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第162話 魔術師オズワルドの破滅②

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「とぼけるのも大概にしなさい。ここで殺してやってもいいのよ?
 それにしても、呪詛を返されたのによく生き残ったものだわ。呪殺に失敗した者の末路は、大概屍をさらすもの。そこは褒めてあげる、生きているとはさすがね、オズワルド。
 いい? お前のやったことを自白すれば罪は軽くなる。味方はもういないのよ。王に命じられ、私を呪い、そして私の夫アライスにを害そうとしたことを認めなさい。そうすれば殺すまではしない」

「…………」

 エルザ妃の言葉に黙ったままのオズワルドは、ひどくおっくうそうでした。

「……王はそのようなことは命じない。何の証拠がある?」

「私の呪いが解け、お前はすべての力を失い、子どもの姿となった。その姿が何よりの証拠。何か魔法を使ってみなさいオズワルド。使えないはずよ。あんたは呪詛返しで、魔力を失ってるはずだから。それが何よりの証拠でしょう」

 強気のエルザ妃に、ふっとオズワルドは笑いました。

「俺の姿は、王を安全な場所に逃がすため、禁じられた術を使ったからだ。その咎は受けてもいい。だが呪いなんて身に覚えがない。エルザ妃殿下と言えど、そのような言いぐさ、礼を失するものではないのか?」

「苦しい言い訳をするじゃない。禁呪でその姿になった?
 呪殺に失敗したものは永久に子どもの姿になるわ。魔法の力も失う。あんたのこの姿が、呪い返し以外にあると思うの?」

「仮にそうだとして、それがあなたへの呪詛返しだという証拠はあるのか?」

「忌々しい!」

 エルザ妃は叫び、オズワルドを地面へ引き倒しました。

「今に魔術局が鑑定をよこすわ。お前の罪を証明してくれるでしょうね!」

 そういうやいなや、エルザ妃が隣にいた騎士の剣をつかんで抜くと、オズワルドの左腕につきたてました。

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