その男、繊細につき

慶之助

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1-24 警告

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メモリーズのメンバーはゴルフ場へ向かう時、高速道路に入る前のコンビニで軽い食事と飲み物を調達するのが定番コースになっていた。

そして、今日もいつものコンビニに寄った。

丁度買い物を終えたパンパン、シーちゃん、それに眠そうな顔のマイちゃんが店から出てくるところだった。

たまーに、メモリーズを手伝いに来るマイちゃんだがパンパンの影響もあり最近はゴルフにのめり込んでいるのだ。
「あれー?私たち相当遅く出たのに、それより遅いなんてどうしたの?」

いつもながら空気を読まない一言がマイ様の口から飛び出した。
しかし、みんな反応する元気は無く、聞こえぬフリでマイちゃんをやり過ごしコンビニに吸い込まれていった。

朝からつかれたくねーよ。そんな空気だった。

「先にいきますね」

爽やかに、シーちゃんが手を振った。

悠一がポツリと

「実業家はやはり爽やかだなぁー」

勝彦はそれに反応して

「職業は関係ないよな」

「わーはっはっはっは」

どんよりしていた空気が少し軽くなり、笑顔が戻った。

プルルルル、、、そこに勝彦の電話が鳴った。

「カッちゃん、大丈夫?なんか心配でさ」

「ヒデちゃん、ありがとう。大丈夫かどうか?分からないけど、、、ヒデちゃんも今度はゴルフ参加してよ」

「そっち???」

どうも、不確実性の塊が出入りするようになってから皆少し神経質になっていまってしるようだった。

また、どんより曇に覆われないように大志が声を張った。

「今日はさ、コンペだから楽しくよろうよ」

「だよねー」

「よし、出発するぞ」

矢部はコンビニにも行かず、ひたすら睡眠を貪っていた。

ゴルフ場に着くと参加者は今日の調子を確かめる為、急いて着替えをしドライビングレンジに向かった。

ただし、ドライビングレンジに向かわない男子が二人。

矢部と、、、

、、、

、、、

大志だ。

大志はコースでプレイする時はいつもドライビングレンジでの調整はしないのだ。

そして、ラウンジでコーヒーを飲みながらスタートの時刻を待つ。
このスタート前の静かなラウンジで景色を眺めながら過ごす時間が大志は好きだった。



ところが、今日は静かではなかった。

車の中で散々寝まくった矢部が元気を取り戻し、

「おねーちゃん、生、生、なーまぁ」

さすがにマナー違反が過ぎた為、大志は

「矢部さん、ここゴルフ場だからね。マナー守ってくださいね。そうじゃないと、、、」

「、、、やっちゃうよ」

とうとう警告を発したのだった。

今まであちこちでやんちゃを繰り返してきた矢部だが、なんとも言えない凄みにkatamaってしまい反応できない。やっと出てきた言葉は、、、

「はい」

だった。
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