154 / 184
第三部 カツランダルク戦記 『第一章・本当の支配者』
32 会合
しおりを挟む
「とんでもないのが直々にきちゃいましたね」
「やばいですよ……」
「これ、アタシたち全員つかまえられて肉便器にされるのかしら……」
配下のサキュバスらがざわめきだしたのは、トーリがコーザと顔を合わせる10分前のことだった。コーザらが転移魔法でナーガハーマに降り立ったちょうどその時だ。
教主コーザ。敵は予想をはるかに上回る強敵。サキュバスらの見立てはこうだった。城の執務室でマイヤが出してきた城郭の大改造計画書を眺めていたトーリは、他のサキュバス達と同じようにびくびくとしていたシャロンに呼びかけた。
「勝てる?」
「だ、誰がです?」
「もちろんあなたに決まっているじゃない。シャロン、コーザを追い払えそう?」
シャロンは腕を持ち上げて交差させた。絶対に無理。シャロンは両方の掌を上に向けた。ぽん、と煙が起きると両側にガラスがついた短い筒が現れた。
「それ、なあに?」
「『すかうたー』という道具です。魔力を数値としてはかれる便利な道具ですよ」
最近、イーガの王様に呼ばれっぱなしなカミラがくれたものです。あれはカミラが口実をつけて行っているのだとトーリは笑った。カミラはあの老王のちんぽと愛撫にのめり込んでいる。昔いた恋人に似ているからもあった。
この『すかうたー』という道具は大昔に発明者がいたのだが、それをマイア=テクニカが大改良して再現させたものである。イーガやシマナミスタンの魔法教育機関に出回っているそうな。我が国も必要になってくるだろうとトーリはつぶやいた。
「とりあえず、お出ましということだしお迎えにあがるわ」
「服を全部脱いで這いつくばりながら、命乞いをした方が良いくらいですよ?」
「ふふ……パラッツォの教主様であればおまんこで赦しを乞うほうが早いわ」
シンプルなドレスをまとっているだけだが、それに防寒具を羽織ってお願い、とトーリはシャロンに呼びかける。転移魔法はもう使えるだろうにとシャロンが言い訳をすると、トーリはふふん、と笑った。
「おじょうさまを1人で向かわせる気? 出迎えの時に侍女が1人2人いるのが普通でしょ?」
□ □ □ □ □
身近に見るコーザはシャロンにとって、恐ろしいと言う他に無かった。
2メートル程の背丈と鍛え上げられた武者の様な体格。弁髪にした異様な頭と全身から発する淫らであっても清らかなと思わせる、強い気配。股間のあたりからかすかに漂ってくる精液のにおいは、サキュバスでも容易に孕ませそうな妖気に満ちていた。
他の2人のニンゲンらしき男達も油断はならないだろう。精液イーターとも言うべき種族一員である彼女は、トーリの淫気によって不随射精をしてしまったカヅノ兄弟のにおいを嗅いだ。人を孕ませに来るやつのにおいだ。子宮が疼きだしたけど関わらないでおこう。とりあえず、その2人がどれだけの魔力があるか測ってみた。
「……背が高いのは魔法力300万。低いのは360万……ニンゲンの魔道士のくせに、すごいわ」
「どのくらいにすごいの?」
シャロンと同じように身を伏せながら、小さなブラシで髪をすいていたトーリが尋ねた。カミラとワタシの2人がかりでも勝てないかもしれないと答えた。カミラが350万ぐらいでシャロンは320万に届くか届かないかなのに。
理由はサキュバスが得意な魔法術式である。残念ながら魔族の多くは、魔力量こそたくさんあるが、戦いに関係しない魔法しか扱えない者が多く、サキュバスはその最たる例だった。戦闘用の術式が不得手なのだ。
炎の弾や氷の塊を飛ばす魔法とかになると魔力の消費量が3倍にも4倍にも膨れ上がってしまう。それなのにできるものは普通の魔道士の半分以下の大きさ。サキュバスの戦士は武器の扱い方に慣れるしか無かった。イーガの王子・アドルフを襲撃したメグとノンとマミも、師範をつけて武術を学んだから身であった。
「コーザは?」
「ざっと1億。端数切捨てです」
「それってどれくらいすごいのかしら?」
「魔界の大貴族と同格ですよ。それも最高クラスの。魔界が勧誘する場合は重職を用意することでしょう」
素晴らしいわ。そうつぶやきながらトーリが立ち上がった。髪をすき終わったからだ。窪地からこっそりと這い出て、いきなり現れたという演出でコーザ達の前に現れた。
出る前にシャロンはトーリの魔力を測っていた。魔法力600万。おまんこや腋のあたりから放たれ、全身をまとう淫気は魔力とは言えない。魔力量としては上級のサキュバスのかなり良い方と互角だが、コーザに勝てるとは到底思えなかった。
(おじょうさまを1人にする気?)
