想愛

小谷野 天

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9章

春一番

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 長かった冬が、だんだんと春の色になっていく。
 まだ少し道路に残る汚れた雪は、誰にも気付かれなくなった冬の忘れ物のようだ。

 3月の終わり。
 人事異動があり、紗和は航大や真衣と離れ、秘書課へ異動となった。
 想像とできない場所へ異動となった紗和は、真衣に初めて、仕事の事で愚痴をこぼした。
「秘書課なんて、絶対嫌。」
「紗和、これからスーツで職場にこなきゃね。」
「もう、考えるだけで嫌。」
「行きたくても行けない場所なんだから、大抜擢よ。会社の女子職員の中でもエリート集団なんだから。」
「真衣が行ってよ。」
「2人で何揉めてるの?」
 航大がきた。
「紗和が異動したくないって。」
「紗和には、1番似合わない場所だからな。」
 航大はそう言った。
「もしかして、みんなでここから私を追い出したの?」
「そんなわけないだろう。」
 航大と真衣は笑った。
「紗和、いなくなったら困るんだよ。」
 真衣は紗和の肩を掴んだ。
「じゃあ、課長に頼んでここに置いてもらう。」
 航大は、初めて自分の気持ちを出している紗和は、本当に異動が嫌なんだろう、そう感じた。こんな風に人に話せるようになるなんて、この会社に入った頃の紗和には、想像ができなかった。
「往生際が悪いな。諦めて、化粧の練習したらどうだ。」
 航大が言った。
「髪もね、少し明るくした方がいいかも。」
 真衣が紗和の髪を触る。
「嫌だよ。」
「紗和がそう言ってても、秘書課の女課長にしっかり指導されるから。」

 5月。
 秘書課に異動した紗和は、航大と駅で会った。
「紗和、久しぶりだな。すっかり変わってわからなかったよ。」 
「そう。」
 紗和は硬い表情をしていた。
「藤原くんは、忙しい?」
「忙しいよ。紗和の仕事、みんなで分担してやってるから。」
「そっか。」
 紗和は目が泳いでいた。
「そんな浮かない顔をして、どうした?」
 航大は、紗和の肩を掴んだ。
「大丈夫だよ。ちょっとお腹減っただけ。」
「なんか、食べていくか?せっかく久しぶりに会えたんだし。」
「ううん。帰る。」
 紗和は改札を通っていった。
 1人で生きていくって決めた時は、もっと肩が意地を張っているように見えたけど。それにあの頃は、小さな背中なのに、誰も寄せ付けない厚い壁があったよな。
 あっという間に消えていく紗和の後ろ姿は、人混みの中で、今にも砕けてしまいそうだった。
 
 次の日。
 航大がエレベーターに乗ろうとすると、秘書課の課長と紗和が一緒に乗ってきた。
 紗和が航大に気がついて目をやると、
「夏川さん、今から言う事、メモをして。」
 秘書課の女課長は、今日の予定を、紗和に早口で言った。
 ドアが開いて、課長はコツコツとヒールの音を立てて、遅れがちの紗和を振り返る事なく歩いて行った。

「うちの会社は、秘書課だけは未だに封建的なんだんだよ。」  
 廊下を通りかかった課長がそう言った。
「課長、夏川には無理なんじゃないですか?」
「こればっかりはね。あの女課長が、夏川さんを是非にって指名したんだよ。自分がこれから育てたいってさ。夏川さんって、浮いた噂もないだろう。結婚して辞めていかれないよう、あの課長は、そんな女性ばかりを集めてるって噂がある。それでも、うちの秘書達はみんな優秀だし、あの課長が教育した賜物だっていう人もいるよ。夏川さんは弱音を吐かないからね。数ヶ月後にはぜんぜん違う人になって、バリバリ仕事してるかもしれないって、思うしかないだろう。」
「このまま潰れる可能性だってありますよ。そうなる前に、また課長の下で働けるようにしてくださいよ。」
「それはダメだよ、藤原くん。秘書課には、誰も口を出せない。それに、秘書課を去る時は、会社を辞める時だって言われてる。あの場所に行ったら、別の部所に異動する事なんかほとんどなくて、いつの間にか、職員の入れ替わりが行われている。そういう意味では、夏川さんはちょっと可哀想だな。そうだ、藤原くんが結婚してやればいいだろう。扶養の範囲で働くからって、半日勤務の臨時職員で、うちに戻ってきてくれたら、助かるんだけどな。
「男と女って、まだまだ差別があるんですね。」
「急に男女平等とか言われても、それに慣れてない幹部達には、どうする事もできないよ。」

