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探求 学者編
ゴーレムを考察する
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結論から言おう。
ゴーレムめっちゃ弱かった!
僕らが接敵したゴーレムは人型だったのだが、指や膝などの関節を人体を模して作られており、そこを棍棒でぶっ叩きまくったら、あっという間に動きが鈍くなってしまったのだ。
「ただ、このゴーレムを相手に剣とかの武器を使ったら、あっという間に武器の方が壊れたでしょうね――って、何してるのエリスさん?」
見れば僕によって動かなくなるまでぶっ叩かれたゴーレムを前に、床に四つん這いになっているエリスさん。
「そ、損失だぁ。ここまで人を模して滑らかに動くゴーレムなんて、なかなか出てこないんだぞ!?」
ウルウルと涙を流して本気で悔しがっているエリスさん。
んー、それなんだけどなぁ。
「おかわり来ましたよ?」
僕がそう言うと、エリスさんはボコボコになったゴーレムの前から素早く移動して、僕の背中にヒシッ! と、しがみ付く様にくっついた。
……まさか僕を盾にするつもりじゃないだろうな?
「どこだサボ? おかわりのゴーレムは何処にいる!?」
まあ安定のエリスさんだったな。
僕はスッと腕を上げて通路の先を指し示す。
そこには人が歩く様に動く、先程と同じゴーレムの姿があった。
「きたー! ゴーレムだぁ!」
と浮かれるエリスさんに僕は告げる。
「いや、また同じになるからぶっ叩きますけど?」
「いやぁ! ゴーレムがぁ!」
と僕の肩を掴んで悲鳴をあげるエリスさん。
おい。あんたの仲間は僕の方であって、ゴーレムじゃないんだが?
『ブビガガピー、ブ?』
僕らの目の前まで来たゴーレムは、そんな音を出してまた停止した。
「また同じ行動?」
「ふむ?……あー、あー、『ゴーレム君ゴーレム君? 私の言葉が分かるかね?』」
僕の背後から、強い訛り言葉のエリスさんの声が聞こえる。
「いやエリスさん、さすがにゴーレムに言葉は――」
『ブー……。北方方面ノ『エルフ語』ヲ検知。言語調整――アナタ方ハ、『シンニュウシャ』デスカ?』
「って喋った!?」
ゴーレムが喋ったよ!?
そんなゴーレムに気を良くしたのか、エリスさんが僕の前に進み出た。
何かあった時の為にエリスさんの肩に手を置いて、いつでも後ろに下がらせることが出来る様にしておく。
「あー、『私達は『侵入者』ではない。純粋にこの遺跡を調べに来た学人だ!』」
《サポートスキル『共感覚』発動》
《対象言語を感知》
《エルフ共通語を獲得しました》
エリスさんの肩に触れていた為か、サポートスキルがエリスさんの言葉を僕が理解できる言葉に変換してくれる。
『調べ? 産業すぱいデスカ!』
なにやらゴーレムの言葉の雰囲気が変わった気がする。
「えーっと『サンギョウスパイ? というのは良く分からんが、私達の目的は調査だ!』」
『施設ノ機密を保持――! 対象ヲ拘束シマス!』
おそらくドヤ顔をして言ったであろうエリスさんを後ろに引き倒し、僕はその上を飛び越えてゴーレムに対して棍棒を振り下ろした!
ほどなくして2体目のゴーレムも動けなくなるまで滅多打ちして戦闘を終了させる。
「か、会話が出来るゴーレムぅぅぅ……」
また涙を流しながらゴーレムの残骸を見ているエリスさん。
ちなみに1体目はすでに僕の方でマジックバッグに回収させてもらっている。ゴーレムの体が金属で出来ていたので、鋳つぶして素材に出来るかと思ったからだ。
「う~ん? しかし途中までは上手くいきそうでしたね?……ふむ?」
僕はエリスさんをその場に残して少し通路を進んだ。すると予想通り同じ形のゴーレムが前からこちらに進んでくるのが見える。
『ブビガガピー、ブ?』
「あー、『ゴーレム君? 僕の言葉が分かる?』」
するとゴーレムはすぐさま反応を返してくれた。
『ブー……。北方方面ノ『エルフ語』ヲ検知。言語調整――アナタ方ハ、『シンニュウシャ』デスカ?』
まるっきり同じ言葉だった。
「えーっと、『道に迷ったみたいなんだけど、どちらに行けば良いかな?』」
僕は先程覚えたエルフ共通語でそうゴーレムに問いかけた。
『見学者ノ方デシタカ。ソレデハ見学るーとニ案内致シマス』
そう言ってゴーレムが踵を返して進もうとするので、僕は「ちょっと待ってて。連れも居る」とゴーレムに声を掛けてエリスさんの元に戻って事情を説明する。
それを聞いたエリスさんは「なんだって!? 直ぐにそのゴーレムの所に案内するんだサボ! ハリーハリー!」と一気に元気になっていた。
喜怒哀楽が激しい人だなぁ。
こうして僕らはゴーレムの案内人(?)をゲットしたのだった。
ゴーレムめっちゃ弱かった!
