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第126話 セストの反論
しおりを挟む「さすが聖女様、話が早い!
ではさっそく出発しましょう、それにしてもルカ様がまさか人間の姿を取り戻していたとは、本当に驚きました。
聖女様のお力だとは聞いていましたが、なんと素晴らしい……」
明るく話すセストとは反対に、ルカは押し黙っていました。
「さあ、時は金なりといいますし、急いで支度を」
「ルチル、考え直すべきだ」
セストと私の間に割って入ると、ルカはセストをにらみました。
「お前たちがルチルを使おうとしていることはわかる。
何かに巻き込もうとしていることも。エルザが絡むとろくなことにはならない。
セスト、お前のことも、エルザのことも、俺は良く知っている。
自分たちの利益のために、人の命を使うのがお前たちだ」
「同感っすね。あんたの姉君のせいで、殿下、じゃなかった先輩は大変な苦労をされたんすよ」
今までにない厳しい表情で、アルドもセストを睨みました。
言われて、セストは目を細め、ひるむことなくアルドをにらみ返しました。
「はぁ。それはすんません。
それにしてものんびりしたもんですな。聖女様がうちに来なければ、あんたの主人はもう数日か数週間で、呪詛に取り殺されて死ぬってのに」
え? という表情でアルドはルカを見ました。
「ほ、本当なんすか? そんな話、俺、一つも……」
たたみかけるようにセストはアルドに言いました。
「知らないとは言わせない。
うちの姉にかけられた呪いを解くことが、あんたの主人を救うって、あんたも重々承知しているはずだ。主人を思うなら、聖女様がうちに来るのを邪魔するなんて愚かの極みじゃないですかね?」
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