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第四章
第56話 アレムの狙い
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「ルキーアの実は本来は神が食するもの。普通の人間であれば食しても何も起きないが、あなたは魔王の力を有する人間。尋常ではない魔力を受け入れることができる人間の器であれば、種も順調に育つそうです」
「相変わらず趣味が悪い……」
「あなたが子を産んだ暁には、その身体がアレム様の依り代となる」
「なるほど……それがアレムの狙いか。お前の身体じゃ脆弱すぎて満足できないわけだな」
せせら笑う僕の言葉にシキはピクッと眉を上げる。
僕はシキの首を掴み、今度はこちらからキスをしてやる――もの凄く不快だし、不本意だけどね。
僕はシキの唇に歯を立てた。
口の中に鉄の味が広がった瞬間、魔力が満たされてゆくのを感じた。
シキは僕の手を振り払い、後ろへ飛び退いた。そして信じがたい目で僕の方を見る。
「なんだ……つれないな。今さっきは嬉しそうに僕にキスをしてきたじゃないか」
「あ、あなた……私の魔力を」
「凄いね、シキ。やっぱりアレムが中に入っているから? 僕の魔力、満杯になったよ」
僕は唇を親指で拭いながら言った。
身体は人間だけど、魔王としてのスキルが残っていて良かった。
イプティーは自分の魔力を与えるのが得意なのに対し、僕はその反対だ。相手の魔力を奪い取ることができる。
服越しでも身体同士をくっつければ、ある程度の魔力は奪えるけど、相手の傷口から体液を取り入れることで多量の魔力を奪い取ることができる。要は接触が濃厚な程魔力は奪いやすくなるのだ。
こんな奴とキスなんかしたくなかったけれど、相手を油断させるには一番有効な方法だからな。
しかも先ほど魔物の軍勢を送り返す大技をやってのけて経験値を得たせいか、魔力の受け入れる容量が増えたようだ。
僕は触手に捕らわれているイプティーの方を見た。
今の僕の魔力であれば、一人をアークライト城に転移させるくらいわけがない。
触手に攻められた上に、首を絞めつけられていたイプティーは意識を失っていた。
転移魔法
僕が心の中で唱えた瞬間、イプティの頭上に小さな魔法陣が浮かぶ。
イプティーのみが移動出来るよう極力小さな魔法陣を描いた。
魔法陣が光った瞬間、 触手に雁字搦めだったイプティーの身体はすっとその場から消え去る。
今頃、彼はアークライト城内に戻っている筈。
獲物を失った触手は、イプティーの身体を求め蠢く。
ウォーターオクトパスは次なる獲物を求め蛇のようにうねりながら、今度は僕の方に触手を伸ばしてきた。
この程度の魔物、呪文を唱えるまでもないな。
僕がパチンと指を鳴らすと、ウォーターオクトパスは瞬時にして沸騰し蒸発した。
「さすがは魔王様」
魔力を奪われたにも関わらず、一瞬にして魔物を消してしまった僕の姿を見て、どこか嬉しそう。こいつの思考は相変わらず良く分からない。
ただ一つ分かっていることは、シキも元々人間で僕の強大な力に憧れて魔族になったということだ。
思えば奴は人間の頃から奇妙な子供だった。彼は貴族の子息で、僕の手によって目の前で父親を殺されたにも関わらず、僕を憎むどころか憧れの眼差しを向けてきた。しかも一緒に連れて行ってくれと懇願してきたのだ。
もちろん弱すぎる人間の子供に興味がなかった僕は無視したけどね。
シキはそれ以来、魔法や剣術の鍛練に打ち込み、魔物を相手に戦うようになった。いつしか腕利きの冒険者として名を馳せるようになった彼は、単身、吸血王グレン=ヴァイエルンが治めるヴァイエルン領に乗り込む。