トーリに急かされてシャロンも立ち上がった。それがコーザらに見えてしまい、もとから隠れていたのがばれて演出は台無しになってしまった。
「ひょうきんな事をお考えですね。けれど、気づかぬうちに転移魔法で近くに来られるとは、なかなかのものです」
コーザが深々と頭を下げる。トーリはドレスのスカートを軽くつまんで挨拶した。
「こちらこそ。お初にお目にかかりますわ、コーザ=ストーンマウント様」
シャロンと腰砕けのままだったサトシも頭をさげた。しかし、セイジは下げなかった。表情には侮りの顔が浮かんでいた。
「本日来られた理由をお尋ねいたしましょうか、教主様?」
「いえ。将来のホーデンエーネンの支配者となられるお方のお顔を見てみたいと思っただけです。他に理由はございません」
「うふふ。それだけではございませんでしょうに? 調子に乗っている小娘を、懲らしめに参ったのでしょう?」
懲らしめるなんて恐れ多い。コーザはセイジが、トーリに対して強い敵意を抱いているのを背中で感じ取った。まずい、仕掛けるおつもりですね。教主は印を切って自分の背後に広く大きな見えない『壁』を築いた。一切の魔法を寄せ付けないという神聖術式による結界だ。
(……『マルタの防塁』の術式かッ! コーザめ!)
その術式は枢機卿らが教えたものだ。しかし彼等が使えるのは距離20メートル、高さ5メートル程。しかしコーザはその5倍を易々とやってのけた。実力を思い知らせて軽挙妄動を封じるつもりで為したものだった。
全く見えない、しかも異質の術式による魔法であったが、それはトーリとシャロンにもわかるものだった。後から様子を伺いにやって来たサキュバスらも度肝を抜かれていた。凄まじい魔法を前にして、彼女達は小便をちびりながら子宮に受胎の準備を施していた。ショックによる排卵もつけてだ。
しかし、である。魔の者と枢機卿らを畏怖させる魔法を前にしても、トーリは好奇心いっぱいに目を輝かせているだけであった。
「わあ……すごい魔法♡ どんな術式なのですか?」
「あそこの2人、カヅノ=サトシさんとセイジさんが教えてくれた神聖魔法という術式です。どうやら異界で隆盛をほこる魔法のようですね。私が扱えるのはほんの少しといった程度ですが」
「ホーデンエーネンと仲直りした暁には、是非とも私にも教えてくださいね?」
物怖じせずにトーリが呼びかけるとコーザは優し気に微笑んだ。その和平の条件の1つを今晩言いに来たのだ。
「では、その手始めにですが」
「あら、早速交渉ですね。いいわ。王様からは私からお伝えしますから」
「このナーガハーマで街づくりに関わる、パラッツォ教徒の皆さんを全員返還していただきたいのですが?」
笑みを浮かべていたトーリの顔が真顔になった。それ、吞めないわ。条件として不適切だから。だめ。
「お断りいたします」
「何故でしょう? 別に私は出ていった方々を処刑や重労働に服させたりはしないつもりです。皆さんの身の安全は保証いたしましょう。エチウから交代の兵も派遣しておりますし、国元で4年間の休養期間を与えるつもりでございますが?」
「やって来た5万人は私とマイヤの都の為に働いてもらうの。いいえ、マイヤの夢をかなえる為の5万人よ。それと、私と侍女らは毎日工事現場を回って、みんなを励ましているから大丈夫よ。心配いらないから」
励ましているというのは口とヴァギナでちんぽに奉仕をしているという意味だ。トーリらは工事現場を回り、休憩中の従事者に身体を預けていた。毎日が汗まみれの精液まみれ。セイン王からは「汗くさくなったなあ」と言われる始末である。
