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8話
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8話
翌日合流して朝食をとっている時から露骨にアニスからの視線を感じる様になった。
だが、俺が視線を向けると背けるといった一連の動作が何度もあった。
当然の様にルピナにはバレた様で機嫌が悪いような気がする。
本人は気丈に振舞っている様だが・・・。
クリスは何が面白いのか「モテる雄は大変だねぇ~」などとほざき、ニヤニヤしていた。
これは何処かのタイミングで”分からせて”やる必要があるかもしれないな。
素朴な疑問として、ルピナ達が派遣された依頼について詳しく聞いてみた。
ルピナ達の話をまとめると、
凶悪なドラゴンが討伐されたから、らしい。
当初は純粋に最近森の様子がおかしい為の調査と言われていたそうだが。
わざわざ調査ポイントまで指定されていた所をみると、結果からみるとほぼ騙されていた様なものだ。
きちんと討伐されているか確認しておきたかったのだろう。
付近に俺が居たということは、
俺が転生?してきた出来事の原因はまさしくそれだろう。
だが、仮に凶悪なドラゴンが以前の俺だったとして、討伐した奴は一体どこの誰で何処へいったんだ?
相手と相討ちで相手だけをを消滅させてしまったのか?
それとも以前の俺が一方的に殺されたのか?
気が付いた時に周囲に俺が脅威に感じる存在は居なかった筈だ。
長考していた俺に酒場に入ってきた異常な人物を認識する前に俺の隣まで近付くと自然過ぎる動作で俺の心臓へナイフを突き立てた。
俺は唐突な攻撃に反応できなかった。
慢心からかどうにかなると思ったがナイフはいとも容易く俺の心臓を貫いた。
・・・ゴホッ
うまく呼吸が出来ず大量に吐血した。
胸が激しく熱い・・・
心臓に突き立てられたナイフに力が吸収されていく感覚と、自分の命が急速に零れ落ちていく感覚が俺を襲う。
「キミだけ蘇るなんて許さないよ?一緒に逝こう♡」
振り向くとそこには全身焼け爛れ、満身創痍な痩身で黒髪が美しかったんだろう女がいた。
女はニチャっとしたドス黒い感情が滲み出た気味の悪い笑顔を振りまく。
なんなんだコイツは!?
そう思いながらも碌に身体も動かせず、言葉を発せず視界が暗くなっていく。
遠くなる意識の中、ルピナやアニスの叫び声が聞こえた。
「(ルピナ・・・)」
最後にルピナに触れたかったが、それすらも叶わず意識を失ってしまった。
また、死ぬのか・・・。
俺が意識を失うと、何かに強く引っ張られる感覚が襲った。
すると次の瞬間、優しい何かに包まれる感覚を感じた。
二度と目を覚ます事も無いんろうな、という潜在的な恐怖心を簡単に払拭する程度には安心してしまった。
・・・コレが死ぬって事か。
俺は包みこまれた底しれない絶対的な安心感に身を任せ、心地良い眠りにつくことにした。
翌日合流して朝食をとっている時から露骨にアニスからの視線を感じる様になった。
だが、俺が視線を向けると背けるといった一連の動作が何度もあった。
当然の様にルピナにはバレた様で機嫌が悪いような気がする。
本人は気丈に振舞っている様だが・・・。
クリスは何が面白いのか「モテる雄は大変だねぇ~」などとほざき、ニヤニヤしていた。
これは何処かのタイミングで”分からせて”やる必要があるかもしれないな。
素朴な疑問として、ルピナ達が派遣された依頼について詳しく聞いてみた。
ルピナ達の話をまとめると、
凶悪なドラゴンが討伐されたから、らしい。
当初は純粋に最近森の様子がおかしい為の調査と言われていたそうだが。
わざわざ調査ポイントまで指定されていた所をみると、結果からみるとほぼ騙されていた様なものだ。
きちんと討伐されているか確認しておきたかったのだろう。
付近に俺が居たということは、
俺が転生?してきた出来事の原因はまさしくそれだろう。
だが、仮に凶悪なドラゴンが以前の俺だったとして、討伐した奴は一体どこの誰で何処へいったんだ?
相手と相討ちで相手だけをを消滅させてしまったのか?
それとも以前の俺が一方的に殺されたのか?
気が付いた時に周囲に俺が脅威に感じる存在は居なかった筈だ。
長考していた俺に酒場に入ってきた異常な人物を認識する前に俺の隣まで近付くと自然過ぎる動作で俺の心臓へナイフを突き立てた。
俺は唐突な攻撃に反応できなかった。
慢心からかどうにかなると思ったがナイフはいとも容易く俺の心臓を貫いた。
・・・ゴホッ
うまく呼吸が出来ず大量に吐血した。
胸が激しく熱い・・・
心臓に突き立てられたナイフに力が吸収されていく感覚と、自分の命が急速に零れ落ちていく感覚が俺を襲う。
「キミだけ蘇るなんて許さないよ?一緒に逝こう♡」
振り向くとそこには全身焼け爛れ、満身創痍な痩身で黒髪が美しかったんだろう女がいた。
女はニチャっとしたドス黒い感情が滲み出た気味の悪い笑顔を振りまく。
なんなんだコイツは!?
そう思いながらも碌に身体も動かせず、言葉を発せず視界が暗くなっていく。
遠くなる意識の中、ルピナやアニスの叫び声が聞こえた。
「(ルピナ・・・)」
最後にルピナに触れたかったが、それすらも叶わず意識を失ってしまった。
また、死ぬのか・・・。
俺が意識を失うと、何かに強く引っ張られる感覚が襲った。
すると次の瞬間、優しい何かに包まれる感覚を感じた。
二度と目を覚ます事も無いんろうな、という潜在的な恐怖心を簡単に払拭する程度には安心してしまった。
・・・コレが死ぬって事か。
俺は包みこまれた底しれない絶対的な安心感に身を任せ、心地良い眠りにつくことにした。
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