僕らが接敵したゴーレムは人型だったのだが、指や膝などの関節を人体を模して作られており、そこを棍棒でぶっ叩きまくったら、あっという間に動きが鈍くなってしまったのだ。
「ただ、このゴーレムを相手に剣とかの武器を使ったら、あっという間に武器の方が壊れたでしょうね――って、何してるのエリスさん?」
見れば僕によって動かなくなるまでぶっ叩かれたゴーレムを前に、床に四つん這いになっているエリスさん。
「そ、損失だぁ。ここまで人を模して滑らかに動くゴーレムなんて、なかなか出てこないんだぞ!?」
ウルウルと涙を流して本気で悔しがっているエリスさん。
んー、それなんだけどなぁ。
「おかわり来ましたよ?」
僕がそう言うと、エリスさんはボコボコになったゴーレムの前から素早く移動して、僕の背中にヒシッ! と、しがみ付く様にくっついた。
……まさか僕を盾にするつもりじゃないだろうな?
「どこだサボ? おかわりのゴーレムは何処にいる!?」
まあ安定のエリスさんだったな。
僕はスッと腕を上げて通路の先を指し示す。
そこには人が歩く様に動く、先程と同じゴーレムの姿があった。
「きたー! ゴーレムだぁ!」
と浮かれるエリスさんに僕は告げる。
「いや、また同じになるからぶっ叩きますけど?」
「いやぁ! ゴーレムがぁ!」
と僕の肩を掴んで悲鳴をあげるエリスさん。
おい。あんたの仲間は僕の方であって、ゴーレムじゃないんだが?
『ブビガガピー、ブ?』
僕らの目の前まで来たゴーレムは、そんな音を出してまた停止した。
「また同じ行動?」
「ふむ?……あー、あー、『ゴーレム君ゴーレム君? 私の言葉が分かるかね?』」
僕の背後から、強い訛り言葉のエリスさんの声が聞こえる。
「いやエリスさん、さすがにゴーレムに言葉は――」
『ブー……。北方方面ノ『エルフ語』ヲ検知。言語調整――アナタ方ハ、『シンニュウシャ』デスカ?』
「って喋った!?」
ゴーレムが喋ったよ!?
そんなゴーレムに気を良くしたのか、エリスさんが僕の前に進み出た。
何かあった時の為にエリスさんの肩に手を置いて、いつでも後ろに下がらせることが出来る様にしておく。
「あー、『私達は『侵入者』ではない。純粋にこの遺跡を調べに来た学人だ!』」
《サポートスキル『共感覚』発動》
《対象言語を感知》
《エルフ共通語を獲得しました》
エリスさんの肩に触れていた為か、サポートスキルがエリスさんの言葉を僕が理解できる言葉に変換してくれる。
『調べ? 産業すぱいデスカ!』
なにやらゴーレムの言葉の雰囲気が変わった気がする。
「えーっと『サンギョウスパイ? というのは良く分からんが、私達の目的は調査だ!』」
『施設ノ機密を保持――! 対象ヲ拘束シマス!』
おそらくドヤ顔をして言ったであろうエリスさんを後ろに引き倒し、僕はその上を飛び越えてゴーレムに対して棍棒を振り下ろした!
ほどなくして2体目のゴーレムも動けなくなるまで滅多打ちして戦闘を終了させる。
「か、会話が出来るゴーレムぅぅぅ……」
また涙を流しながらゴーレムの残骸を見ているエリスさん。
ちなみに1体目はすでに僕の方でマジックバッグに回収させてもらっている。ゴーレムの体が金属で出来ていたので、鋳つぶして素材に出来るかと思ったからだ。
「う~ん? しかし途中までは上手くいきそうでしたね?……ふむ?」
僕はエリスさんをその場に残して少し通路を進んだ。すると予想通り同じ形のゴーレムが前からこちらに進んでくるのが見える。
『ブビガガピー、ブ?』
「あー、『ゴーレム君? 僕の言葉が分かる?』」
するとゴーレムはすぐさま反応を返してくれた。
『ブー……。北方方面ノ『エルフ語』ヲ検知。言語調整――アナタ方ハ、『シンニュウシャ』デスカ?』
まるっきり同じ言葉だった。
「えーっと、『道に迷ったみたいなんだけど、どちらに行けば良いかな?』」
僕は先程覚えたエルフ共通語でそうゴーレムに問いかけた。
『見学者ノ方デシタカ。ソレデハ見学るーとニ案内致シマス』
そう言ってゴーレムが踵を返して進もうとするので、僕は「ちょっと待ってて。連れも居る」とゴーレムに声を掛けてエリスさんの元に戻って事情を説明する。
それを聞いたエリスさんは「なんだって!? 直ぐにそのゴーレムの所に案内するんだサボ! ハリーハリー!」と一気に元気になっていた。
喜怒哀楽が激しい人だなぁ。
こうして僕らはゴーレムの案内人(?)をゲットしたのだった。
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