グレンは人間の身体に噛みつくことで、自分と同じ眷属にしてしまう吸血鬼だ。
シキはそのグレンを襲い、敢えて噛まれた。本来噛まれた人間は、吸血鬼化し、噛んできた魔族の配下になるのだが、シキは吸血鬼化したが、配下にはならなかった。それどころか、自分に噛みついてきたグレンの首をはねた。
吸血鬼という魔族になったことで更なる力を得たシキは、グレンに成り代わり魔界の細部を治める領主となった。
そこまでして僕に執着し続けるこの男に気持ち悪さを感じたものの、彼の力は魔王軍の戦力になる。だから四将軍の一人に据えたのだ。
「父親と共にお前も殺しておけば良かったのかな」
「父親? ……ああ、あなたにあっさり殺された惰弱な公爵のことですか。あんなのと一緒に死ぬのはごめんです。ですがあなたの手で殺されるのは本望ですね……あんなオルティスなどに殺されたくはなかった!」
「仕方がないだろ。君がオルティスを怒らせたんだから」
「あの者は裏切ったのですよ!? 勇者の仲間と通じていた裏切り者だったのです」
「そうだね。でも今は僕も勇者と通じているから、君にとっては裏切り者だ」
「――――」
「僕は勇者の妻になるんだ」
そういってうっすらと笑う僕に、シキは虚空のような双眸を大きく見開く。
僕の言葉は彼の心を一瞬にしてズタボロにしただろうね。
憧れて止まなかった魔王が、敵である勇者の妻になる――何よりも有り得ない裏切りだ。
ま、シキだって山ほど人間や魔族を裏切って四将軍の地位を得たんだから、今更自分が裏切られた所でどうってことないよね。
「大炎華」
僕はシキに向かって炎の攻撃魔法を放つ。
邪神アレムが目覚めない内にこいつの身体を燃やす。今、この場で消し炭にしてくれる。
魔王城の広間はたちまち炎の花が開花し、花の中心に立つ標的を燃やし始める。魔力を奪われたシキはなすすべがない。
「あああああ……こ、これでこそ魔王様っっ!!何百年も仕えてきた私をゴミのように燃やす。あなたはやはり悪逆非道な王だ!! 清廉潔白な勇者の妻になどなれやしない」
「相変わらず趣味が悪い……」
「あなたが子を産んだ暁には、その身体がアレム様の依り代となる」
「なるほど……それがアレムの狙いか。お前の身体じゃ脆弱すぎて満足できないわけだな」
せせら笑う僕の言葉にシキはピクッと眉を上げる。
僕はシキの首を掴み、今度はこちらからキスをしてやる――もの凄く不快だし、不本意だけどね。
僕はシキの唇に歯を立てた。
口の中に鉄の味が広がった瞬間、魔力が満たされてゆくのを感じた。
シキは僕の手を振り払い、後ろへ飛び退いた。そして信じがたい目で僕の方を見る。
「なんだ……つれないな。今さっきは嬉しそうに僕にキスをしてきたじゃないか」
「あ、あなた……私の魔力を」
「凄いね、シキ。やっぱりアレムが中に入っているから? 僕の魔力、満杯になったよ」
僕は唇を親指で拭いながら言った。
身体は人間だけど、魔王としてのスキルが残っていて良かった。
イプティーは自分の魔力を与えるのが得意なのに対し、僕はその反対だ。相手の魔力を奪い取ることができる。
服越しでも身体同士をくっつければ、ある程度の魔力は奪えるけど、相手の傷口から体液を取り入れることで多量の魔力を奪い取ることができる。要は接触が濃厚な程魔力は奪いやすくなるのだ。
こんな奴とキスなんかしたくなかったけれど、相手を油断させるには一番有効な方法だからな。
しかも先ほど魔物の軍勢を送り返す大技をやってのけて経験値を得たせいか、魔力の受け入れる容量が増えたようだ。
僕は触手に捕らわれているイプティーの方を見た。
今の僕の魔力であれば、一人をアークライト城に転移させるくらいわけがない。
