るわ」
ウルリカは立ち上がり、墓標を見つめる。暫くして、空を見上げた。相変わらずの曇天だったが、雨は止んでいた。
踵を返し、ウルリカは二人と共に歩きだす。
水が止まった円形の噴水、その外縁に沿ってくり抜かれたように開けた円形広場。そこに、一行は集まっていた。
ウルリカは目を瞑りながら、犬や猫のような首振り運動で濡れた髪の水滴を飛ばす。目を開いた彼女の眼前には、二台の幌馬車が路上に留めてあった。雨避けとして皺なく張られた帆布から、雨水が滴り落ちている。
車扉を開けて、アクセルとエレインが乗り込んだ。二人は雨水が入らない程度に車窓を開けて、一行に視線を送った。
「アクセル、酔い止め薬は飲んだわね?」
「ああ、うん……なんとかね、飲み込んだよ」
「ならいいわ。あたしの目の届かないとこで他人に迷惑かけられちゃ堪んないわ」
「ハハ……じゃ、じゃあ、ジェラルド団長に事の顛末を伝えて、協力を仰いでくるよ」
「ええ、頼んだわよ。追ってアレクシアが代わりの部隊を向かわせるから」
「まったく、憲兵組織を言い包める前提かよ。チッ……まあアクセル、そこんとこは任せとけ」
「ありがとうございます、アレクシア様。お言葉に甘えさせて頂きます」
アクセルは車窓越しに頭を下げる。アレクシアは溜息を吐きながら片手を挙げた。
「それで、僕はマース様に謁見すればいいんだね? でも、到着してから申請すると、最悪一週間は掛かっちゃうよ?」
「馬鹿ね。既に昨日イングリッドが書状を送ってるわ。あんたが到着する頃には女王の耳にも届いてるはずよ」
「お姉ちゃん……流石、抜かりないね」
「お前も承知だとは思うが、あいつは家族思いの強い娘だ。あのような激突があった直後、私の書斎に来てすぐに書状の作成に取り掛かっていた。何も言わず、いつも通りただ淡々としていたが、お前をしっかりと見定めたがゆえの行動だったのだろう」
「うん! 見送りに間に合わなかったのはちょっと残念だけど、お姉ちゃんの期待を裏切らないように、ちゃんと話しつけてくるね」
「ああ、頼んだぞ」
二人は車窓を閉めて手を振った。レンブラントは手を振り返し、アレクシアは崩した敬礼、ウルリカは軽くあしらうように手を振る。
東に伸びる街道にエレインを乗せた馬車が、北に伸びる街道にはアクセルを乗せた馬車が、水を弾く音を立て、霧に紛れて消えるように走り去っていった。
「さて、俺は一度庁舎に戻る。ウルリカの妙案で増えた業務も残ってることだしな」
「そうね、その件は貴女の手腕を信じて任せるわ」
「へっ、よく言うぜ」
「あたしと父上、それとルイーサはさっきも言った通り、後援者となり得る貴族を当たるわ。上手くいけば私設兵を借り受けられるかもしれないし、他国との人脈を使えるって可能性もある。金銭的な憂慮がほぼ必要ない分、援助に対する実利的な見返りを提案できるのは大きいわね」
「ハプスブルクも随分と融通してくれたもんだぜ……不自然なほどにな」
「だからこそ、常に気を配らないといけないわ。既にイングリッドはその為に動いてくれてるみたいだし」
「卿を悪く言いたくはないが、確かにその心中は、底の無い沼のように読めぬ。動機が悪でないにしろ、犠牲の上に正しき物事が成り立つと信ずるその教義は、危険だ」
「大方、優生的思想の持ち主なんでしょ。あたしも小さい頃は持ってたわ。いつの世にも蔓延り得る考え方よ」
ウルリカは溜息を吐いて首を横に振った。髪から滴る雨水が冷たい。霧雨は止む気配を見せなかった。
―――
「ごめん父上。この近くに来たら、いつも立ち寄ってるのよ。少しだけ時間を頂戴」
「無論だ。親しき者の死を悼む心は、決して忘れてはならないからな」
市街地から離れた労働者住宅街――かつてウルリカがマフィアたちを相手取って過ごした地。比較的、市街地にほど近い場所に、身寄りのない者や貧困層などが葬られる、無縁墓地が広がっていた。お世辞にも整頓されているとは言えないが、その地域では珍しく荒らされてもいない。それが何処の誰の子であれ、皆等しく弔うが如く、霊験なる静寂が漂っていた。
木造りの簡素な墓標が無数に連なる。ウルリカが縫うように進んでいくと、他と比べて何の変哲もない墓標の前で立ち止まった。そこには、フェデーレ・ルチアーノという名の刻印。ウルリカが当時の一件の後、ここに足を運んで立てたものだった。
「あたしの力不足で落とした命。結局、彼の亡骸は見つかってないわ……彼の死を知るのは、あたしと実の兄だけ」
「ならばお前は、このフェデーレという者が生きていた事を忘れないことだ。たったそれだけで、その者の生涯は救われる」
「そう、ね」
ウルリカは膝を折って、ルイーサが持っていた菊の花を貰い、墓前に添えようとした。ふと見ると、雑草の中に混じってよく見えなかったが、横向きに置かれた一輪の花を見つける。不思議に思い、手に取って見ると、明らかに人の手で摘まれたものだった。
「……それは、紫苑ですね」
「そっか……あいつ、意外と弟想いなのね」
薄紫色に染まった紫苑の花。花言葉は追想、君を忘れない。俗に、思い草とも呼ばれる植物。
「ルチアーノという姓は確か、サルバトーレ君の旧姓か。聞いたところによると、彼はアナンデール卿にその生涯を捧げる代わりに、弟が成人するまでは何人も危害を加えぬよう約束していたそうだ。そうか、あの一件で命を落としていたか……大変に因果だったな」
そう言って、レンブラントは手を合わせて祈りを捧げた。同様にルイーサも手を合わせる。ウルリカは手に持った一輪の紫苑を置いて、その隣に菊の花を置いた。
「そう……そんな素振りなんて、当時全く見せなかったくせに」
「彼はその出自ゆえに、弟が巻き込まれぬよう用心していたのではないか? 彼はアナンデール卿という、平然と危ない橋を渡る者と共にいた。常に気を張る必要があったのだろう。実の家族を想わぬ者など、いないものだよ」
ウルリカは体勢そのままに手を合わせ、祈りを捧げた。これが意味のある行為なのか、この行為が彼の魂を救うのか。そんな邪念に等しい思考を振り払い、儀礼を済ました。
「また、来るわ」
ウルリカは立ち上がり、墓標を見つめる。暫くして、空を見上げた。相変わらずの曇天だったが、雨は止んでいた。
踵を返し、ウルリカは二人と共に歩きだす。
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