「……そうですか。それは残念です。また日を改めて伺うことにいたしましょう」
コーザはくるりと背中を向けた。壁もいつの間にか消えている。トーリは面を喰らった様子だった。パラッツォ教徒のあるじと会えたのだから、とても気持ちがいいひと悶着があってもいいはずなのに。
「あれ、教主様? もうお帰りですの?」
「ええ。貴方のお美しいお顔を拝見できただけで満足です。今度は貢物をそろえてお伺いに上がります」
「……もうすでに持参しているのに? 教主様は『聖根』という、目に見えぬ家宝をお持ちになられているとお聞きしましたけれど?」
そう来ますか。 しかしあれは贈呈用とは言い難い。むしろ決着をつける時に扱うものだ。2人の話に付き合わされて苛立っていたカヅノ=セイジが動いていた。彼の頭上に青色の丸い輪っかが浮かび上がった。本気を出した時の神聖術式を扱うときに出るものだった。
「恐れ多い! 小娘、コーザ殿の前にこの俺がたっぷりと『味試し』させてもらう!」
トーリの回りに光がいくつも起こった。目が眩んでしまったトーリだが、視界が戻った頃に強い縛りの力を全身に感じていた。動けなかった。コーザはカヅノ=セイジをたしなめようとする。
「セイジさん、失礼なことを……」
「言っても無駄! 教主殿、この思いあがった生意気な女をわからせてやりましょう! さあ、トーリ=カツランダルク、この俺の『異端諮問者の縛り縄』から逃れることができるか? 出来ないなら、服を脱いで股を開きながら赦しを乞え! わははははッ!」
「やばいですよ……」
「これ、アタシたち全員つかまえられて肉便器にされるのかしら……」
配下のサキュバスらがざわめきだしたのは、トーリがコーザと顔を合わせる10分前のことだった。コーザらが転移魔法でナーガハーマに降り立ったちょうどその時だ。
教主コーザ。敵は予想をはるかに上回る強敵。サキュバスらの見立てはこうだった。城の執務室でマイヤが出してきた城郭の大改造計画書を眺めていたトーリは、他のサキュバス達と同じようにびくびくとしていたシャロンに呼びかけた。
「勝てる?」
「だ、誰がです?」
「もちろんあなたに決まっているじゃない。シャロン、コーザを追い払えそう?」
シャロンは腕を持ち上げて交差させた。絶対に無理。シャロンは両方の掌を上に向けた。ぽん、と煙が起きると両側にガラスがついた短い筒が現れた。
「それ、なあに?」
「『すかうたー』という道具です。魔力を数値としてはかれる便利な道具ですよ」
最近、イーガの王様に呼ばれっぱなしなカミラがくれたものです。あれはカミラが口実をつけて行っているのだとトーリは笑った。カミラはあの老王のちんぽと愛撫にのめり込んでいる。昔いた恋人に似ているからもあった。
この『すかうたー』という道具は大昔に発明者がいたのだが、それをマイア=テクニカが大改良して再現させたものである。イーガやシマナミスタンの魔法教育機関に出回っているそうな。我が国も必要になってくるだろうとトーリはつぶやいた。
「とりあえず、お出ましということだしお迎えにあがるわ」
「服を全部脱いで這いつくばりながら、命乞いをした方が良いくらいですよ?」
「ふふ……パラッツォの教主様であればおまんこで赦しを乞うほうが早いわ」
シンプルなドレスをまとっているだけだが、それに防寒具を羽織ってお願い、とトーリはシャロンに呼びかける。転移魔法はもう使えるだろうにとシャロンが言い訳をすると、トーリはふふん、と笑った。
「おじょうさまを1人で向かわせる気? 出迎えの時に侍女が1人2人いるのが普通でしょ?」
□ □ □ □ □
身近に見るコーザはシャロンにとって、恐ろしいと言う他に無かった。
