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第127話 私の決めたこと
しおりを挟むしばらく前、ルカは私に言っていました。
アルドには呪いで死にかかっていることを言わないでくれ、と。
その意に反して本当のことをばらされてしまったルカは、忌々しいという表情で黙っていました。
しかし、セストは怖気ることなくルカに向き直ります。
「ルカ様。
私の姉、エルザは、このままでは呪いによって死ぬでしょう。最近はもう起きているのもつらく、衰弱するばかりです。一時は近しい間柄だったではありませんか、その姉を見捨てよとあなたは言うのですか?」
強い口調で言うと、今度はすがるように私の服の裾にこうべを垂れ、重々しく口を開きました。
「聖女様、どうかお言葉を覆すことなく、私と一緒に来て頂きたい。
私と一緒に来れば、姉は助力を惜しみません。あなたは国の聖女に戻ることができるでしょう。
そして、姉の呪いを解けば、姉のエルザもルカ様も助かる。
私は全員に得のある話をしてるんです。何もおかしな話なんかしておりません。
それに、来るならどうか急いでほしいのです、国をレッドドラゴンが襲っています。
結界をはれるものが戻らなければ、リディス王国が滅んでしまいます!」
「レッドドラゴン……?」
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「はい」とララは頷きました。
「私、私も……ルチル様に国に戻ってきて欲しいです!
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私の手を取って必死に訴えるララに、私はルカに目を向けました。
「ルカ、あなたは優しいから、私が国に戻ると言ったら、きっと止めるだろうと思っていました。
でも、私は行きます。行かなかったら、きっと後悔するから」
しばらくの沈黙。
そして、わかった、とルカの小さな声がしました。
「セスト、どうかエルザ妃のところまで案内してください」
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