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4、
自首⑦
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すると刑事さんの居た部屋から女性の刑事さんがたくさんの書類を抱えて出てきた。
「お、来た来た。リサさんの取り調べを行った中村だ。」
村田刑事に紹介された中村という女性の刑事は僕たちの顔を見て軽く微笑んだ。
「刑事さん、影子さんには会えませんか?」
「それがだな……」
「難しいかと思われます。」
「どうしてですか?」
「本人が面会謝絶をしてるのだよ。“資格がないから”とか言ってな。」
「そんな……。」
「一度日を改めた方がいいな。宗太君のお母さんにも話を聞かないといけないからな。」
結局僕たちは日を改めるという事にして、市警を出た。
とはいっても次のバスが来るまでには時間は有り余っていて、秋大の提案で近くのファミレスに入った。
席に案内されたところで意の一番に秋大がガッツリ注文しそうになって、慌てて押さえた。
「は?!ここに来たんだから食うに限るだろ!!」
「あなた馬鹿なんですか?」
「時間つぶすって言ってんだろ。」
「あ、すみません。ドリンクバーお願いします。」
憲司はこういうときにも飄々とマイペースを貫いて注文を済ませた。
「よし、せっかくだし誰がドリンクバー取り行くか決めようか。……じゃんけんで。」
そして拳を突き出した。
「そんな運任せな……。」
「上等だ!」
「勝った人が取りに行きましょう。」
「全部混ぜ決定だな。」
「買ったやつのやることは~?」
「「「「「ぜった~い!!」」」」」
「……もう!!」
こういう時の悪ノリだけは気が合うんだよね、この5人は!!こうなったからには勝つけど!!
「じゃ、いくぞ。じゃんけんぽい!!あいこでしょ!!あいこで……」
ドリンクバーの決定権は僕と秋大が手に入れた。
「くそぉ!!」
「終わった……。」
「胃薬、誰か胃薬持ってませんか!!?」
「最悪吐こう!!」
そこまで言わなくても……。
「俺達のことなんだと思ってんだ!!」
「え?!僕まで疑われてる?!」
「いや、正直2人して危ねぇよ。」
「恨みは怖いですからね……。」
「「何も恨んでないわ!!」」
気がつくと机に6人分のグラスを店員さんが準備してくれていて、僕達はドリンクバーに向かった。
「松岡のやつ、最後まで好き勝手言いやがって~、全混ぜしてやる。」
「もっと言われるよ……。」
「ん……そうか…やめよう。」
秋大はそう言いながらも緑茶に野菜ジュースとコーラを入れていた……あ、某乳酸菌飲料まで入れてる……。
「それにしてもさ、影子さんはどうして誤魔化さなかったんだろうな~。」
「うん……。」
「俺なら多分黙秘はする。」
「……影子さんは自首したくらいだから……覚悟を決めちゃったんだよ……きっと。」
「あ~……まぁそうか。なんかごめんな。」
「いや、大丈夫!!そんな汗びっしょりな顔しないで。」
「汗はさっきからかいてたわ!」
秋大は吹き出すように笑ってから僕の背中を叩いた。
その勢いで汲んでいた飲み物が半分くらいこぼれた。
「あ……まじでわりぃ。」
「……汲み直す。」
「いや、このまま行こうぜ。」
「えぇ……。」
「まぁ見てろって。」
秋大はにんまり口角を上げてから、先に席に向かっていった。あとを着いていくと、案の定半分しかない飲み物にみんなの目が向いた。
「宗太……こぼしたな?」
「あ……うん。」
「はぁ……秋大君ですか。」
「……え?」
「これだから秋大は……。」
秋大は僕の耳に顔を近づけた。
「普段の行いも使いようなんだよ。」
にひひと笑った秋大はその笑顔のまま透にさっきの混ぜまくっていたものを押し付けた。
「はい、俺ブレンド。」
「一応確認しますけど……この層は何ですか?」
「野菜ジュース。」
「匂いがカ〇ピスなんですけど?!」
「え、緑茶いなくなった?」
「さっいあくですよ、もう!!」
透は真っ青な顔をして刺されていたストローで中身をかき混ぜてグラスを傾げた。
「ははっ、ざまぁみろ!!」
みんなの一気コールを聞きながる完飲した透は少しハイテンションになった。