2メートル程の背丈と鍛え上げられた武者の様な体格。弁髪にした異様な頭と全身から発する淫らであっても清らかなと思わせる、強い気配。股間のあたりからかすかに漂ってくる精液のにおいは、サキュバスでも容易に孕ませそうな妖気に満ちていた。
他の2人のニンゲンらしき男達も油断はならないだろう。精液イーターとも言うべき種族一員である彼女は、トーリの淫気によって不随射精をしてしまったカヅノ兄弟のにおいを嗅いだ。人を孕ませに来るやつのにおいだ。子宮が疼きだしたけど関わらないでおこう。とりあえず、その2人がどれだけの魔力があるか測ってみた。
「……背が高いのは魔法力300万。低いのは360万……ニンゲンの魔道士のくせに、すごいわ」
「どのくらいにすごいの?」
シャロンと同じように身を伏せながら、小さなブラシで髪をすいていたトーリが尋ねた。カミラとワタシの2人がかりでも勝てないかもしれないと答えた。カミラが350万ぐらいでシャロンは320万に届くか届かないかなのに。
理由はサキュバスが得意な魔法術式である。残念ながら魔族の多くは、魔力量こそたくさんあるが、戦いに関係しない魔法しか扱えない者が多く、サキュバスはその最たる例だった。戦闘用の術式が不得手なのだ。
炎の弾や氷の塊を飛ばす魔法とかになると魔力の消費量が3倍にも4倍にも膨れ上がってしまう。それなのにできるものは普通の魔道士の半分以下の大きさ。サキュバスの戦士は武器の扱い方に慣れるしか無かった。イーガの王子・アドルフを襲撃したメグとノンとマミも、師範をつけて武術を学んだから身であった。
「コーザは?」
「ざっと1億。端数切捨てです」
「それってどれくらいすごいのかしら?」
「魔界の大貴族と同格ですよ。それも最高クラスの。魔界が勧誘する場合は重職を用意することでしょう」
素晴らしいわ。そうつぶやきながらトーリが立ち上がった。髪をすき終わったからだ。窪地からこっそりと這い出て、いきなり現れたという演出でコーザ達の前に現れた。
出る前にシャロンはトーリの魔力を測っていた。魔法力600万。おまんこや腋のあたりから放たれ、全身をまとう淫気は魔力とは言えない。魔力量としては上級のサキュバスのかなり良い方と互角だが、コーザに勝てるとは到底思えなかった。
(おじょうさまを1人にする気?)
トーリに急かされてシャロンも立ち上がった。それがコーザらに見えてしまい、もとから隠れていたのがばれて演出は台無しになってしまった。
「ひょうきんな事をお考えですね。けれど、気づかぬうちに転移魔法で近くに来られるとは、なかなかのものです」
コーザが深々と頭を下げる。トーリはドレスのスカートを軽くつまんで挨拶した。
「こちらこそ。お初にお目にかかりますわ、コーザ=ストーンマウント様」
シャロンと腰砕けのままだったサトシも頭をさげた。しかし、セイジは下げなかった。表情には侮りの顔が浮かんでいた。
「本日来られた理由をお尋ねいたしましょうか、教主様?」
「いえ。将来のホーデンエーネンの支配者となられるお方のお顔を見てみたいと思っただけです。他に理由はございません」
「うふふ。それだけではございませんでしょうに? 調子に乗っている小娘を、懲らしめに参ったのでしょう?」
懲らしめるなんて恐れ多い。コーザはセイジが、トーリに対して強い敵意を抱いているのを背中で感じ取った。まずい、仕掛けるおつもりですね。教主は印を切って自分の背後に広く大きな見えない『壁』を築いた。一切の魔法を寄せ付けないという神聖術式による結界だ。
(……『マルタの防塁』の術式かッ! コーザめ!)