 昼休み。
「紗和。」
 航大は、公園で足を擦っている紗和に、声を掛けた。
「藤原くんに恥ずかしい所、見られちゃったね。」
「仕事、大変そうだな。」
「私が落ちこぼれだから。」
「何、言ってるんだよ。あの課長、ずいぶん厳しそうだな。」
「すごく仕事ができる人だよ。」
 紗和は心がここに無いようだった。
「今日、何時に終わる?」
「何時だろう、21時頃になるかな。」
「俺も残ってるから、終わったら一緒に帰るぞ。」
 紗和は首を振った。
「もう、行くね。」
 紗和が行った後に、冷たい強い風が吹いた。 
 夕方、秘書課に紗和を迎えに行くと、そこにいた女性が、どなたにご用事ですか?と聞いてきた。
「夏川さん、います?」
 笑顔だけど、不思議と目が笑っていない女性は、
「夏川なら、部長について取引先を回っております。」
 そう言った。
「帰りは何時になりますか?」
「もうそろそろこちらに戻ってくるとは思いますが、このあと、学習会があるんです。個人的な連絡なら、別の方法にしてください。」
 女性は扉を閉めた。
 そこにいる女性のほとんどが、丁寧に化粧を直してる姿を見て、航大はゾッとした。
 女って、あんなふうに作られるのかよ。
 
 6月の終わり。
 紗和が休みを取っているという様だと、真衣が言った。
 少し前から、風邪を引いたと言っていたのは知っていたが、もう2週間も、会社に来ていないらしい。
「航大、紗和が地雷を踏んでしまったよ。」
 真衣はそう言った。
  
 仕事が終わった後、航大は紗和の家に向かっていた。
 湊と真衣も来ると言ったが、2人だけで話しがしたいと航大は1人で行くと言って聞かなかった。
 
 真衣は昨夜、優佳に連絡していた。
 心配した優佳が、健一に紗和の話しをして、紗和の家に行くように伝えていた。

「紗和、大丈夫か?」
 先に紗和の家に着いたのは、健一だった。
 Tシャツに短パンで玄関に出てきた紗和は、
「どうぞ。」
 と健一を中に入れた。
 すんなり中に入れる事も驚いたが、人が住んでいるとは思えない、薄暗く殺風景な部屋に、健一は言葉が出なかった。
 テーブルも何もない床には、鏡と化粧品がキレイに並んで置かれている。
「いつから、こんな生活してるんだよ。」
「前からだよ。」
 紗和はうっすら笑っている。
「紗和、どうしたんだよ?」
 健一が紗和の肩を揺すると、紗和はバランスを崩し、その場に座り込んだ。
「俺と別れた時だって、こんなならなかっただろう。」
「そうだね。」
「紗和。もう、会社を辞めよう。」
「明日は行けるようになるから、大丈夫。」
「ダメだ。これ以上会社に行ったら、壊れてしまうよ。明日、一緒に病院に行こう。」
「大丈夫だって。」  
 紗和は立ち上がった。
「藤原くん、何か飲む?」
「俺は健一だよ。」
「嘘ばっかり。」
「コンタクト入ってないんだろう、見えなくても仕方ないか。」
 健一は紗和の隣りに並んだ。
「健一が、ここに来るわけないじゃん。」
「紗和、良く見てみろ。」
 健一は紗和に顔を近づけた。
「今日は家に帰ろう。」
「行かないよ。」
 紗和は言った。
「ダメだよ。このままここにいたら、死んでしまうよ。」
「本当、このまま、死ねたら楽なのにね。」
 カップが見つからず、床にしゃがみ込んだ紗和を、健一はベッドに寝かせた。
 枕元には、前に紗和の家に来た時に、手に取った本が、置いてあった。
「このタロとジロの本、ずっとあるんだな。」
「藤原くんがくれた本でね。時々、読むの。どんなに考えたって、ひどい事をしたのは人間なのに、なんで生き延びたか、そればっかり書かれてる。」
 健一は紗和の髪を撫でる。
「そっか。」 
「私ね、どうやって笑ったらいいかわからなくなった。」
 健一は紗和の頬を触った。
「うん、辛かったね。」
「あんなに強かったはずなのに、誰かと会うのが怖くなって。」
 紗和は健一の手を握った。
「わかったよ。」
 健一は紗和の横に並ぶと、紗和を優しく抱きしめた。
 紗和は健一の胸で目を閉じた。
 どれくらい眠ってなかったんだろう。紗和の目の下にできたクマは、青白い顔に張り付いている様だった。
  