触手に攻められた上に、首を絞めつけられていたイプティーは意識を失っていた。
転移魔法
僕が心の中で唱えた瞬間、イプティの頭上に小さな魔法陣が浮かぶ。
イプティーのみが移動出来るよう極力小さな魔法陣を描いた。
魔法陣が光った瞬間、 触手に雁字搦めだったイプティーの身体はすっとその場から消え去る。
今頃、彼はアークライト城内に戻っている筈。
獲物を失った触手は、イプティーの身体を求め蠢く。
ウォーターオクトパスは次なる獲物を求め蛇のようにうねりながら、今度は僕の方に触手を伸ばしてきた。
この程度の魔物、呪文を唱えるまでもないな。
僕がパチンと指を鳴らすと、ウォーターオクトパスは瞬時にして沸騰し蒸発した。
「さすがは魔王様」
魔力を奪われたにも関わらず、一瞬にして魔物を消してしまった僕の姿を見て、どこか嬉しそう。こいつの思考は相変わらず良く分からない。
ただ一つ分かっていることは、シキも元々人間で僕の強大な力に憧れて魔族になったということだ。
思えば奴は人間の頃から奇妙な子供だった。彼は貴族の子息で、僕の手によって目の前で父親を殺されたにも関わらず、僕を憎むどころか憧れの眼差しを向けてきた。しかも一緒に連れて行ってくれと懇願してきたのだ。
もちろん弱すぎる人間の子供に興味がなかった僕は無視したけどね。
シキはそれ以来、魔法や剣術の鍛練に打ち込み、魔物を相手に戦うようになった。いつしか腕利きの冒険者として名を馳せるようになった彼は、単身、吸血王グレン=ヴァイエルンが治めるヴァイエルン領に乗り込む。
グレンは人間の身体に噛みつくことで、自分と同じ眷属にしてしまう吸血鬼だ。
シキはそのグレンを襲い、敢えて噛まれた。本来噛まれた人間は、吸血鬼化し、噛んできた魔族の配下になるのだが、シキは吸血鬼化したが、配下にはならなかった。それどころか、自分に噛みついてきたグレンの首をはねた。
吸血鬼という魔族になったことで更なる力を得たシキは、グレンに成り代わり魔界の細部を治める領主となった。
そこまでして僕に執着し続けるこの男に気持ち悪さを感じたものの、彼の力は魔王軍の戦力になる。だから四将軍の一人に据えたのだ。
「父親と共にお前も殺しておけば良かったのかな」
「父親? ……ああ、あなたにあっさり殺された惰弱な公爵のことですか。あんなのと一緒に死ぬのはごめんです。ですがあなたの手で殺されるのは本望ですね……あんなオルティスなどに殺されたくはなかった!」
「仕方がないだろ。君がオルティスを怒らせたんだから」
「あの者は裏切ったのですよ!? 勇者の仲間と通じていた裏切り者だったのです」
「そうだね。でも今は僕も勇者と通じているから、君にとっては裏切り者だ」
「――――」
「僕は勇者の妻になるんだ」
そういってうっすらと笑う僕に、シキは虚空のような双眸を大きく見開く。
僕の言葉は彼の心を一瞬にしてズタボロにしただろうね。
憧れて止まなかった魔王が、敵である勇者の妻になる――何よりも有り得ない裏切りだ。
ま、シキだって山ほど人間や魔族を裏切って四将軍の地位を得たんだから、今更自分が裏切られた所でどうってことないよね。
「大炎華」
僕はシキに向かって炎の攻撃魔法を放つ。
邪神アレムが目覚めない内にこいつの身体を燃やす。今、この場で消し炭にしてくれる。
魔王城の広間はたちまち炎の花が開花し、花の中心に立つ標的を燃やし始める。魔力を奪われたシキはなすすべがない。
「あああああ……こ、これでこそ魔王様っっ!!何百年も仕えてきた私をゴミのように燃やす。あなたはやはり悪逆非道な王だ!! 清廉潔白な勇者の妻になどなれやしない」
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