「透……。」
「宗太君……今すぐここに水汲んで貰えますか……。」
「うん、わかった!!」
「お、来た来た。リサさんの取り調べを行った中村だ。」
村田刑事に紹介された中村という女性の刑事は僕たちの顔を見て軽く微笑んだ。
「刑事さん、影子さんには会えませんか?」
「それがだな……」
「難しいかと思われます。」
「どうしてですか?」
「本人が面会謝絶をしてるのだよ。“資格がないから”とか言ってな。」
「そんな……。」
「一度日を改めた方がいいな。宗太君のお母さんにも話を聞かないといけないからな。」
結局僕たちは日を改めるという事にして、市警を出た。
とはいっても次のバスが来るまでには時間は有り余っていて、秋大の提案で近くのファミレスに入った。
席に案内されたところで意の一番に秋大がガッツリ注文しそうになって、慌てて押さえた。
「は?!ここに来たんだから食うに限るだろ!!」
「あなた馬鹿なんですか?」
「時間つぶすって言ってんだろ。」
「あ、すみません。ドリンクバーお願いします。」
憲司はこういうときにも飄々とマイペースを貫いて注文を済ませた。
「よし、せっかくだし誰がドリンクバー取り行くか決めようか。……じゃんけんで。」
そして拳を突き出した。
「そんな運任せな……。」
「上等だ!」
「勝った人が取りに行きましょう。」
「全部混ぜ決定だな。」
「買ったやつのやることは~?」
「「「「「ぜった~い!!」」」」」
「……もう!!」
こういう時の悪ノリだけは気が合うんだよね、この5人は!!こうなったからには勝つけど!!
「じゃ、いくぞ。じゃんけんぽい!!あいこでしょ!!あいこで……」
ドリンクバーの決定権は僕と秋大が手に入れた。
「くそぉ!!」
「終わった……。」
「胃薬、誰か胃薬持ってませんか!!?」
「最悪吐こう!!」
そこまで言わなくても……。
「俺達のことなんだと思ってんだ!!」
「え?!僕まで疑われてる?!」
「いや、正直2人して危ねぇよ。」
「恨みは怖いですからね……。」
「「何も恨んでないわ!!」」
気がつくと机に6人分のグラスを店員さんが準備してくれていて、僕達はドリンクバーに向かった。
「松岡のやつ、最後まで好き勝手言いやがって~、全混ぜしてやる。」
「もっと言われるよ……。」
「ん……そうか…やめよう。」
秋大はそう言いながらも緑茶に野菜ジュースとコーラを入れていた……あ、某乳酸菌飲料まで入れてる……。
「それにしてもさ、影子さんはどうして誤魔化さなかったんだろうな~。」
「うん……。」
「俺なら多分黙秘はする。」
「……影子さんは自首したくらいだから……覚悟を決めちゃったんだよ……きっと。」
「あ~……まぁそうか。なんかごめんな。」
「いや、大丈夫!!そんな汗びっしょりな顔しないで。」
「汗はさっきからかいてたわ!」
秋大は吹き出すように笑ってから僕の背中を叩いた。
その勢いで汲んでいた飲み物が半分くらいこぼれた。
「あ……まじでわりぃ。」
「……汲み直す。」
「いや、このまま行こうぜ。」
「えぇ……。」
「まぁ見てろって。」
秋大はにんまり口角を上げてから、先に席に向かっていった。あとを着いていくと、案の定半分しかない飲み物にみんなの目が向いた。
「宗太……こぼしたな?」
「あ……うん。」
「はぁ……秋大君ですか。」
「……え?」
「これだから秋大は……。」
秋大は僕の耳に顔を近づけた。
「普段の行いも使いようなんだよ。」
にひひと笑った秋大はその笑顔のまま透にさっきの混ぜまくっていたものを押し付けた。
「はい、俺ブレンド。」
「一応確認しますけど……この層は何ですか?」
「野菜ジュース。」
「匂いがカ〇ピスなんですけど?!」
「え、緑茶いなくなった?」
「さっいあくですよ、もう!!」
透は真っ青な顔をして刺されていたストローで中身をかき混ぜてグラスを傾げた。
「ははっ、ざまぁみろ!!」
みんなの一気コールを聞きながる完飲した透は少しハイテンションになった。
「透……。」
「宗太君……今すぐここに水汲んで貰えますか……。」
「うん、わかった!!」
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