その術式は枢機卿らが教えたものだ。しかし彼等が使えるのは距離20メートル、高さ5メートル程。しかしコーザはその5倍を易々とやってのけた。実力を思い知らせて軽挙妄動を封じるつもりで為したものだった。
全く見えない、しかも異質の術式による魔法であったが、それはトーリとシャロンにもわかるものだった。後から様子を伺いにやって来たサキュバスらも度肝を抜かれていた。凄まじい魔法を前にして、彼女達は小便をちびりながら子宮に受胎の準備を施していた。ショックによる排卵もつけてだ。
しかし、である。魔の者と枢機卿らを畏怖させる魔法を前にしても、トーリは好奇心いっぱいに目を輝かせているだけであった。
「わあ……すごい魔法♡ どんな術式なのですか?」
「あそこの2人、カヅノ=サトシさんとセイジさんが教えてくれた神聖魔法という術式です。どうやら異界で隆盛をほこる魔法のようですね。私が扱えるのはほんの少しといった程度ですが」
「ホーデンエーネンと仲直りした暁には、是非とも私にも教えてくださいね?」
物怖じせずにトーリが呼びかけるとコーザは優し気に微笑んだ。その和平の条件の1つを今晩言いに来たのだ。
「では、その手始めにですが」
「あら、早速交渉ですね。いいわ。王様からは私からお伝えしますから」
「このナーガハーマで街づくりに関わる、パラッツォ教徒の皆さんを全員返還していただきたいのですが?」
笑みを浮かべていたトーリの顔が真顔になった。それ、吞めないわ。条件として不適切だから。だめ。
「お断りいたします」
「何故でしょう? 別に私は出ていった方々を処刑や重労働に服させたりはしないつもりです。皆さんの身の安全は保証いたしましょう。エチウから交代の兵も派遣しておりますし、国元で4年間の休養期間を与えるつもりでございますが?」
「やって来た5万人は私とマイヤの都の為に働いてもらうの。いいえ、マイヤの夢をかなえる為の5万人よ。それと、私と侍女らは毎日工事現場を回って、みんなを励ましているから大丈夫よ。心配いらないから」
励ましているというのは口とヴァギナでちんぽに奉仕をしているという意味だ。トーリらは工事現場を回り、休憩中の従事者に身体を預けていた。毎日が汗まみれの精液まみれ。セイン王からは「汗くさくなったなあ」と言われる始末である。
「……そうですか。それは残念です。また日を改めて伺うことにいたしましょう」
コーザはくるりと背中を向けた。壁もいつの間にか消えている。トーリは面を喰らった様子だった。パラッツォ教徒のあるじと会えたのだから、とても気持ちがいいひと悶着があってもいいはずなのに。
「あれ、教主様? もうお帰りですの?」
「ええ。貴方のお美しいお顔を拝見できただけで満足です。今度は貢物をそろえてお伺いに上がります」
「……もうすでに持参しているのに? 教主様は『聖根』という、目に見えぬ家宝をお持ちになられているとお聞きしましたけれど?」
そう来ますか。 しかしあれは贈呈用とは言い難い。むしろ決着をつける時に扱うものだ。2人の話に付き合わされて苛立っていたカヅノ=セイジが動いていた。彼の頭上に青色の丸い輪っかが浮かび上がった。本気を出した時の神聖術式を扱うときに出るものだった。
「恐れ多い! 小娘、コーザ殿の前にこの俺がたっぷりと『味試し』させてもらう!」
トーリの回りに光がいくつも起こった。目が眩んでしまったトーリだが、視界が戻った頃に強い縛りの力を全身に感じていた。動けなかった。コーザはカヅノ=セイジをたしなめようとする。
「セイジさん、失礼なことを……」
「言っても無駄! 教主殿、この思いあがった生意気な女をわからせてやりましょう! さあ、トーリ=カツランダルク、この俺の『異端諮問者の縛り縄』から逃れることができるか? 出来ないなら、服を脱いで股を開きながら赦しを乞え! わははははッ!」
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる