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閑話⑤ リアンと騎士達
しおりを挟むルークとティアが消えた森の中、リアンは魔法陣が浮かんでいた地面に手をつき、魔力の残滓を辿る。…………遠いな。騎士達に周りを守るように言付けてから、残滓を辿ることに集中する。
国を跨ぎ海を渡った先にある小さな島。そこにふたりを見つけた。怒りでざわりと魔力が揺れる。
「リアン様、おふたりが見つかりましたか?」
騎士の声に冷静になる。大丈夫だとは思うが、このまま魔物の多い森の中に置いていくわけにはいかないか。……あのふたりが揃っていれば大概は問題ないだろう。一度屋敷に戻ることにする。
「詳しいことはお前達が話しておけ。……この場に戻ってくるから転移魔法に巻き込まれないよう、しばらく近づくな」
屋敷に帰ったあとリアンは休むことなく、庭の開けた場所に立ち、転移魔法を発動させる。その魔法陣は黒く輝いていた。
リアンと真っ黒な魔法陣が消えたあと、芝生の緑の美しい侯爵家の庭には説明を任された騎士達が残された。
「詳しいことって、何も説明されていないですよ……」
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