 紗和。
 あれから、何人かの女の子と、話してみたんだよ。遊びに行った事だってある。
 だけど、強がりな紗和と過ごした時間が忘れられない俺には、女の子の言う事が、みんな嘘の言葉に聞こえるんだ。
 本当の気持ちは、誰にも言わないから真実になる様な感じがして、嬉しいとか、楽しいとか当たり前に言える女の子が、なんだか信じられなくなったんだ。
 何も言わなくても、隣りで笑ったり、考えたりしている紗和に、慣れすぎてしまったんだね。

 健一は紗和の父親に電話を掛けた。
「今から、そこに迎えに行くから。」
 紗和の父親は、そう言って電話を切った。
 
 眠っている紗和に布団を掛けると、航大がやってきた。
「健一。」
「航大。」
「健一が、なんでここにいるんだよ。」
「優佳から連絡をもらってね。」
「お前にはもう、関係ないだろう。会社で起きた事なんだし。」
「航大、これは会社の事ばかりが原因じゃないよ。これから、親父さんが迎えにきてくれる事になってるから。」
「紗和を連れて行くのか?」
「大丈夫、少し寝たら、元気になる女だよ。また、会社に行けるようになるから。」
「簡単に言うなよ、紗和が今いる場所は、大変な所なんだって。」
「あの会社なら、航大やみんなが味方してくれるから、大丈夫だよ。」
「違うんだって、秘書課は俺達には近寄れない場所なんだって。」
「そんな部所があるなんて、やっぱり大きな会社は違うよな。紗和が本気で仕事したら、そんなやつら、尻尾巻いて逃げていくよ。」
「こんな状態で、そんな風に戻れるのかな。」
 航大は布団に包まる紗和に近づいた。
「もう少し、早く気づいていたらなぁ。」
「元気になったら、また1人で生きていけるって言い出すよ。」
「そうしたら、お前と喧嘩してでも俺のものにするよ。」 
 航大は笑った。

 紗和の父親が迎えにきた。
「紗和は?」
 父の《良樹》が紗和の元へ行った。
「お父さん。」
 紗和が目を覚ました。
「ごめんなさい。お父さん。」
「何、言ってるんだ。謝る事なんて何もないよ。紗和、家に帰ろう。」
「明日は会社に行くから帰れない。」
 紗和はそう言った。
「帰らなきゃダメだ。さっ、着替えなさい。」
 良樹は健一と航大の顔を見ると
「電話をくれたのは、どっちだい?」
 そう言った。
「こっちですよ。」
 航大がそう言って健一を指差した。
「健一、いつからいたの?」
 紗和がそう言った。
「けっこう前からいたよ。」
 健一が答えた。
「さっきから、俺と航大の事、間違えてるだろう。」
「みんな私の事、笑ってるでしょう。」
「紗和。あんな化粧お化けの集団見て、俺の方が笑ったよ。良かったな、お前もそうなる前に気がついて。」
「航大、そんな事言うなって。」
 健一は航大を止めたが、良樹が笑った。

 実家に着くと、父が料理を始めた。
「健一くんは、兄弟いるのかい?」 
「兄が1人と妹が1人。」
「そうか、家の中は賑やかだっただろう。」
「そうですね。父もおしゃべりな方だったし、妹と兄はいつも喧嘩してました。」
「君は真ん中になるのか。」
「そうです。扱いにくいって、よく母が言ってます。」
「そんな事ないよ。上と下のいいところを見て育ってきたから、人としてもできてるんだろうな。」
「そんな事ないですよ。」
「紗和、いつかこんな風になる様な感じがして、心配してたんだ。いつも本当の気持ちなんか何も言わないだろう。」
「そうですね。」
「健一くんが近くにいてくれて良かったよ。」
「俺は近くにいませんよ。あの会社であの仲間がいつも支えてくれていたんです。それを選んだのは、紗和本人ですし、今はちょっと、難しい所に来てしまったみたいですけど、ちゃんと自分の意志の通りに、生きてますよ。」
「そうなのか。それなら良かった。紗和が小学生の時だよ。母親が出て行ってね。あんまり自分の気持ちを話さなくなって、就職した後は、ぜんぜん連絡をよこさなくなって、ずいぶん心配してたんだよ。」

「紗和!」
 ぼんやりテレビを見ていると紗和に、良樹が話しかける。
「オムライス作るから、紗和が卵を包んでくれ。」
「いいよ。」
 紗和は立ち上がった。 
「お父さん、卵何個使っていい?」
「今日は2つ使ってもいいぞ。卵って、2つぶつけても1つしか割れないって知ってたか?」
 良樹が紗和に言った。
「知ってるよ。お父さんから何回も聞いた。」
 紗和は卵を2つ持ち、軽くぶつけた。
 
 失われた時間が巻き戻っていく。
 あんな風に無邪気に笑ってたら、もっと違う生き方があったのかもな。
 健一はそう思った。
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